5月になると、明石沖のマダコのシーズンが始まる。マダコは頭が良く逃亡の常習犯。釣り上げても安心してはいけない。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・丸山明)
マダコ釣りの魅力
学習能力があるほどに賢いマダコとの駆け引きのようなタコ釣りは、釣りというよりもゲームだ。タコエギという疑似餌で魅了し釣り上げるが、目の前のエギを見て「なんか来たぞ」と反応し、8本もある手か足かわからない部分を出して触ってみるところから始まる。
釣りの腕前は、この前アタリがわかるかが肝心。しかし、私などはここで動かしてしまうこともしばしば。小さな誘いを続けながら待ち構えていると、どんと押さえ込むように重みが出てくる。
駆け引きの結果、この重みを感じるのがタコ釣りの面白さで、この釣りの魅力だと思っている。
あの巨大な体を持つため手足を8本広げると、抵抗が大きく重く、その重みで釣り人は喜ぶのだが、キロオーバーの大物だと、それはなお面白い。
取り込み後も要注意
取り込み後は、吸盤に吸いつかれそうになりながらタコエギを外して、ビクや網袋に封じ込める。この封じ込め方が雑だと、かなりの確率で脱走する。
魚は、跳ねて外へ飛び出すことがあるが、これは偶然だ。しかし、タコは、海へ逃げようとして脱出を試みるというか、脱走をする確信犯だ。
排水口へ一目散
そして、船の排水口を目指して信じられない速さで歩き、逃げようとする。排水口の場所を教えなくても、迷わず向かうから不思議だ。わずかな隙間を見つけたり、ビクをよじ登ることもあるので、油断をすると悔しい思いを何度もする。
袋やビクの口は必ず縛り、チャックは確実に閉める。手を抜くと必ずそれを察知する悪知恵は、かなりのものだ。
明石沖のマダコは、ここ数年で激減して個体数が減ってしまってはいるが、これと脱走を見逃すのとはわけが違う。釣っても絶対に油断してはいけないのが、マダコだ。晩ごはんのおかずが少なくなるので、ご注意ください。
<TSURINEWSライター・丸山明>