スルメイカやケンサキイカは、釣ってすぐ食べても十分おいしい。しかし、釣り人に人気の漁師メシ「イカの沖干し」は、保存方法によって味や食感が大きく変わることをご存じだろうか。今回はスルメイカ釣りで沖干しを作り、「ラップ」「キッチンペーパー」「グリーンパーチ」の3種類で保存して食べ比べを実施。果たして一番おいしかった保存方法とは?
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部・五井)
目次
まずは食材のイカを釣る!
沖干しイカはスーパーではほとんど見かけない。船上でしか作れない、釣り人だけの特権ともいえる料理だ。
スルメイカを狙って大山沖へ(提供:TSURINEWS編集部・五井)そこで今回の検証に協力してくれた紙屋街の鈴木さんとともに、愛知県・南知多町の豊浜漁港から出船する大進丸に乗船し、全国屈指のスルメイカ釣り場として知られる大山沖へ向かった。
乗船した大進丸(提供:TSURINEWS編集部・五井)スルメイカ釣りに挑戦
当日はウネリが高く、スルメイカ釣りにはやや厳しい状況。それでも同海域を知り尽くした船長の操船を信じ、実釣を開始した。
使用したタックル
・ロッド:アルファタックル イカづくし直結180-150
・リール:シマノ 電動丸4000 プレイズ
・バッテリー:ビーエムオージャパン リチウムイオンバッテリー13.2Ah
・ライン:PEライン4号
・仕掛け:アマノ釣具 イカサビキ(直ブラ)角18cm/幹イト12号
・オモリ:250号(状況に応じて200~300号)
当日使用した仕掛け(提供:TSURINEWS編集部・五井)初挑戦でもスルメイカを連発
水深約200mまで仕掛けを下ろし、船長の指示ダナを丁寧に探る。今回は初心者でも扱いやすい直ブラ仕掛けを使用。
実釣スタート(提供:TSURINEWS編集部・五井)最初は苦戦した鈴木さんも、スタッフから「シャクリ幅を小さく」とアドバイスを受けると、すぐにスルメイカをキャッチ。
スルメイカをキャッチ(提供:TSURINEWS編集部・五井)その後の時合ではダブルも連発。
コツをつかんでペースアップ(提供:TSURINEWS編集部・五井)十分な数を確保したところで、いよいよ沖干し作りに取り掛かった。
人気の漁師メシイカの沖干し
沖釣り師なら誰もが知る人気メニュー「イカの沖干し」。釣果を伸ばす時間を削ってまで作る人が多いほど、そのおいしさは折り紙付きだ。
イカの開き方
まずはイカの開き方から以下に記します。
漏斗のある側の身を一直線に(提供:TSURINEWS編集部・五井)1.イカのくちばしのところから頭に包丁(今回はハサミを使用)を入れて絞める
2.イカの漏斗が付いている側の身を、頭側から先端まで真ん中でカット
3.イカを開いて内臓を取り除く
4.イカの頭の中央を切り開き、目や脳を取り除く(くちばしは好みで残してもOK)
5.海水で全体を洗い流せばイカの開きが完成
イカの開きができた状態(提供:TSURINEWS編集部・五井)沖干しの作り方
続いては串を刺して干す工程を解説します。
横方向に串を通す(提供:TSURINEWS編集部・五井)1.イカの胴の下の方に、右から左へ串を縫い刺しにする(身側から皮側へ)
2.胴の先端の3~4cm下に串を貫通させる
3.イカ干しロープを跨ぐようにして、串にロープを乗り越えさせる
4.串の先端をイカの胴体に刺し、ロープを串で挟めば完了
胴の先端付近の刺し位置(提供:TSURINEWS編集部・五井)あとはイカを潮風に晒し、納竿または帰港時に回収すればおいしい沖干しの完成です。
航行中の回収作業は安全のため厳禁です。
このようにロープに固定(提供:TSURINEWS編集部・五井)保存方法で味は変わる?
