アウトドアは自然の中での遊びだ。油断すると大怪我を負ってしまうこともある。特に釣りは鋭い針や、足元が整備されていない場所、毒を持つ生物、そして、打ち寄せる波など、ケガをするリスクは決して低くはない。今回は釣り場で出来るカンタンな応急処置を紹介していこう。
1,釣り針によるケガ
釣り独特のケガの代表格がハリ刺さり。ハリには一般的にカエシが付いているので一度刺さると簡単には抜けない。
初めに言っておくが、これから説明する方法はあくまで応急処置だ。病院にすぐに行ける環境であれば、余計なことをせずに受診すること。
貫通させる
カエシまで皮膚の中に入ってしまった場合は、荒治療ではあるが、ハリを抜こうとするのではなく、そのままカエシが出てくるまで貫通させ、ペンチやニッパーなどでハリを切断して抜く方法がある。
ストリングヤンクテクニック
深く刺さった時やトリプルフックのうち2本が刺さった場合など貫通させられないときでもダメージが少なく素早く抜けるのがストリングヤンクテクニックと呼ばれるもの。
人が引っ張ってすぐ切れないものでPEラインなどの締め込むとズレにくいイトを刺さったハリのカーブした部分に結び、一定方向へ安定した力をかけることで、一気に引き抜く方法。このときにハリがグラグラ動いてしまうと、うまく抜けなかったり傷口を広げてダメージが増加したりするので注意。
1人でもできるがビビって勢いが足りないと抜けないので他人にやってもらうのがベスト。ペンチで引き抜くよりも角度を固定でき、力が分散しないので素早く抜ける。
一番のポイントは躊躇せずに一気に引き抜くこと。
幼少時代にグラ◯ダー武◯という漫画の真似をしながらサイドハンドキャストでドヤっていた少年が隣の友人に思いっきりぶつけて病院送りにしたのを見かけている。
予期せぬトラブルが発生することが多いので子供や初心者と行く場合はそもそもバーブレスにしてから釣行しよう。
2,転倒によるケガ
陸っぱりで一番多いのが転倒による打撲や擦り傷など。
大切な道具を守るために我が身を犠牲にしたことはないだろうか。
最近筆者が体験したのは、コンクリの土手で転び、愛竿を守るために身を投げうって5回転。愛竿とリールは擦り傷ひとつつかず無事!「竿無事でよかった~。さっきのスタントマンみたいでヤバくね?」と、ノーテンキに喜んでいたがしばらくするとヒザが痛い・・。履いていたお気に入りの黒いチノパンとパーカーは一瞬でダメージ仕様&泥だらけになり、普段着には使えない状態。よく見たらヒザがボロボロで血だらけになっていた。
こんなときはすぐに清潔な真水で砂や土などの汚れ洗い流し、絆創膏などで傷をふさぐ。その際、海水や汚れた水は細菌が入り込む可能性があるので極力避けよう。
以前1週間ほど沖に出ることがあり、足の軽い擦り傷を放置したままにしていたら傷口が化膿してサンダルが履けないほどパンパンに腫れたり、傷口がキリで穴を開けたような状態になってしまったことがある。小さな傷だからといって油断してはいけない。
傷口を乾燥させず、人間が持つ再生能力を最大限に利用することで傷を治癒する湿潤療法(モイストケア)もお勧めだ。