季節毎に異なる渓流エサ釣り攻略法を解説 メインターゲットはヤマメ&アマゴ

季節毎に異なる渓流エサ釣り攻略法を解説 メインターゲットはヤマメ&アマゴ

今回は、ヤマメ&アマゴをターゲットにした渓流釣り釣果アップのための季節別戦略を解説しよう。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

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淡水の釣り 渓流釣り

解禁直後から3月中旬

3月1日の解禁直後は温暖な九州とはいえ山間部の冷え込みも厳しい。水温も7度前後と低くヤマメ・アマゴの動きも鈍い。特に上流域では寒気が入れば水温3度前後まで落ちて釣りづらい。水温が不安定な時期でもあり水温計も携行したい。

このような状況だと魚たちも少しでも水深のある淵で目の前に流れてくるエサにしか反応を示さない。通常使用するオモリ号数よりもワンランク号数を上げ、ゆっくり仕掛けを流してほしい。わずかな目印の反応があっても早アワセは禁物。タイミングを見計らって遅アワセで間にあう。

早春の釣りは、少しでも水温が高く安定している里川や本流域が面白い。解禁直後でも水温10度前後あり、魚体にサビのないよく肥えた良型の数釣りが楽しめる。

季節毎に異なる渓流エサ釣り攻略法を解説 メインターゲットはヤマメ&アマゴ淵はシーズン初期の定番ポイント(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

ただし、春の釣りは少々やっかいで強風との闘いでもある。特に午前10時以降からの開けた渓流域~本流域はよく風が吹き、軽量仕掛けでは釣りにならないこともしばしば。オモリをワンランク上げるか、目印を水面に沈めて対応したい。それでも釣りにならない場合は風裏にあたる谷あいへ移動も検討したい。

冷え込む早朝は魚の活性も今ひとつ。太陽が昇り始め、水温上昇とともに活性も上がる。経験から、午後からの釣りや水温8度以上だと食いが立つようだ。

エサは川虫に勝るものはないが、低水温で手もかじかみ、事前採取の手間ひまがかかる。もっと手軽にエサ釣りがしたい方は、市販エサのブドウ虫やイクラでもよい。魚も解禁間もないためにスレておらず、お土産になるぐらいの釣果は得られるだろう。

2月下旬から4月

春本番の暖かな気候がしばらく続くと谷あいの山桜が満開となる。水中でも水温の上昇とともに深場で越冬していた個体が、水生昆虫の豊富な瀬へ次々に差してくる。

釣期は、ちょうど初期から盛期の過渡期にあたる。淵と瀬のどちらでも魚信が得られるが、特に淵に流れ込む瀬は見逃せない絶好ポイント。また、尺クラスの大物も、活発に捕食を開始する。

桜が満開になると、水温も10度を超えて安定期に入り、本格的な瀬釣りが楽しめる。本流域での釣りも本格的に始動する。解禁から1か月がすぎれば、市販エサには見向きもしなくなり、スレッカラシが増えて釣りづらくなる。本流域にはクロカワ虫やカワゲラ、渓流域ではヒラコやピンピンなどの川虫に勝るものはない。

4月下旬、周囲は新緑がまぶしく、渓流釣りも盛期にあたり、瀬を中心に狙いを組み立てる。

ヤマメ・アマゴの魚体はサビも取れてシンボルマークのパーマークが色鮮やかで美しい個体が増えてくる。丸々と肥えた個体がそろい、本来兼ね備えるすばらしい引き込きが味わえ、ゲーム性も高まる。

5月

大型連休期間中の有名河川は多くの釣り人が押し寄せ、思うように釣果も伸びてくれない。しかし、スレればスレてくるほど、細イト釣法と川虫の組み合わせが実力を発揮するものだ。それでも釣果がかんばしくない場合は稚魚放流は実施されているが、日ごろ釣行しないB級河川が混み合いもなく、良い思いができるかもしれない。

大型連休をすぎると汗ばむ初夏の気候。水温上昇とともに中下流域ではウグイなどの外道がうるさく、また渓流域では新子サイズが活発化する。特に緩流帯に仕掛けを入れるとエサがいくらあっても、もたない。渓魚は、より低水温を求めて瀬を中心に白泡立つ荒瀬にも定位する。流れと流れが合わさるYパターンや白泡の切れ目を狙いたい。

季節毎に異なる渓流エサ釣り攻略法を解説 メインターゲットはヤマメ&アマゴ増水前の様子(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

特に本流域では稚アユをたらふく捕食し急成長し、超幅広な尺ヤマメ・アマゴが顔を出す。梅雨入りまでの一時期は、渇水期続きで渓魚もナーバスになっている。

そんな狡猾ヤマメには日ごろ食べ慣れている川虫のヒラコの食い込みが絶大。

九州脊梁山地に目を向けると天然ヤマメのマダラやエノハの源流釣りが本格的なシーズンを迎える。気候も下界と比べて1か月近く遅れて進む。源流域では水深10cm程度の超浅場から天然ヤマメが食らいつくシーンを何度も体験することだろう。日ごろエサの乏しい源流で使うエサは、水面に落ちてきたエサに素早く反応するブドウ虫、クリ虫、ミミズで十分反応する。

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