沖干しを作ったあと、多くの人は冷蔵または冷凍保存する。しかし保存後に解凍すると、以下によって、せっかく半乾燥した身が再び湿ってしまう。
・結露
・ドリップ
そこでふと思った。
「沖干し本来のおいしさを、そのまま保存する方法はないのだろうか?」
今回は、以下の3種類で保存し、違いを検証してみることにした。
・ラップ
・キッチンペーパー
・グリーンパーチ
魚用保存紙グリーンパーチとは
グリーンパーチ(提供:TSURINEWS編集部・五井)グリーンパーチは「紙屋街」が販売する魚介類専用の保存紙。鮮魚店や干物店で見かける緑色の保存紙がそれだ。魚から出るドリップだけをゆっくり吸収し、身に必要な水分は保持してくれるため、乾燥しすぎず鮮度を保ったまま保存できる。小さなA4サイズから大型魚に対応するサイズまで展開されている。
キッチンペーパーとの違い
魚の保存でよく使われるキッチンペーパー。もちろん便利だが、本来は幅広い用途向けの商品であり、水分をしっかり吸収する性質がある。そのため長時間包んで保存すると、ドリップだけでなく身の水分まで吸い取ってしまうことがある。
一方グリーンパーチは、魚から出てくるドリップに合わせてゆっくり吸収するため、魚の潤いを保ちながら保存できるのが特徴だ。
沖干しイカで保存比較してみた
まずはイカの沖干しを下記の、3パターンで冷蔵庫へ保存。
・ラップ
・キッチンペーパー
・グリーンパーチ
3パターンで比較してみた(提供:TSURINEWS編集部・五井)冷蔵庫で3日間寝かせたあと、家庭用魚焼き器で同条件で焼いて比較した。
比較の結果(提供:TSURINEWS編集部・五井)焼き上がりで違いが出た
焼き上がりを比較すると違いは一目瞭然だった。
仕上がりに差が出た(提供:TSURINEWS編集部・五井)ラップ保存は水分が多く残り、焼き色が付きにくい。キッチンペーパーは保存中に水分が抜けすぎたためか、焼き色が強く付き、エンペラ部分はやや焦げ気味になった。
一方グリーンパーチは、香ばしい焼き色とふっくらした仕上がりで、最もバランスが良かった。
食べ比べると味にも明確な差
実際に食べ比べるてみると、ラップ保存は少し水っぽい印象。キッチンペーパー保存は硬めで、干物感が強く出ていた。対してグリーンパーチ保存は、このバランスが最も優れていた。
・香ばしさ
・身の弾力
・イカ本来の甘み
今回伝えたかったのは「焼き方」ではなく、「保存方法だけでここまで違いが出る」ということ。水分量が変化しやすいイカだからこそ、その差がよく分かる結果となった。
熟成魚づくりでも真価を発揮
グリーンパーチが本領を発揮するのは、魚の熟成保存だ。
熟成魚に効果を発揮(提供:TSURINEWS編集部・五井)6月に入手したクロマグロのブロックをそれぞれで1週間保存した。
・グリーンパーチ
・キッチンペーパー
毎日紙を交換しながら熟成させた結果、グリーンパーチは表面にツヤがあり、キッチンペーパーは表面が乾燥して紙目が付いていた。
キッチンペーパー(提供:TSURINEWS編集部・五井)食べ比べるとグリーンパーチで保存した方が甘みが強く、家族にも好評だった。
せっかく釣った魚だから、おいしく食べたい釣った魚には、市販品とは違う思い入れがある。だからこそ保存方法にも少しこだわるだけで、その魚のおいしさをさらに引き出せる。沖干しイカはもちろん、熟成魚づくりにもグリーンパーチは心強いアイテムだと感じた。
沖干しイカのおすすめレシピ
最後におすすめしたいのが、「沖干しイカと長ネギのバター炒め」
沖干しイカと長ネギバター炒め(提供:TSURINEWS編集部・五井)材料は以下だけ。
・沖干しイカ
・長ネギ
・ニンニク
・バター
・塩
・コショウ
バターで炒めるだけで、イカの旨味とネギの甘みが引き立ち、ご飯にもお酒にもよく合う。
完成(提供:TSURINEWS編集部・五井)捌いた後の臭い対策に「臭わない袋」
魚をさばいた後、この時期気になるのが生ゴミの臭い。そんなときに便利なのが、紙屋街の「臭わない袋」だ。
臭わない袋(提供:TSURINEWS編集部・五井)魚のアラや内臓を入れてしっかり口を結べば、嫌な臭いを抑えられる。釣った魚を最後まで気持ちよく楽しむためのアイテムとして、こちらもおすすめしたい。
<五井/TSURINEWS編集部>

