北海道では冬の間、多くのトラウトアングラーが海サクラや海アメなどのターゲットに移行するか、ロッドからスキーやスノーボードに持ち替えて山に通い始めます。ただ12月初旬はまだ川は完全に凍りついていないため往生際の悪いアングラーは一縷の望みをかけて川に出かけます。筆者もまたその往生際の悪い釣り人の一人です。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小峠龍英)
45cmニジマスをキャッチ
プールの連続する区間の先には魚止めの堰堤がありました。魚が身を潜めるには十分な水深で期待が高まります。蛍光グリーンのシンキングミノーを落ち込み付近に投げ込みゆっくりゆっくりと引いていきます。キャストを続けること5投目、何かが触ったような感触が伝わってきましたが正体まではつかめず。そこでスプーンに切りかえて時々リフト&フォールを交えながらゆっくりとボトムをトレースしていきます。
スプーンの色をかえてキャストを続けること10投目、スプーンの動きが止まります。根掛かりかと思いきや引き出されていくドラグ、一瞬見えたオレンジがかったレッドバンドからニジマスと確信。ハイシーズンのような爆発力はないものの力強いファイトをいなしながらランディングネットに手を伸ばしますが、そこにあるべきネットがありません。どうやら車に忘れてきたようです。
普段はやらないハンドランディングを敢行すべく魚を浅瀬に誘導し手を水に突っ込んで魚をつかみます。強烈な冷たさに耐えながら見事な体高の魚体を抱えて即席の生け簀に入れます。サイズを測ると45cm、上顎先端にちょこんと掛かったフックを見るにかなりギリギリだった模様です。
今シーズンを終えて
撮影を済ましニジマスを元いた堰堤に戻すと勢いよく深場へ帰っていきました。釣りを続行するか帰るか思案するも寒さで左手は限界を超え、撮影時に水を被ったカーディナルは凍りついていたので帰宅することにしました。帰りの車中で最後にいい魚をキャッチできた満足感に浸り「次にロッドを触れるのはいつかな?」と早くも次のシーズンに思いを馳せながら帰宅しました。
<小峠龍英/TSURINEWSライター>