私はここ数年、大変気になっていることがあります。それは素手で釣りをしているアングラ―さんの多さです。確かに、グローブがなくとも魚釣りはできますし、ライトゲームなどの気軽に楽しめる釣りであれば、わざわざ購入するまでもないという気持ちもわかります。しかし、グローブを着用することのメリット、防げる事故やケガがたくさんあることは事実です。今日は筆者の実体験をもとに、グローブ着用の重要性についてお話させていただきます。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・ヨウスケ)
釣りで圧倒的にケガをする部分は手指
例えば皆さんはこのような磯場で釣りをしたことがありますでしょうか?
実に美しくて、どんな魚に出会えるのかワクワクしますよね。そしていざ、磯に立ってみるとこのような磯場でした。
フジツボやカメノテなどの貝がビッシリと付いていたり、ギザギザとした凹凸のある岩であったりと、磯では決して珍しいことではありません。
そして、想像してみてください。ここで転んで手を付くこと。不意に掴まって身体を支えなくてはいけないことを。痛いだけでは済まず、手を切ってしまうことや、爪を割ってしまうことも実際にある話です。
釣行回数が年に50を超え、グローブを常につけている私であっても1年間を振り返り、釣りでケガをした箇所をあげると、手指が4回程度、足が1回程度。いずれも小さなケガですが、手指のケガが多かった印象です。
また、釣り仲間の話を聞いていても、釣りにおいて圧倒的にケガが多い箇所は手指であると考えられました。
グローブを未着用で起きたケガ
これは実際に私が小学生の頃に体験したケガの話です。私は友達と近所の堤防で穴釣りを楽しんでいました。メインターゲットはカサゴですが、穴釣りはさまざまなゲストが釣れるもので、その日のゲストはこちらの魚でした。
この魚はハオコゼという魚で、マークを付けた位置のトゲに毒を有しています。小学生の私でも、ヒレに毒があることも知っていました。
小学生の私の釣りの装備といえば乏しく不十分で、針外しやフィッシュグリップ、そしてグローブすらも着用していませんでした。フィッシュグリップの代わりに使用したものはタオルでした。
タオルを魚体にかぶせて針を外そうと掴んだ時、暴れ出すハオコゼ……。「痛ッ!!」と思ったその時には、少し血がにじんでいました。痛みよりも、毒魚に刺されてしまったという恐怖心で小学生の私は泣き出してしまいました。
幸い患部を消毒し安静にするだけで、数時間ズキズキする程度で直ぐに収まりましたが、グローブを着用していればケガをすることがなかったと、釣り人生の教訓となりました。
※毒魚に刺された際の正しい治療法もたくさん紹介されていますので、興味のある方は是非調べてみてください。
グローブ着用のメリット
グローブ着用のメリットは実に沢山ありますが、私の考える主なメリットを3つ挙げたいと思います。
手指を事故やケガから守ってくれる
グローブ着用の最大のメリットはやはりこれでしょう。実体験にもあるようにグローブを着用していれば、トゲや毒を有する魚から手指を守ることができるかもしれません。
また、磯に手をついたとしても手を岩や貝で切ることもほぼありません。磯だけに限らず、堤防やテトラポットでも手をケガすることは十分にありますので、場所を問わず着用をおすすめします。
グリップが安定する
滑り止め素材がついたグローブを着用していれば、ロッドを握る手が滑りづらくなります。特に雨の日などに有効だと感じます。ただ、素手の方が滑らないというアングラーさんもいますし、アジングなどの小さなアタリをとる際には感度が鈍ってしまうという意見もあります。
魚体の保護に繋がる
魚にとって人間の手は高温で、魚によっては素手で触れただけで著しく弱らせてしまいます。グローブで触れることでリリースの際に多少は魚体の保護に繋がると考えられます。
ケガなく釣りを楽しもう
グローブの話をしてきましたが、いかがだったでしょうか?私は5歳頃から釣りを始めましたが、魚を釣る以前にケガをせず家族の元に帰ってくることが大前提だと考えています。
また、ケガをしてしまってはせっかくの釣りが台無しになってしまいますよね。まだグローブを持っていない方は、一度グローブの着用を検討されてみてはいかがでしょうか?
<ヨウスケ/TSURINEWSライター>