2023年初秋、岸和田一文字にタチウオの大群が突如到来した。急遽駆けつけた私(筆者)の釣果はへっぽこ釣り師丸出しのアワセ下手で4匹と全然ダメだったが、全体では二桁釣果続出、常連はパレット山盛りの驚愕の釣果を叩き出したという、千載一遇の日となった9月9日の活況をレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
釣果は手にするもアワセに苦戦
ドジョウのエサに切り替えたのが正解で、18:40頃に上層でガガッという感触を得たところでロッドを振り上げアワセを入れるとヒット。バラさないようにと慎重に手前に寄せ、抜き上げに成功。ステンレスの輝きを放つ魚体は小型ながらも、今年初のタチウオを手にした喜びはひとしおだ。
時合いはいつまでも続かないので、エラにナイフを入れて骨切りするだけの〆にとどめて頭から海水バケツに入れて釣りを続行。アクションが必要なワインド釣法とは違って、エサを付けたタチウオテンヤは上層をゆっくりと引き、時折緩く小さくピッ、ピッとアクションを入れるだけでOK。
ところがアタリは頻繁にあっても、個体が小さいのと、ショアジギロッドの竿先が硬く太いことから、アワセに苦戦、空振りやタイミング逃しばかりで、指3本サイズは混じるも、釣り上げたのはここまで3匹どまりのへっぽこ釣り師丸出し状態。
あわよくば19:30の迎え便で先行逃げ切りをはかろうとした当初の目論見は崩れ、最終迎え便までの延長戦を決めた。周りの釣り人からも「アワセ難しいなあ」、「掛けられへんわ」と苦戦する声があがっていて、キビナゴエサの電気ウキ釣りに切り替えた釣り人もいた。
最終釣果はタチウオ4匹
延長戦後もアタリはポツポツ、アワセは苦戦という状況は変わらずで、1匹を追加するのが精一杯。最終釣果はタチウオ4匹、ウルメイワシ・小アジ・豆アジ少々という、活況の割に数を伸ばせなかった悔いの残る結果となった。2隻運行での21:00便で全員引き上げ。
乗船場に戻ると、腕自慢の複数の釣り人たちが続々と、船長やスタッフに満面の笑みで豊漁を報告していた。波止全体では二桁釣果続出で、常連はパレット山盛りの驚愕の釣果を叩き出していた。
数の面で悔いは残るも、自宅で賞味した釣果の食味は抜群で、釣行の疲れが癒される思いだった。
今後の展望
今回の釣行ではタチウオの釣況は千載一遇の活況を呈していたが、今秋のタチウオの釣況が良い状態のまま続くことを願いたい。しかしその保証はなく、海流の変化や海水温の状況、あるいは台風などの影響により、タチウオの群れの回遊状況は大きく変わる可能性もある。
過去には夏タチと呼ばれる小型の群れの回遊にとどまり本格的な群れは訪れなかった年もあれば、昨年に象徴されるようにブリやサワラなどの青物が好調過ぎると、それを嫌うタチウオが遠のくという現象も想定される。
タチウオは回遊魚で群れの到来次第という点を十分に理解して、ホームページや釣り系SNSによる釣果情報を日々確認するとともに、イワシなどのベイトの状況や潮回り、さらには風向きにも注目して、一瞬の好機を逃さず釣行してほしい。
<伴野慶幸/TSURINEWSライター>