季節毎に異なる渓流エサ釣り攻略法を解説 メインターゲットはヤマメ&アマゴ

季節毎に異なる渓流エサ釣り攻略法を解説 メインターゲットはヤマメ&アマゴ

今回は、ヤマメ&アマゴをターゲットにした渓流釣り釣果アップのための季節別戦略を解説しよう。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

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淡水の釣り 渓流釣り

6月から7月中旬

梅雨に入ると、川も増水が続き、多くのエサが流下してくる。渇水期はあれだけナーバスになっていたヤマメ・アマゴも流れの中を横断無尽に行動し活性化する。

降雨による川の濁りは約50cm先まで見える「ささ濁り」がよい。特に雨後で水位も減水中の笹の葉色をした濁りは当たり日だ。ただし、増水途中の河川や平水よりも50cmも水位が上がれば、危険性が増し、魚も避難するので釣りにならない。脱渓に苦労する流域は避け、いつでも退避できる道路沿いがお勧め。また水はけの良い河川とそうでない河川がある。国土地理院地図で確認し、釣行する周囲の等高線が広ければ水はけもよく釣りやすいだろう。

季節毎に異なる渓流エサ釣り攻略法を解説 メインターゲットはヤマメ&アマゴ増水中の状態(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

そのほか、国交省の「川の防災情報」をネット検索すると、主な水系の雨量や水位が分かり、降雨等の気象予測には「GPV気象予報」が便利。

増水期のエサはミミズが一番。市販でも良いが、尺物狙いだと、匂いの強い天然ドバミミズが良い。また、水の澄んだ時は、ブドウ虫と併用する。ハリもエサに合わせて8~9号の大バリが適合する。以前、透明度が20cmも満たないキツい濁りと増水期に、ミミズをエサにサオを出し、良型をそろえたことがある。

増水期のポイントは流心脇ではなくて、岸近くのタルミであることが多い。増水時は流心底でも流れが強くて魚も定位しづらく、岸近くに避難してることもある。

また、ダム湖を控えている河川や本流域では増水に乗って尺クラスが遡上してくる。堰堤下・滝つぼや遡上中に休憩できる大淵など一発大物釣りが面白い。以前は上椎葉ダムに流れ込む耳川水系が面白かったが、再び水害が発生し、釣りづらくなってしまった。

7月下旬から8月

梅雨明けが宣言されると、渓流は減水し、日中の水温も20度を超えてくる。冷水を好むヤマメ・アマゴにとって水温20度は厳しい環境下にあり、食いも遠のく。

また、本流域や里川ではウグイ・カワムツなどの外道の猛攻にあい、エサの消耗が激しい。これが夏ヤマメ「1里1尾」と言われる所以だ。

釣りが成立するのは、水温の低い朝夕の時間帯や湧水放出量の豊富な河川、そして源流域がよい。具体的には溶存酸素の豊富な瀬の白泡下、発電所放水口、堰堤・滝下が挙げられる。尺物を狙うなら前述の条件になる。

この時期のエサは、川虫の羽化に伴い、頭上から落ちてくる陸生昆虫などを意識している。日ごろ、重めのオモリを多用するブドウ虫やミミズでも、時には軽いオモリを使い、水面下を流下することを意識して狙いたい。

この時期になると、渓流には無数のクモの巣が張り巡らされ釣りづらいことに加え、スズメバチが活発に飛び始める。標的にされやすい黒系のウェアは避けること。もしもに備えて、心配な人はアナフィラキシー補助治療のエピペンを病院で処方してもらうのもよい。

また、この時期は渓流ザオを置き、アユ釣りを嗜むのも良いだろう。真っ黄色の各ヒレと追い星が美しく、スイカの爽やかな香りが夏の訪れを告げる。縄張りの習性を利用して、トモ釣りが一般的だが、近年は、アユミノーや専用ロッドが開発され、アユイングという分野が開かれており、手軽にアユ釣りができるようになり、ルアー派に朗報だろう。

9月

9月になれば、ヤマメは水温の低い上流域から産卵を控え、魚体に赤く婚姻色が現れ、遡上を始める。時折、魚体が黒くサビが出た個体も見られ終盤の装いになる。また、朝晩は、すっかり冷え込み水温も低下し、再び食欲も増し、よくエサを追う光景が見られる。

また、本流域から支流に尺物が差してくる。遡上魚を意識して、遡上を阻害する滝下や堰堤下が狙いめ。尺を超えた大物はペアで行動していることが多いので、アプローチに注意しながら大物との対面を果たしてほしい。

メスは卵を抱き始め、産卵場に適した淵のカケアガリや瀬尻に定位するようになる。ワンランク重いオモリで、ややブレーキを掛けてエサ先行で流すとアタリが増えるだろう。エサはミミズ、ブドウ虫のほかイクラも食いが立つ。

<週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞/TSURINEWS編>