釣り人なら知っておいても損はない【海のサバイバルの基本知識】

釣り人なら知っておいても損はない【海のサバイバルの基本知識】

海釣りをしていると、ひやっとする瞬間が何度もある。よくあるのが、消波ブロックで滑ってしまって穴にはまってしまったり、あるいは全身落水してしまったり。もしこれが孤立した釣り場であれば、大変なことになる。万が一の事態、今回はそのようなことの予防面ではなく、実際に緊急事態に陥ってしまったときのサバイバル術をいくつか紹介しよう。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

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井上海生

フィールドは大阪近郊。ライトゲームメイン。華奢なアジングロッドで大物を獲ることにロマンを感じます。

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目次

海釣りは、時にサバイバル

筆者は何度か全身落水を経験している。消波ブロックの穴に逆さまに入り込んでしまって身動きが取れなかったこともあれば、釣り場にあった丸太ん棒に転んで足を強捻挫し、携帯を水没させ、歩けなくなったこともある。

そんな経験から危険を察知する能力がいくらか長けてきたことも確かだ。たとえば、泉南の釣り場にわりと簡単に乗ることができる小磯があるが、そこに渡るのはよくても、帰りに潮汐の問題で足場が水没していたら戻れないじゃないか、やめておこう、と思ったり。

釣り人なら知っておいても損はない【海のサバイバルの基本知識】この小磯には乗らない(提供:TSURINEWSライター井上海生)

海釣りは、時にサバイバルなのだ。危険を予防する意味ではなく、実際に海で遭難してしまったときのことも考え、いくらかのサバイバル術を知っておきたい。

緊急状態に陥ったら

緊急事態の際はどのような行動をとればよいか考えてみよう。

ライトで知らせる

まず、ヘッドライトを持っていく。ヘッドライトには、多くの製品は、緊急事態を知らせる意味合いの、赤の点滅信号がある。これを点滅させておけば、ひとまずは誰かに見つけてもらえる可能性がある。もちろん手元を照らす意味を考え、常に満充電で、さらにもうひとつ予備のヘッドライトを持っていきたい。

シェルター(安全場所)確保

サバイバルの言葉で、「安全場所」をシェルターと言うらしい。具体的には、雨風や日差しから身をしのいで、仮眠する場所ともなるような場所だ。また、海に面しており、外から見て人の姿が見つかりやすいと尚良い。

人間は心理的に、背中を壁にしていると落ち着くものだ。私ならば、上の条件を満たすところならば、海沿いの大樹の陰を選ぶと思う。

ライジェケのホイッスル使用

救難信号はヘッドライトの赤点滅モードを使用することになるが、それも尽きたり、気づいてもらえないようなときには、ライフジャケットのホイッスルを使って音で知らせよう。

釣り人なら知っておいても損はない【海のサバイバルの基本知識】ライジャケ、マスト(提供:TSURINEWSライター井上海生)

海のサバイバルの豆知識

その他、もう少し踏み込んだ海のサバイバルの豆知識について解説しておこう。

水平線は4km先

人間が視認できる海の彼方、つまり水平線は、4~5km先だ。それを「たったの」とは考えないことである。絶対に泳げる距離ではない。

これは一般的な人間の身長の目線から、という意味。より高い場所に立つと、視界は向こう側まで見えるようになる。何か目印になるものがあれば、精神的にはずいぶんとラクになるかもしれない。

水は雨から手に入れる

サバイバル状況下ではシェルター、水、食べ物の確保が必須。海水は、人間の中の水と塩分濃度が違うので、飲むことができないし、飲んでしまうとさらに喉が渇いて脱水状態になる。真水を手に入れる方法はいくつかある。もっとも手軽なのは雨だ。その次に、湿った地面を深くまで掘って、土を絞ればわずかに水が滴る。また、かなり変わった方法ではあるが、釣り人ならではというか、釣った魚を服で包んで思いっきり絞れば真水を取り出すことができるらしい。

釣り人なら知っておいても損はない【海のサバイバルの基本知識】雨から水を手に入れる(提供:TSURINEWSライター井上海生)

ちなみに排尿したての尿は無菌なので、それを飲む方法もある……。

肛門から水を摂取する方法も?

これはネタ程度に。実は人間は、肛門から水を摂取することもできる。非常に汚い汚水でも真水ならば、肛門に入れて、水分として摂取できるのだ(食中毒になる危険も少ない)。しかし、一人でやるのはさすがに難しそうだが。

命は落とすなかれ

海のサバイバル術、いろいろ覚えておこう。ともあれ陸地に上がることができれば、命は落とさずに済む。そのために必要なのが、海に沈まないためのライフジャケット。上陸後の生死を分けるのは、ヘッドライトの救難信号と、音で知らせるホイッスル。助けが来るまでの水分補給。緊急事態に陥っても、焦りにより命を落とさないように、一時を耐えしのごう。

<井上海生/TSURINEWSライター>