タチウオ釣りで使用される餌はキビナゴやサバ、サンマなどの切り身などが有名だが、意外な特効餌に「タチウオの尻尾」がある。この記事では餌釣りでの使用方法の他ルアーマンにもおすすめのジグヘッドを使用した「共食いメソッド」を紹介する。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉本 隼一)
タチウオは共食いをする
タチウオ釣りをしていると、まれに尻尾が無くなっているタチウオが釣れてくる事がある。これはタチウオの共食いをする習性を持ち、他のタチウオが、周囲のタチウオの尻尾に食いついてしまうことで起こる現象だ。
またタチウオは基本は、立ち泳ぎのため海面に向かって、泳いでいるため尻尾をかじられやすい。魚の中では、共食いは珍しくはないが、タチウオの場合は腹の中から小型のタチウオが出てくることも珍しくはない。
これは共食いの習性と同様にタチウオには光る物に興味を示す事が多いため、ギラギラと光る他のタチウオの尻尾に食いついてしまうのだと考えられる。
タチウオの尻尾は特エサ?
タチウオの習性をざっと説明したところで、タチウオの尻尾が如何にエサとして優れているかを説明していきたい。
1,光ってアピール力がある
先述の通りタチウオは光る物に興味を示す事が多く、タチウオの尻尾がギラギラと光ることでルアーのような強いアピール力があるため興味を引く事が出来る。
イワシやサバなど青魚でも銀色にフラッシング効果はあるが、タチウオの皮(肌)は他の魚とは少し変わっており、鱗の代わりにグアニン箔という銀色の薄い膜で身体を保護している。これは、マニキュアのラメにも使われているほどキラキラ効果が強い。
詳しくはこちら『意外すぎる『マニキュア』と『タチウオ』の関係 ポイントはキラキラ?』
2,エサ持ちが良い
タチウオのエサとして一般的なものは、イワシやサンマの切り身だが、それらエサに比べ、タチウオの尻尾が抜群に優れているのはエサ持ちの良さだ。
陸っぱりからタチウオを狙う上で最も大事なものが飛距離だが、キャスト毎にエサが飛んでいくのでは話にならない。
しかしタチウオの尻尾は、適度に固く簡単にはハリから外れないのでキャストしてもキビナゴのように餌だけ落ちてしまう事が少ない。キャストして探れるというメリットが「共食いメソッド」にとても活きてくる。
「共食いメソッド」の解説
タチウオの尻尾は餌釣りアングラーだけではなくルアーマンにもおすすめ。時合が過ぎて餌で釣れていてもルアーには反応が無いという場面は多い。
そこで釣ったタチウオの尻尾を利用して「共食いメソッド」を発動すると簡単にアタリが出ることがある。使用するジグヘッドはフックが下向きのものがおすすめだが、通常のジグヘッドでも十分。
ジグヘッドに装着
ウエイトは7〜10g程度のものが使いやすい。このジグヘッドのフックにタチウオの尻尾を縫い刺しにする。ワームを刺す時と同じようになるべく真っ直ぐ刺す事が重要。あまりに曲がっているとクルクルと回転したりして警戒されてしまうこともある。
場合によっては食い込ませる必要があるためショックリーダーの先にバイトリーダーとしてフロロカーボン8号かワイヤーを装着すると切られるリスクが減って安心。
この釣りのイメージとしては関西で使われるタチウオテンヤの簡易版だと思ってもらえれば分かりやすいはずだ。
ルアー釣りでの『共食いメソッド』の釣り方
釣り方は基本的にワームと一緒で軽くキャストして任意のタナまで沈めてからゆっくりとただ巻きで誘う。キャストして探れるのはタチウオの尻尾の餌持ちの良さが優れているからでもある。
食わない時は少しチョンチョンとアクションを入れたりフォールを入れてみても良いだろう。アタリはガツンと来たりゴンゴンと噛みつくようなアタリがでる。ガツンというアタリなら即アワセでも良いが噛みついている時のゴンゴンというアタリの場合は餌を少し食い込ませるために巻きスピードを落として完全にロッドに重みが乗ってからアワセを入れると効果的。
この釣り方は時合が終了した後にルアーマンの救世主となる事も多い。
餌釣りでの「共食いメソッド」
ウキ釣りなどでタチウオの尻尾を使用する際の餌の付け方はサバやサンマの切り身と同じように縫い刺しにする。
身の太い側から縫い刺しにすると尻尾の先端側がヒラヒラとしてアピールできる。多めに誘いを入れるとヒラヒラとした動きと輝きで最大限に効果を発揮する。
アタリがあったら他の餌と同様にしっかり食い込ませてからアワセを入れる。
ルアーマンへの恩恵がどちらかというと強いが、ウキ釣りでも飛距離やエサ持ち、何と言ってもアピール力など絶大なので、一度タチウオの尻尾で「共食いメソッド」を試してみてはいかがだろうか。
<杉本 修一/TSURINEWS・WEBライター>