ボートエギングロッドというと、専用の短いロッドを思い浮かべる人が多い。しかし、春の大型狙いに関しては、むしろショア用ロッドが理にかなっている場面が多い。今回、オリムピックの前神さんらと訪れた三重県志摩沖のゲームを例に、ボートエギングを得意とするルアー船の船長から聞いたノウハウととも、お勧めの新ロッドを紹介していく。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部・五井)
志摩沖のボートエギング
ボートエギングは大きく分けてキャスティングとティップエギング(ティップラン)に分かれる。前者は浅場を探る横の釣り、後者は船下を中心に攻める縦の釣りだ。
ボートエギングでキャッチ(提供:TSURINEWS編集部・五井)志摩沖では周年アオリイカが狙えるが、3~4月のシーズン初期は水深20~30mをティップエギングで狙い、4月半ばからはキャスティングを併用しながら徐々に浅場へ。5月には10m前後のポイントでキャスティングをメインとした大型狙いに移行する。秋は浅場から始まり、深場へと落ちていくのが定番だ。
春のボートエギングのキモ
さて、ここからは船長から聞いたボートエギングのキモについて書いていく。解説してくれたのは三重県志摩市浜島の大伸丸のタカシ船長だ。
大伸丸のタカシ船長(提供:TSURINEWS編集部・五井)キャスティングの場合
後述するティップエギングも含め、春の大型狙いは根気強くキャストと誘いを繰り返す釣りになるが、最大のポイントは「船が流れる」ことへの対応にある。風下に投げれば船がエギに追いつくため、シャクったあとエギをフォールさせている最中でも、こまめにラインを回収する。
一方、風上側の釣り座では、ピタリと止めてフォールさせているときも、そのままにしていると船に引っ張られてしまうので、ラインを送り出して引く力を相殺する。
ティップエギングの場合
この釣りではシャクリよりも”止め”が鍵となる。底層を回遊しているので、ボトムから3~5回シャクっては10~15秒のステイで見せる。エギが遠くへ流される前に回収し直す手返しも重要で、船長いわく「反応は1トレース目が勝負」。2トレース目も反応してくれるイカは初回の3分の1とのこと。
肘を使ってロッドを支持(提供:TSURINEWS編集部・五井)なお、ロッドは脇挟みせずに肘当てで操作する。こうすることで、操作の自由度が高まるとともに、ロッドの張りを活かした鋭いフッキングが可能になる。加えて、ロッドが持つ復元力をフルに活かせるので、船の揺れによるバラシを防いだり、大型を素早く浮かせることもできる。
大型アオリならではの注意点
大型のアオリイカとのファイトでは、船が流れる関係もあって、最後に船下に入り込まれるケースが多い。無理に引っ張ると身切れに繋がるので、ロッドを海面に突っ込んで耐え、ドラグを滑らせながらも相手が浮いてくるまで巻き続けるようにする。
また、特に大きなサイズになると、フッキングされても気づかずに、その場に留まることもある。藻が掛ったように感じるが、大きなアオリイカの可能性があるので、違和感があったら必ず聞きアワセを入れる。
理想的なロッド
アタリがでるまで根気よくキャストとシャクリを繰り返すので、疲れないために軽いこと。また、長さがあれば飛距離だけでなく、振り幅が大きいぶんアワセが効きやすい。
さらに、イカが船下に入り込んだときでも、長いロッドは船底を回避しやすいうえ、復元力も大きいので相手の体力を奪って短時間で浮かせられる。粘り強いバットがあればなお良い。
一方で、ティップエギングでは収束性の高さと柔軟なティップ、そして掛けにいける張りとトルクがあるベリーとバットを備えていることだ。
ボートでショア用ロッドが有効?
船長の見解と照合すると、ショア(陸っぱり)用ロッドが備える特徴がマッチする。8ft台のレングスは飛距離、操作幅、リフト力に優れ、一般的な大きさのルアー船の上では、取り回しに難渋することもない。結果として、ショアロッドの良いところが、春のボートゲームで武器になる。
船のサイズや釣り座によっては8ft台が好適(提供:TSURINEWS編集部・五井)キャスティングにお勧め
その条件を体現するのが「26ヌーボカラマレッティー」シリーズだ。長さとパワー面でまずお勧めなのが26GCALXS-852ML-HS+。このロッドに採用された「HS+(ハードソリッドティップ プラス)」は、ソリッドの柔軟性とチューブラーの張りの良いとこ取りをしたソリッドティップで、この穂先が「もたれ感」を通して潮流変化を可視化し、違和感なく抱かせる性能を発揮する。
26ヌーボカラマレッティー(提供:TSURINEWS編集部・五井)さらに、大きく曲がり込む特性により、船下に潜る大型にも追従し、身切れを防ぎながら浮かせる。ちなみに、本来のショアで使う場合は、エギをドリフトさせたり、違和感なく乗せたいときに強さを発揮するロッドだ。
しなやかに曲がる852ML-HS+(提供:TSURINEWS編集部・五井)そして、もう一つが26GCALXS-852M。張りのあるチューブラーティップが、キャストの抜けの良さと反響感度をもたらす。
852Mのキャスト時のカーブ(提供:TSURINEWS編集部・五井)反発力の高いブランクスが向かい風でも飛距離を確保し、藻場周りでの強引なやり取りにも対応する。この特性は、本来の用途であるショアのゲームでも、足下にハエ根や藻が広がる場所で、イカを沖で浮かせ、取り込みを容易にする。
852Mはベリーの張りとバットパワーが優れる(提供:TSURINEWS編集部・五井)このほか、取り回しに優れた752L-HS+、バランス型の832ML、遠投とパワーを両立した892ML/Mなどラインナップが揃う。
852Mや892ML/Mはこんな場所で強い(提供:TSURINEWS編集部・五井)ティップエギングにお勧め
ティップエギング用の5112M-TS(提供:TSURINEWS編集部・五井)「カラマレッティー・プロトタイプ<ティップエギングモデル>25GCALPS-5112M-TS」が好適。チタンソリッドティップの優れた目感度と食い込み、MAX70g対応のパワーにより、深場や潮流が速い海域で重いマスクシンカーを付けたエギを難なく操作できる。
最大値の70gをシャクったときの状態(提供:TSURINEWS編集部・五井)また、柔軟な穂先が変化をよく可視化し、波による船の揺れを吸収し、ピタッと止めたエギを安定させる。まさに止め性能と掛け性能を高次元で両立したロッドだ。
5112M-TSのチタンティップ(提供:TSURINEWS編集部・五井)このほか、グリップジョイントを採用し、スムースな曲がりによる負荷の移行、強度の確保を実現している。重いエギをシャクるための優れた設計だ。
5112M-TSはグリップジョイント(提供:TSURINEWS編集部・五井)なお、ここまで紹介したショアおよびティップエギング用の2機種は、あらゆる握り方で手にフィットする形状で、感度に優れた同社オリジナルのリールシートOP-02を採用。長時間のゲームでも疲れにくい軽さと握りやすさ、手感度を武器にしたテクニカルな釣りをサポートしてくれる。
852MのグリップとOP-02(提供:TSURINEWS編集部・五井)

