台風6号通過直後の6月7日、千葉県鴨川市の太夫崎港でクロダイ狙いのウキフカセ釣りを楽しんだ。当日は強烈な濁りと水潮、さらにフグの猛攻という厳しい条件。それでも仕掛けの変更やサシエサの使い分けを徹底し、37cmと38cmを含むクロダイ3尾をキャッチ。悪条件下だからこそ試された、ウキフカセ釣りの引き出しが活きた一日となった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター佐藤茂雄)
目次
太夫崎港でクロダイ釣り
午前5時、千葉県鴨川市の太夫崎港へ到着した。台風通過からまだ間もないこともあり、港内にはうねりが残り、場所によっては堤防を波が洗っている。何度も通っている釣り場だが、この日の海はこれまで見たことがないほどの濁りだった。
太夫崎港(提供:TSURINEWSライター佐藤茂雄)海面は茶色く濁り、水潮特有の重たい雰囲気が漂う。クロダイ釣りでは決して好条件とは言えず、まずは安全第一でポイント選びから慎重にスタートすることにした。
波と濁りを考慮して堤防中央へ
普段であれば潮通しの良い堤防先端に入ることが多い。しかし当日は波気が強く、海中の状況も把握しづらい。そこで今回は根の位置を確認しやすく、安全性も高い堤防中央付近を釣り座に選択した。海況が悪い日は釣果よりもまず安全が最優先。無理をしない判断も大切な釣りの技術だと改めて感じた。
当日の釣り座(提供:TSURINEWSライター佐藤茂雄)当日のコマセ
この日使用したコマセは以下の配合。
- コマセ:オキアミ6kg
- 配合餌:白チヌV10 1袋
- 配合餌:グレパワーV9徳用 1袋
- サシエサ:生オキアミ、食い渋りイエロー
当日のタックル
- ロッド:チヌ竿1号
- リール:3000番レバーブレーキリール
- 道糸:1・75号
- ハリス:1・75号(2ヒロ)
- ウキ:AURA ハカイダーハンティングG5
- フック:チヌ針1号
まずは全誘導仕掛けで様子を見ることにした。
開始直後からフグ地獄
釣りを開始してすぐに異変に気付く。足元へコマセを入れても目立った魚影は見えない。しかし試しに投入したオキアミは一投目からきれいになくなって戻ってきた。しかも針まで消えている。その後も状況は変わらず、投入するたびにオキアミが瞬殺される。
犯人は高活性のフグたちだった。コマセの打ち方を変えたり、投入点をずらしたりと試行錯誤を繰り返すが、なかなか突破口は見つからない。台風後の水潮によって本命クロダイの活性が落ちている一方で、フグだけが元気いっぱいという最悪の展開だった。
練りエサで待望のクロダイ登場!
それでも諦めずに手を変え品を変え攻め続ける。そして開始から約2時間が経過した頃、サシエサを練りエサへ変更したタイミングで状況が動いた。ウキがわずかに反応した直後、ラインが沖へ走る。クロダイ特有の力強い引きだ。
慎重にやり取りを続けて浮上したのは37cmの本命クロダイ。厳しい状況の中でようやく手にした1尾に思わず安堵した。しかし喜びも束の間。その後は再びフグの猛攻が始まり、海は再び沈黙してしまう。
37cm(提供:TSURINEWSライター佐藤茂雄)ゆっくり沈ませる作戦へ変更
満潮の潮止まりを迎えても状況は大きく変わらない。フグは相変わらず元気で、本命からの反応は遠い。そこで筆者は攻め方を変更することにした。
使用するウキをAURAハイアンドロー0号へ交換し、練りエサの自重を利用してゆっくり沈ませる作戦へシフト。水潮時は魚の警戒心が高くなりやすいため、できるだけ自然にサシエサを送り込むことを意識した。
忍耐の先に2枚目のクロダイ
午後に入り、小雨も降り始めた。フグとの戦いに加え、天候まで味方してくれない。それでもコマセワーク、サシエサのローテーション、ラインメンディングという基本を崩さず続ける。
すると待望のアタリが訪れた。上がってきたのは25cmほどのカイズ。サイズこそ控えめだが、この状況で引き出した価値ある1尾だった。厳しい日ほど、こうした魚が嬉しく感じられる。
ラスト1投で38cmの良型
コマセも残りわずかとなり、いよいよ納竿が近づく。「これが最後かな」そう思いながら投入した最終盤の一投。すると、それまで静かだったウキが勢いよく海中へ消し込まれた。この日一番の明確なアタリだ。レバーブレーキを活用しながら慎重にやり取りを続ける。
強烈な引きをいなしながら浮かせたのは38cmの良型クロダイ。最後の最後で飛び出した価値ある1尾に思わず笑みがこぼれた。この魚を釣り上げたところでコマセも使い切り、満足の納竿となった。
38cm(提供:TSURINEWSライター佐藤茂雄)水潮攻略で重要な3つのポイント
今回の釣行を振り返ると、釣果につながった要因は大きく3つあった。
練りエサの活用
まずはフグ対策としての練りエサの活用。オキアミだけでは勝負にならない状況で、大きな武器となった。
0号ウキの活用
次に0号ウキを使った自然な沈下。水潮で警戒心が高いクロダイに対して違和感なくサシエサを届けられたことが大きかった。
基本の徹底
そして最後は基本の徹底である。コマセワーク、ラインメンディング、集中力を切らさないこと。地味な作業だが、こうした積み重ねが厳しい状況で差となって現れる。
価値ある3尾に満足
台風通過直後の太夫崎港は、強烈な濁りと水潮、そしてフグの猛攻に支配された厳しい海だった。それでも状況に合わせて仕掛けやエサを工夫し、最後まで諦めず攻め続けた結果、37cm、25cm、38cmのクロダイ3尾を手にすることができた。
好条件の日に釣れるクロダイも嬉しいが、厳しい条件を攻略して手にした1尾には格別の価値がある。改めて、ウキフカセ釣りの奥深さを実感した一日となった。
<佐藤茂雄/TSURINEWSライター>
太夫崎港


