海沿いには必ず誰にとっても「身近な漁港」があるはずだ。エントリーしやすい小規模な漁港は、釣りの入門にぴったり。魚釣りのすべてを学べると言ってもいいだろう。釣りのルールを守りながら、身近な漁港で釣り入門しよう。今回はそのような小さな漁港を、釣り方やホットなポイントなど、主には小さな釣り物を狙う「ライトゲーム」の目線で紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
身近な釣り場「小規模漁港」
漁港にも大小の規模があるが、定義としては、漁船が係留されている場所と考えればいいだろう。筆者の釣る大阪湾では、たとえば須磨浦漁港は小さな漁港で、垂水漁港は大きめの漁港と言える。
釣りの入門や腕を磨くには、なるべく小さな漁港を狙うことをお勧めする。あまり規模が大きい釣り場では、釣りそのものがアバウトになってしまうからだ。釣りは、釣り場、釣り物をミニマルに限定するほど腕が良くなる。漁港は小規模で、地形に富み、できれば潮通しが良い場所が望ましい。
ホット・ポイントを知る
小さな漁港をフィールドとする。そこで、特にどのポイントを重点的に釣るか?
釣りビギナーにありがちなことなのだが、なるべく遠く投げて、なんとなくぴーっとルアーを通してしまう……実はこの繰り返しは、釣果を遠ざけてしまうものだ。ことライトゲームでは、なるべく手元、足元に狙いを絞った方がいい。では、具体的にどこを狙うか?
足元
まずは足元。足元といえば壁際になるが、漁港だけでなく波止でも護岸でも、必ず魚は足元に沢山つく。そこで小魚を追い詰めて捕食し、身を隠して暮らすのだ。足元打ちをまず徹底する。
船曳場所のカケアガリ
上記の須磨浦漁港にもあるポイントなのだが、船曳場所というか、陸に向けて坂になったカケアガリがある。船を曳くためのレールが入っていたり、その周りに藻が生えていたり。
こういった「変化のある場所」は、魚が着きやすい。ライトゲームターゲットとしてはカサゴ、メバルが確実に一定数潜む場所だ。
足場の継ぎ目
漁港の足元のコンクリートをよく見てみよう。必ず継ぎ目があるはずだ。堤防は足元の骨組みを作って、順番にコンクリートを流し込んでいって作るので、所々にそのような継ぎ目ができる。こんなささいな地形変化も魚にとっては重要な身の隠し場所で、魚が着きやすい。
魚種別、ここで食う
続けて、魚種別に、「このような魚がここで食う」という要点を紹介しよう。
アジは常夜灯下
漁港のライトゲームの代表的なターゲット、アジ。アジは夜、常夜灯下でよく釣れる。光で光合成する植物性プランクトンのところに集まり、捕食するのだ。だが、水面が近い場所では人の姿を見て食わないので、光の当たる範囲の切れ目を狙ってみよう。季節はオールシーズンだが、2月~4月の低水温期はほとんどまったく釣れない。
メバルはキワの表層
こちらもライトゲームの二大ターゲットの雄、メバル。メバルは堤防際、俗にキワと呼ばれる場所に着く。メバルは夜水面に浮いてくるのも特徴で、水面直下が釣れやすい。軽量リグをキワにふわーっと漂わせるように引いてくると、簡単に釣れる。季節は秋冬だ。
カサゴはボトム
海釣りではなじみの魚。かわいい顔をして高級魚とも言われるカサゴ。こいつは海底に着く魚で、メバルと同様にやはりキワに着きやすい。堤防際の底をゆっくりとソフトルアーを巻いてやると簡単に食う。オールシーズン釣れる魚だが、2月~4月の低水温期は難しい。
ナイトゲームが基本
小さな漁港で釣りデビューといくときには、まずは狙い物を定め、適性のあるタックルを手に入れ、ホット・ポイントを押さえて打つことで釣れる可能性が上がる。時間帯は、夜が基本だ。ルアーが見切られるので、昼に魚を釣ることはかなり難しい。
タックル要件について付言すれば、もっとも適性が高いのはライトロックタックルだろう。これ1本あるだけで昼間はジグサビキを投げ、夜はジグヘッド単体の釣りで、オールマイティーに遊べる。
<井上海生/TSURINEWSライター>