テイルウォーク2025年新発売アイテムの中でも目玉となっているのが『デュライズ』だ。テイルウォーク小型スピニングリールの進化形ともいえるこのデュライズについて、テスト段階から携わった人気ボートシーバスガイド「アイランドクルーズFC」キャプテンの須江一樹さんに話を伺った。
(アイキャッチ画像提供:須江一樹)

テイルウォークの新リール『デュライズ』
テイルウォーク2025年新発売アイテムが発表されているが、中でも注目したいアイテムが汎用性に富んだスピニングリール『デュライズ』。強度と耐久性を意識したテイルウォーク小型スピニングリールの進化形と言えるだろう。
この『デュライズ』は2000、2500、3000、3500番と4つのサイズに対して、HGとXGの2種類のギアラインナップが展開されており、幅広いターゲットに対応することができる。

高耐久スピニングリール
ボディのメインフレームにはアルミダイキャストを採用。剛性を保持したまま無駄な贅肉を削ぎ落としたメタルフレームにより軽量化と感度、力強いパワー伝達とリーリング性能をバランスよく実現している。

軽量金属ボディ採用
リールの心臓部とも言えるドライブギアには技術力を要する超々ジュラルミン製マシンカットドライブギアを採用。それらを支える強靭なボディが長期に渡る使用においてもギア&巻きフィーリングを持続させる。
さらに、ハンドルとメインシャフトにも超々ジュラルミンを採用しており、スムーズで軽快かつトルクフルなリーリングをサポートしてくれる。

東京湾人気ガイド船船長に話伺う
ノーフィッシュの状態からワンチャンスをものにすることができるリール『デュライズ』の開発やテストに携わった、テイルウォークフィールドスタッフの須江一樹さんに話を伺った。
須江さんは、横浜市新山下を拠点とする東京湾の人気ガイド船「アイランドクルーズFC」でキャプテンを務めている。

開発テストのきっかけ
スピーキーというモデルがもともとあり、エイテック社からは「その上位モデルを出したい、そのサンプルをテストしてもらえないか」という相談から始まりました。
すでにスピーキーという土台があったので、そのベースをもとにさらなる進化を目指していたようですね。

依頼時の感想
自分はガイドをしていますので、他社さんのハイエンドモデルを触る機会も多いです。その中でいうとスピーキーは価格帯を考えても充分な性能を持っていますが、より高みを目指す「本気の人」を満足させるようなリールではありませんでした。
正直、自分自身が釣り人ですので、もっと高いレベルのリールを使いたいとは思っていました。そこで、エイテックさんから上位機種を作るというお話をいただいて、釣り人としても嬉しかったですし、自分が携わる商品については、自信をもって人に勧められるクオリティのものを作ろうと思いましたね。
テスト期間
テストは2023年7月ごろからスタートしました。2024年末くらいまでテストしていたことを考えると期間はだいたい1年半くらいですね。
一番印象に残っていることは?
デュライズのサンプルテストで一番印象に残っているのは、「ローターの強度」です。デュライズは、スピーキーの上位機種という位置づけで、スピーキーは「樹脂ボディ・樹脂ローター」を採用しています。
このスピーキーを使用している時は、特にパワー不足だとは感じませんでした。しかし、デュライズになった時に、「金属ボディになり、土台がしっかりするというのは、こんな劇的に感度やパワー面が変わるのか」と強く感じました。
それと相反して、ボディがしっかりした分、「ローターの柔らかさ」という問題が表面化しました。金属ボディでしっかりしているからこそ、多少大きい魚が掛かってもガンガン巻けちゃいます。

ローターでパワーがロス
しかしその反面、ローターが柔らかいため、たわんでしまい、パワーがローターでロスしてしまうことがテストの段階でわかりました。
スピーキーの時だと樹脂ボディで若干たわんでいるため、それ以上のパワーをかけることができず、魚が掛かってもドラグでいなす他なかったです。
その点においてデュライズでは、ボディがしっかりしたがゆえに、ローターが柔らかいという点に気づき、修正をかけていかなければと感じました。
スピーキーと同じような強度のローターだったのですが、スピーキーの時はローターが柔らかいとは全く思わなかったので、金属ボディに進化させたからこそわかった課題であり、製品版はしっかりと高いレベルを追及したローターになりました。
OKの最終判断材料は?
やはり、「ローター」の部分ですね。サンプルを使用して、素材を変えなければローターの強度は変わらないと考え、「樹脂ローターをやめて、金属ローターにしましょう」とエイテックサイドに提案しました。
結果的に樹脂ローターで上がってきたのですが、最初のサンプルと比較して、各段に強度が上がり、魚が掛かった時のたわみ具合がなくなっているのがわかり、「これならお客さんにも勧められる」と思いました。最終版を使いながら、設計でここまで変わるものなのだと衝撃を受けましたね。

テスト完了時の率直な感想
テストが終わった時、というより、いま製品版を使用していて思っていることになるのですが、今回デュライズに携わって「ローター」の部分がとても勉強になりました。
樹脂ローターを採用した時の「巻いた時の初動の軽さ」や「バランスの良さ」は金属ローターを上回るため、ジャーキングなどで、より自然にサラサラと巻くことができます。そういったところで、このバランスが釣りというものに対してメリットになっているのだと感じました。
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