雪代の影響が続く4月は大イワナを手にする最初のチャンスです。またこの時期は釣りだけではなく、アイヌネギ(行者ニンニク)を摘める"サイドクエスト"も楽しむ事ができます。今回は大イワナとアイヌネギを求めて、春の渓流で釣行した様子をお伝えします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・小峠龍英)
Day4:小雨の源流へ
数日後、GW前の休日。雪代も徐々に収束しつつある中、その恩恵を受けられるタイミングはその日が最後かなと感じていました。GWは仕事で釣りに行けそうになかったのでなんとか時間を作って釣りに出かける準備をしているとパラパラと雨が窓を叩く音が。
強い雨ではなさそうだったので釣りには問題は無い、それどころかイワナ狙いならチャンスではないかと予定を変更してとあるイワナの源流に向かう事にしました。
高活性の源流イワナ
思った通り、雨の勢いはほとんど無く現地に到着する頃には止みかけの状態。雨と雪代の影響で程良く増水した源流は濁りもなく釣りには問題ない様子。ただ斜面にはまだ雪が残っておりとある実績ポイントに至ってはまだ雪が覆い被さった状態でした。
ともあれそのポイントをスキップして釣り上がっていきます。各ポイントの増水して勢いの増した流れの脇の緩い流れをピンポイントでキャストして行くと20~28cmクラスのイワナが次々と飛び出してきます。国道が近い沢で普段は他と比べるとややスレ気味のイワナがその日はやる気満々な様子。
超至近距離でのバイト
上流の折り返し地点、魚止め手前の岩盤にある数箇所のポケットは膝上まで水位が上がっていました。コンクリートで固められた両岸は改修からかなりの年月が経っていて崩壊している箇所が多くイワナが身を隠すには十分な懐を作り出しています。
ポケットに魚の姿は見えませんが居るものとしてそろりそろりと歩を進め、ポケット落ち込みの白泡に紛れ込ませるようにシンキングミノーをキャストします。小さなポケットではルアーを引ける距離が短い中しっかりアピールするため、ゆっくり引いて細かくシェイクしていきます。
すると抉れから物凄い勢いで黒い影が踊り出して水面を割る勢いのミスバイト、すかさず再キャストするとそのイワナはサメのように背鰭で水面を切り裂きながらチェイスしてUターン。
このイワナはこのチェイスからのUターンを3回ほど繰り返してついに5投目の回収寸前でミノーを咥えます。フッキングが極まった瞬間に爆ぜる水飛沫が顔面に当たるほどの至近距離バイトでした。
極太40cmからの尺上連発
至近距離だったのが幸いして、抉れに潜られる前にゴリ巻きから一気にネットで掬い上げます。分厚い顎を持ち太い魚体にうっすらとパーマークを浮かべたそのイワナにメジャーを当てるとピッタリ40cm。体色とその風格はTHE 山のイワナといった風体です。
イワナをリリースして一旦車に戻り、少し下流へ移動します。沢に降り立ち、目についた最初の淵、倒木が絡む付近にバルサミノーを投入してラインを送り込んでいると倒木影から尺上クラスがすっ飛んでミノーに齧り付きます。
高活性でよく走るイワナをいなしてネットイン、36cmの良型イワナでした。その後も同じ淵で34cmと25cmを追加して少し上流に上がると流れ込み脇が気になります。
過去に実績があるポイントではありませんがとりあえず、とミノーをキャスト、着水と同時に黒い影がバイトしそのまま向こうアワセでフックセット。そのイワナは流れ込み脇を下り、激流に突っ込んでいきます。ドラグをフルロックしロッドを立ててダッシュ+激流の勢いを押さえ込み何とか掬い上げます。
そのイワナも35cmほどの尺上クラスながら幼魚期の蝦夷イワナが持つ真っ黄色の腹をもち、紫色に鈍く光る体表にはきっちりパーマークが浮かんでいました。ここまで見事な彩色を纏ったイワナには中々お目にかかれないので流石に驚きました。
イワナ釣りは次のフェイズへ
GWが終わる頃、小渓流の雪代シーズンも収束に向かい頃から6月のヤマメ解禁までの間は初夏パターンへの過渡期で場所によっては春ほど簡単ではなくなってきます。早い場所ではアメマスの遡上もあるかもしれません。
春蝉もこれから出てきます。他の鱒族の活性も上がってくる頃です。ここからさらに北海道の渓流は面白くなってくるので非常に楽しみですね。
<小峠龍英/TSURINEWSライター>