前後にゴツイフックを取り付けたジグは、磯に触れればどう見ても根がかりしてくださいです。根がかりが外れなければ、リーダーの結束部分から切れ、リーダーとジグを失い修復に短くない時間を要し、大きなリスクになります。さて、これは、それをどう防ぐかのお話です。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター丸山明)
根がかりすると時合いを逃す
ジギングで根がかりをすると、リーダーを失う確率は少なくありません。予備タックルがない限り、厄介なリーダーの再結束することになります。すると、揺れる船上では、地上よりリーダー結束は手間取り、修復準備から再開まで、まあ10分はかかりますし、揺れと焦りでモタモタすればそれ以上です。
例えば青物のスーパー時合い(絶対に釣れる活性)は20分弱、予備タックルが無ければ簡単に失う可能性があります。周囲は、短時間で3-5本以上釣れるのにボーズの憂き目です。時合いでの根がかりは、そんなリスクが待っています。不測の事態に予備タックルの準備は有効です。同等のタックルでなくても代替のお古、廉価版のお古、時合いに釣りを中断しなければよいので、どんなものでもOKです。ここでは、ボート釣りも乗合船も同様で、まずは根がかりしない対策を考えてみます。
対策1:着底に全神経を集中
ジギングポイントは、基本的に潮の流れが速い場所。例えば、明石沖、潮速3kt=1.5m/s4kt=2m/sと1秒間に1.5-2.0m以上も船が移動していて、一気に30-40mも水深が浅くなるカケアガリを狙う場合が多いです。
磯の上にフックを引きずったら、ひとたまりもなく根がかり、あっという間です。0.1秒でも15-20cmも移動をする、かなりのリスクです。潮が速い時間帯に磯の急なカケアガリを狙うならば、スピニングリールより手返しの僅かでも早いベイトリールが好ましいでしょう。
そして着底を待ち構えるようにして、サミングで着底後、一気にリーリングです。または、即スプールを指で止めてロッドを立て、ジグを浮かす、0.1秒でも早く底を切ることが重要です。乗合船で根がかりが原因で時合いにおまつりでもしたら、「なんじぇい!こらぁオッサン何しよんねぇコラァッ!」です。集中するだけで、0.1秒は確実に稼げます。
対策2:リアフックは装着しない
フロントフックだけならば、まだしも、リアフック装着で磯のあるカケアガリは、諸刃の剣です。着底後、最後に底を離れるのはリアフック。ジグを引きずったら根がかりします。危険回避のために急坂の磯場はフロントフックで勝負がベターです。ベストでないのは、ハイリスクハイリターン、フォールアクションに対してのリアフックは大きな効果があり、ここは難しいところです。
もし、どうしても装着するなら予備タックルは必須、そして、意識して素早く着底と同時にスプールを押さえてロッドでまずジグを浮かせ、その後リーリングです。これで、0.1-2秒は稼げるでしょう。魚も地球もフッキング率が高く、諸刃の剣であることをお忘れなく。いつも神頼みです。
対策3:東田結びでジグを結束
最悪でもリーダーを失わなければ、復帰は早いです。リーダーを失わず、ジグの損失だけで済ます方法です。魚の引きに耐える結束力で、その上、リーダーとPEラインのノットより弱く、ジグとの結束だけが切れる結び方が東田結びだと言われています。直線的に引っ張ると、東田結びが切れるということです。100%そうなるかどうかは難しいところですが、可能性は高いです。
ただし、リーダーが強すぎる場合は、そのPEとのノットで切れる率が高まります。例えば、PEライン2号ならリーダー8号と4倍数値だと成功率が高く、12号だと確実にリーダー結束が切れます。ジグを失うのは残念ですが、即戦線復帰ができます。
東田結びの結束力
東田結びの結束力は、8号=30lbラインで8-9kgを実計測しました。これは、中型リールの最大ドラグ力以上ですので、ドラグを利かしていれば、ハマチ(イナダ)やメジロ(ワラサ)クラスならば、問題ない結束力を実釣で確認しました。東田結びにハーフヒッチを1-2回追加すると10kg以上の結束力になり、これでは主題がぼけますが、ブリ狙いの時の保険です。