実は意外と簡単な「板海苔の自作」 新ノリの季節にお勧めレクリエーション

実は意外と簡単な「板海苔の自作」 新ノリの季節にお勧めレクリエーション

日本の食卓に欠かせない板海苔。実は誰でも簡単に自作することができます。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

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その他 サカナ研究所

海苔が高騰中

我々の食卓に欠かせない海苔。しかし現在、この海苔の値段が大変な高騰を見せており、和食の現場に大きな影響を及ぼしています。

実は意外と簡単な「板海苔の自作」 新ノリの季節にお勧めレクリエーション有明海とノリ養殖場(提供:PhotoAC)

原因は、日本の海苔生産の6割を占める有明海で「赤潮」が発生したこと。プランクトンの異常発生である赤潮が発生すると、海水中の栄養分が減少し、ノリの色落ちが発生するのですが、今年はその被害規模が過去にないほど大きくなっているのです。

その結果、例年では約65億枚生産されているという板海苔が、今期は45億枚ほどにまで減るのではないかとみられています。当然価格の高騰は避けられず、すでに卸価格は例年の1.5~2.5倍に跳ね上がっている状態だそうです。  

実は身近に生えているノリ

そういうわけで、今年は非常に貴重なものとなっている海苔。しかし実のところ、「ノリ」は意外に身近なところに生えていたりします。

海苔の原料となる海藻「スサビノリ」は、全国各地の海岸でふつうにみられるものです。特に今の時期は磯や堤防、消波ブロックなどにびっしりと貼り付き、黒紫色になっているので見かければすぐにわかります。

実は意外と簡単な「板海苔の自作」 新ノリの季節にお勧めレクリエーションスサビノリが発生した岩(提供:茸本朗)

スサビノリは、東京湾や大阪湾など都会の海でもごく普通にみられる身近な海藻です。ちなみによく似た近縁種である「オニアマノリ」は岩ノリと呼ばれ、ラーメンのトッピングなどで人気の高い食材となっています。

この際自作してみては?

このスサビノリ、ノリの養殖がおこなわれている地域では漁業権が指定されていることがあり、我々一般人が採取することはできません。しかしそうでない場所では採取可能なことが多く、干潮の際に海岸に行けば簡単に採ることができます。

実は意外と簡単な「板海苔の自作」 新ノリの季節にお勧めレクリエーション採取したスサビノリ(提供:茸本朗)

スサビノリは指で採り集め、洗ったのちに細かく刻み、市販の紙すき器ですいて乾燥させれば市販の板海苔と同様のものになります。きれいに作ることは難しく、乾燥させてみたら厚みがばらばらだったり穴が開いてしまっているのはしょっちゅうですが、味は市販品と変わりません。

ノリ採取や板海苔自作は危険が少なく難しいこともないので、子供と一緒にできるレクリエーションです。スサビノリは4月ごろまで採取可能なので、よかったらトライしてみてください。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>