第49回のテーマは「M-1に賭ける意気込み」。2023マルキユーM-1CUP全国へら鮒釣り選手権大会決勝に向けての試釣。竿8尺メーターセットに手応えを感じた吉田は、さらに次の手を投じた。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
第一はアタリの持続性
7月23日(日)、M-1に向けての試釣で、まずは竿8尺メーターウドンセットでスタートした。当時、午前は極度の低活性で、午後にやや上向く傾向だった。
予選は午前と午後があり、さらに二日目の予選は午前中。つまり低活性だと思われる時間帯に2回も予選がおこなわれる。ここを大ゴケすることなく乗り切るか。その答えが吉田のなかではメーターウドンセットだった。
「アタリの持続性を第一に、次がヒット率ですね。最後が型。ですが型は取りあえず二の次ですね。とにかくアタリを続かせること。これを最大のテーマにセッティングなりエサなりを追求してこうと思ってます」
なるほどね。渋いなかでもアタリが続けば、それなりの釣果が得られ予選上位に食い込める可能性があるというわけね。
「はい。とくにハリスの長さ(段差)と下バリの大きさには注意を払いたいところです」
つまり食わせの落下速度とバラケからの距離感ってことかな?
「はい」
食わせの種類は追求しないの?
「そこまでやってしまうとパズルの駒が多すぎてしまうので、食わせは感嘆一本に絞ってます」
粒戦の量がキモ
でもただのノーマルの感嘆ではないんでしょ?
「はい。未使用の感嘆1袋に軽さなぎではなく普通のさなぎ粉を30㏄入れて、さらに粘力を付属スプーンですり切り2杯を入れたものです」
それを元に粉が15㏄+水17㏄のポンプ出しね。ウドンは持ってきてないの?
「一応は準備してます。午後の活性が上がった段階でウドンを使った釣りを試してみようと思っていますが、今はまだその段階ではありません」
バラケもパターンはすでに出来上がっているんでしょ?
「これまでに成績のいいブレンドはすでに見つけだしています。ですが粒戦の比率だけが、今日の段階では思案中です」
本番まで1週間を切った段階でバラケブレンドに悩んでいるようでは勝負にならない。迷いを捨てて、これでイケると思えたブレンドをやり抜くことも大切ということ?
「そうなりますでしょうか」
だが吉田の公言どおり粒戦の扱いに関しては、今だ悩み多きということらしく、さまざまなパターンを試しているようだった。
時刻は11時すぎ。突如吉田が、ライバルに聞こえないよう耳打ちするように記者に言い放つ。
「後差しがいいようですね。本番はこれで行きます!」
タックルとエサは図の通り。ようするに溶いた粒戦をいい動きが出るまで小分けしたバラケに差し込む、いわゆる後差しパターンね。
「ですね。基エサの段階で量を増やすパターンも試したのですが、それよりもウキの動きを見ながら粒戦を差し込んでいったほうが、断然アタリの持続性につながる感じがします」