けやき丸でタイラバ釣行
同船者は、「この船宿は家から近くて、サワラやシーバスなどいろいろなターゲットを楽しめるので、きょうも同僚4人で来ました」という鬼島佳徳さん、太田泰洛さん、阿部有也さん、グエンさんグループと、「初挑戦なので頑張ります」という鮫島広貴さん、南雲州さんと佐方博さん。
そして、船長の息子・長谷川航希くん(中1)の8人。この日はちょうど13歳の誕生日ということで、朝から船上でお祝いの言葉が飛び交う。
本アタリの見極めがキモ
5時半に桟橋入口に集合し、長谷川友和船長の舵取りで6時に出船。荒川を下り、キャビンで釣り談議や仮眠をしている間に約1時間で河口の葛西へ。そこからさらに海上を進む。曇天微風のなか、快適なクルージングで第二海堡沖のポイントに到着すると、すでに10隻ほどがドテラ流しでマダイを狙っている。
船長は魚探を見ながら入念な潮回りで船を立て、「水深は47mです。100g前後のタイラバで、着底したらすぐに巻き上げて、底ベタの反応なので底から10mを巻いて落としての繰り返しでやってみてください」とのアナウンスでスタート。
全員さまざまな色や形のタイラバで狙っている。私は、マダイや青物に実績の高い60gメタルジグを投入。船長のアドバイスの通り、着底~いろんな巻きスピードを試して前アタリを待つ。
船長いわく、タイラバは、ガツガツというラバーをかじるような前アタリが出てもそこでアワせるのは厳禁。ラバーの上にあるハリがタイの口に入り、ハリ掛かりする本アタリが出てヒットするまで、そのまま巻き続けることがキモとなる。
手応えの正体はドチザメ
すると、開始早々スピニングタックルで遠投していた鬼島さんにヒット。ガンガンと引き込むファイトに本命を期待したが、残念ながら途中でバレてしまった。
直後に阿部さんにもアタリがあり、本命とは違う優しい引きで上がってきたのは定番ゲストのムシガレイ。
続いて航希くんが「きたー、これはデカい」という声を上げる。見ると硬めのジギングロッドがバットから大きく曲がっている。昨年、同時期に同船した時も良型マダイを2尾釣り上げている。やがて、船長のネットに収まった大物はドチザメ。「これがマダイだったら最高の誕生日プレゼントだったのにな~」と親子で苦笑い。
直後にジグのフォール中にガツンとヒット。サワラ系の強烈な引き込みに嬉しいゲストを期待し慎重なやりとりで巻き上げたが、あと数mのところで急に反転されフックアウト。無念さに膝から崩れ落ちてしまった。
1.7kg本命登場に歓喜
その後は潮の動きが悪くなり厳しい時間が続く。船長はいい反応を探してランガンを繰り返し、各自真剣に投入とリトリーブを繰り返す。10時40分、鮫島さんの竿がいきなり曲がり静寂を破る「ヒット」の声が……。
航希くんの差し出すネットに収まったのは、1.7kgのきれいなマダイ。「着底後、超スロー巻きをしたらガツンときました。初挑戦でも船長を信じて巻き続けてよかったです」と大喜び。
続いて鬼島さんにもヒット。本命の連続ヒットかと思ったら、上がってきたのは1kg級トラフグ。こちらは「フグ釣りではなかなか釣れない超高級魚なので、フグ船と違って免許がないのが残念」と言いながら泣く泣くリリース。
うれしいゲストもヒット
阿部さんや太田さんにも良型らしい魚がヒットしたが、2人とも残念ながら途中でバレてしまった。南雲さんはタイラバでは珍しいアジをキャッチ。さらに、大型魚がヒットしたが、タチウオかサワラの歯モノにかまれたようで、こちらも途中でハリス切れ。
ラストは、ここまでアタリがなかった佐方さんにヒット。強烈な引きで楽しませてくれたのは、美味しいゲストのサゴシ。「これで一日頑張って釣り続けた甲斐がありました」とガッツポーズ。笑顔で沖上がりを迎えた。
普段は、青物や根魚などが釣れるエリアだが、この日は潮が悪く僚船も苦戦していたとのこと。
マダイはもちろん、ホウボウやマゴチ、サワラ、イナダ、タチウオなど、いろいろな魚種が釣れるのも楽しいところなので、私もぜひ、再チャレンジしたい。
<週刊つりニュース関東版APC・奥野忠弘/TSURINEWS編>