釣りに行こうかなと家の戸を開けて、表に出て、「さむっ」と思う瞬間が、秋のこの時期にはある。「これやばいかもしれない、もう一枚何か着ていかなきゃ」それならば、ついでに忘れずフィッシンググローブも持参しよう。その日は絶対に手も冷える。今回は秋冬のグローブの選び方をおさらいしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
寒い時期のフィッシンググローブ
フィッシンググローブは10月11月から必要となる。秋のはじめは、まだ薄手のもの。気温が10℃を下回るようになると、防寒性能が高いもの。2枚だ。
グローブは軍手なんかでいいやと、こだわらない人もいるかもしれない。筆者も昔はそうだった。100均で適当に買ったスポーツ手袋を使っていた。しかし、軍手や安物の手袋は、ハリを吸ってしまう。フィッシンググローブならばハリが絡むのを低減できるし、うまい具合に、釣りに使う指の部分だけ穴が開いていて、防寒性能も高い。
今年こそ軍手、100均手袋を卒業しよう。ノーブランド品でいいなら、2枚でも5000円で揃う。
秋のグローブ事情
日中の気温が15℃くらい。冷え込んでも10℃までなら、まだ秋のグローブでいいだろう。筆者は感度の良いピッグスキンの手袋を使っているが、アタリがはっきりしている青物やタチウオを狙うならそこまで感度にこだわらなくていい。それよりは、ハリが引っかかりにくい素材を選びたい。
良質な素材が使われた薄手で軽量なグローブほど、感度が高くなる。一度シーバスアングラーのゴアテックスのものを使わせてもらったが、秋の豆アジや小さなメバルのライトゲームにはゴツすぎるかなと感じた。自分の釣り物に合わせて、ちょうどイイトコロをとって一品選びたい。高いものが必ずしもすべての釣りに適しているとは言えないので、釣具店のスタッフさんと相談してみよう。
冬のグローブ事情
冬は日中の気温が10℃以下、朝夜は5℃以下で、とにかく防寒性能が高いグローブを用意する。人気が高いのがネオプレン素材で、密着性が高く、隙間風が入りにくい。釣りには主に人差し指と中指と、親指を使用する。その三本指の、本当に第一関節ギリギリまでしか開いていないものが望ましい。
秋のグローブと併用でいいだろうと舐めてかかると、その人は早々に釣り場から逃げ出すことになるだろう。手指は特に冷えやすいところだ。そこから全身にゾクゾクと寒さが回ってくる。秋のものとは完全に別のグローブを使い分けよう。
モノによっては、釣りで使用する指の先端部分が開閉可能となったグローブもある。釣具店で試着したところ、「これはこれで、その都度手間だな」と筆者は個人的にいいイメージを持たなかったが、それこそ氷点下に迫る地域で釣りをする場合には、それくらい徹底すべきなのかもしれない。
夏のグローブ着用のすすめ
みなさんは、夏にグローブを着用するだろうか?釣り場で見ている感じ、あまりグローブをつけている人は見ない。けれど、そういえばこの晩夏デイエギングをしていた女性アングラーはグローブをしていた気がする。あれは防護面もあれば、手を汚さない意味もあるのだろう。見習うべき意識の高さだ。
夏のグローブは、筆者は以前していたが、今は紛失して使わなくなった。しかし、しみじみしておくべきだったと思うこともある。たとえば、消波ブロックを歩き回る穴釣りだ。よく手をつくので、気づかないうちにあちこち手を軽く怪我している。生傷がどうしても増える。グローブがあれば、防げたかもしれない。
こういう怪我は、それ自体の痛みというよりも、ちょっとしたことで膿んだり、後々シミになって残るからいやだ。メッシュ素材のグローブも販売されているので、できれば夏場のグローブも持ちたい。着用しても、そんなに暑さは感じないはずだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>