東京湾の船カワハギ釣り入門【タックル・釣り方】まずは底トントンを習得しよう

東京湾の船カワハギ釣り入門【タックル・釣り方】まずは底トントンを習得しよう

夏が暑かった年はカワハギが好調とよく耳にするが、今季の東京湾の魚影は例年以上に濃い。シーズン序盤は小型メインとはいえカワハギ釣りとは思えない釣果が上がっている。そこで今回は、東京湾カワハギ釣りのタックル・釣り方・誘いといった基本を解説する。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

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船釣り エサ釣り

カワハギの釣り方

海中でホバリングできること。そして、エサを小さなオチョボ口で吸い込んでは吐き出しを繰り返し、アタリも極めて小さいこと。

こうしたカワハギの習性があるからこそ、釣り方も複雑に進化しており、活性に合わせて釣りの組み立てをミックスさせながら向き合うことが求められる。

アタリ1つにしても、まずはゲストのアタリも含めてどう向き合っていくかが重要で、初チャレンジの人やこれから上達を目指すという人は、自分のベースとなる釣り方を一日通して実践することからスタートしてもらいたい。

誘い

私のオススメは、船下に仕掛けを投入し、オモリが着底したらすばやくイトフケを回収。そして、3~5秒に一度のタイミングで30~50cm程度オモリを持ち上げて再び着底させる「オモリトントン」での釣り方。

単純な誘いではあるものの、誘い上げた際、仕掛けにテンションが掛かる時間が生まれ、オモリ着底時にはテンションが抜ける動きが生じる。一定のリズムのなかで竿先に出る変化や手に伝わる違和感がアタリとして表現されるので、それがあったらアワセを入れてみよう。

また、船は1か所に止まっているわけではなく、潮流や風によって移動しているため、オモリで海底をトントンしているだけでも仕掛けは常に新しい場所に入る「根歩き」の状態になっている。そのため、オモリや仕掛けのロストにつながる根掛かりも防いでくれるメリットもある。

単純な誘いで海底をトントンとしているだけの動きではあるが、仕掛けへの荷重変化によって聞きアワセやタルマセ、ゼロテンションなどの要素が詰まっているだけでなく、誘いのスピードをアップさせれば、焦らし効果のあるタタキ釣りにも変化させられる。

カワハギ釣りでよくあるのが、釣れる誘いが続かず、さっきまで通用していたことがまったくダメな場面になること。いろいろな引き出しがある人ならば、状況判断も可能だろうが、ビギナーにはなかなか対応がむずかしい。

そんなときは、オモリトントンのまま、誘いのリズムや仕掛けの動きのイレギュラーを演出する中オモリを仕掛け上部に装着してみるのが有効だ。たった1つの中オモリでも、それが誘いに干渉して仕掛けの動きを変えるため、そのイレギュラーな動きで使わなくなった口を使わせることができることもある。ただ、あまりにも重い中オモリは、アタリをスポイルするデメリットもあるため、1号前後までにすることをオススメする。

アタリ

カワハギのアタリの特徴は、上下の歯でハリを噛むときに出る「カチッ」「チチッ」という違和感が手に伝わってくること。だが。そのアタリでアワセを入れても、ハリ掛かりすることはほとんどない。

エサの食いを促進させるようそのまま待つか、再び誘いをかけて食い気をうながすかは状況次第だが、ハリ先が口の中に立ち、カワハギが違和感で首を振ってハリを吐き出そうとするときに、やや重く、強めに「コッコッ」と手にも竿先にもアタリが出る。このとき、瞬発的にアワセを入れるのではなく、魚の重さを竿で感じながら、ゆっくりハリ先をカワハギの口に貫通させるイメージでアワセを入れていくと、バラシが少なくなる。

一日釣っていれば、どれがカワハギで、どれがゲストのアタリなのかわかってくるはず。前アタリが出たら、次の本アタリまでどうつなげるのかに気を配れば、上達のスピードは一気に上がってくるだろう。

やりとり

ハリ掛かりすると、カワハギは平べったい筋肉質の魚体と大きな尻尾を使って懸命に抵抗する。その引きは、大型ともなると力強いバイブレーションで、とてもスリリングだ。

やりとりは、一定のスピードでリーリングしながら、強い引きには竿やリールのドラグでいなして巻き上げていき、大型の場合は姿が見えたらタモ入れしてキャッチしよう。

ハリ交換

カワハギ釣りは、ハリを多量に使用する。1尾釣れたら新しいハリに交換するのはもちろん、根回りを狙うときなどは、気がつかないうちにハリ先が痛んでいることも多い。また、エサ付けがスムーズでないと感じたときもハリ交換のタイミングと覚えておくことで、次の1尾につながってくるだろう。

エサのフォーミュラ

カワハギ釣りで使用するエサはアサリ。冷凍エサは釣り具店でも購入可能で、生のむき身を用意してくれている船宿もある。生のむき身はそのまま海水で洗って使用できるが、ひと手間加えることでアタリの出方を変化させられることもある。

それが、エサのフォーミュラ。表面のヌルを取る専用の溶液で洗浄後、アミノ酸やエサの硬さの変化、旨味をアップさせる添加剤を加えるだけ。カワハギの生活環境に合わせた旨味成分特化型の添加剤も市販されており、うまく活用することで本命へのアプローチを増やすことができる。

なお、アサリはタッパに入れてクーラー内で保管。使用するぶんを小出しにして使用することで、劣化を防げる。

東京湾の船カワハギ釣り入門【タックル・釣り方】まずは底トントンを習得しようアタリ数を増やすエサのフォーミュラ(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

最後に

今シーズンは初期のコッパゲームが盛り上がりを見せているが、季節が進むにつれてサイズも大きくなり、食味もよくなってくる。新鮮な肝を身とあえた肝あえを食べられるのは、釣り人の特権だ。

これからの本格期、皆さんも好敵手・カワハギとの駆け引きを楽しんでみてください。

東京湾の船カワハギ釣り入門【タックル・釣り方】まずは底トントンを習得しよう新鮮な肝と身でお刺身が最高です(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

<週刊つりニュース関東版APC・田中義博/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース関東版』2023年月日号に掲載された記事を再編集したものになります。