第50回のテーマは「M-1に賭ける意気込み」。2023マルキユーM-1CUP全国へら鮒釣り選手権大会決勝に向けての試釣。椎の木湖での試釣当日、吉田は池全体で3位だったけど……。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
取材日は池全体で3位
ファイナルまで勝ち進んだものの決勝では4位に終わった吉田。大会の詳細はすでに週刊へらニュース本紙8月18日号の14面で掲載済みだが、決勝に進出した6人のなかでは、予選のポイント獲得順位で2位と善戦した。しかし決勝では4位と惜しくも来年のシード権獲得にも至らなかった。
「1位の杉本くんとは約8kgもの大差でした。惨敗です」
だが試釣から見てきた担当記者からすれば、善戦したほうではないか。ただちょっと歯車が狂っただけではと、慰めの一つもかけたくなる。
と言うのも7月23日(日)におこなった試釣取材の折、吉田は本椎の木湖で56.18kgを釣り、池全体で3位の好成績を収めていた。1位とも僅差だったので、仮に写真撮りなどでの釣り中断とかがなければ、ほぼ確実にトップをもぎ取っていたであろう。
好感触をつかんだ粒戦後差しパターンの短竿メーターセットをやり続けていれば、それこそ60kgオーバーも狙えたんじゃない?
「仮にそうだとしてもあの日は本番1週間前の試釣ですから、それはあり得ないですね。選択肢の消去という作業がまだボクの中では残っていましたから」
そうだよね。釣れていた釣りを中断し、午後からはウドンを用いたタテ誘いパターンのチョウチンセットに切り替えていたからね。
「はい。午前中は食いが渋いことを想定しての”弱い釣り”をやりましたが、午後は活性がやや上がることを考慮し”強い釣り”を試しておきたかったんですよね」
でも結果は「?」だったよね。
「はい。まったくと言っていいほど釣れませんでした。ですがあれほど明確に答えが出たので、あの2時間はボクの中ではムダではなかったと思っています」
チョウチントロ巻きセット
あの時の試釣では1回も披露しなかったチョウチントロ巻きセットをファイナルに持ち込んだ理由は?
「2回ある午前の予選は感嘆メーターセットでほぼ確定させましたが、活性が上がる午後の釣りをどうするかを、その後の試釣のテーマに取り組んだんです」
その結果がトロ巻きだったわけね?
「はい。杉本くんが優勝をもぎ取ったチョウチン両ダンゴももちろん候補の一つでしたが、結果的にはトロ巻きを選びました」
悔いは残らない?
「ありません!自分で選択して、それをやりきった結果の4位ですから、これが今のボクの実力だと納得しています」
トーナメントの面白さ
ところでトーナメントって面白い?
「それはもう!あの緊張感を一度味わったら病みつきになりますよ。関口さんも挑戦されたらいかがですか?」
ははは(笑)。それはカンベンさせてもらうよ。でも言い訳が効かない世界って感じがするね。まあ多少のポイント差とかはあるのかもしれないけど、ほぼほぼ統一条件での勝負。そこが野釣りとは異なる点かな?
「ですね。しかも座って釣るヘラ釣りなら歳を重ねても続けられます。それが管理池ならなおさらでしょう。今回はたまたま高齢者のファイナル進出はありませんでしたが、それが可能なのがヘラ釣りの特異性だとボクは思っています。いくつになっても楽しめるこの釣りを、ますます広げていきたいですね」
うまく締めてもらったけど、オレ……まだ高齢者じゃないから(笑)。
次回は「ノルマは48cm超IN片倉ダム」です。
<週刊へらニュース編集部 関口/TSURINEWS編>