カヤックフィッシングの楽しみ方は人それぞれ。1人黙々とストイックに釣果を追い求める人もいれば、仲間と和気あいあいと楽しく釣りをしたい人もいるでしょう。そこで今回は、1人乗りカヤックと2人乗りカヤックを様々な面から比較しながら、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
(アイキャッチ画像提供:HOBIE JAPAN)
2人乗りカヤックのメリット
このように見てみると、2人乗りカヤックのデメリットばかりが目立つようですが、2人乗りならではのメリットもたくさんあります。
2人で協力しあえる
2人乗りカヤックは、単純に考えれば体力と動力が倍になるので、機動力が高くなります。大人2人が協力して全力で漕ぐと、なかなかのスピードが出ます。
どちらか1人が体調不良になったり、疲れきってしまったりしても帰還できることもメリット。万が一転覆した際も、救助しあえることはもちろん、2人でいる安心感からパニックになりづらくなります。
また、カヤックの準備・片付け・車載・移動などが楽になる点も良いところです。出艇場所までカヤックを引いて移動する際、1人では断念するような斜面や階段も、2人で協力すれば乗り越えることができるでしょう。
2人で思い出を共有できる
カヤックフィッシング中に起きた様々な出来事を共有できることも、2人乗りカヤックの大きな魅力。大きな魚を釣った喜びも、サメを見かけて怖かったことも、ほぼ同じ視点から見た思い出として共有できます。
1人乗りカヤック複数でカヤックフィッシングに行っても、次第に離れていき、結局バラバラに散ってしまうことになりがちです。「共有できること」は2人乗りカヤックならではのメリットといえます。
また、初心者に釣りのテクニックなどを教える際は、2人乗りの方が声がよく届き、パートナーの動作を把握しやすいため、アドバイスしやすいですね。
手漕ぎと足漕ぎの違いは?
以上のように、2人乗りカヤックのメリット・デメリットをご紹介しましたが、2人乗りカヤックのなかでも「手漕ぎと足漕ぎどちらのタイプを選ぶべきか」という問題もあります。
手漕ぎのメリットとデメリット
カヤックフィッシングを、「パドルスポーツ」としても楽しみたい方には手漕ぎモデルが向いているでしょう。
手漕ぎの2人乗りカヤックは、良くも悪くもパートナーとパドリングや方向転換のタイミングなどを合わせる必要があります。
パートナーとバッチリ息が合って、スイスイと動きまわることができれば、釣りをせずに漕いでいるだけでも楽しいアクティビティに。なかなかうまくいかないことを、2人でクリアしていく楽しさがあるといえます。釣行数を重ねていくと、パートナーとの「相棒感」のようなものが生まれてきて楽しいですよ。
反対に、慣れないうちは思い通りにカヤックが進まず、釣りどころではないこともあります。細かな点では、フロント側のパートナーがパドルでかき上げる水しぶきによって、リア側に座った人が濡れてしまいがちなところも気になりますね。
足漕ぎのメリットとデメリット
「今日はじめてカヤックに乗せる友人に、どうしても魚を釣らせてあげたい!」と、魚を釣ることにフォーカスするならば、足漕ぎの2人乗りカヤックが断然おすすめです。
足漕ぎカヤックならば、はじめて乗った30分後には釣りに集中できるほど操作が簡単です。推進力(ドライブ)と方向転換(ラダー)の機能が分かれているため、2人で息を合わせることがあまり必要ありません。漕いだ分だけ前進し、方向転換はレバーをちょっとひねるだけ。
手漕ぎと足漕ぎ、どちらが釣りに集中しやすいかといえば、足漕ぎカヤックに軍配があがるといってよいでしょう。あえてデメリットをあげると、価格が高くなってしまう点でしょうか。足漕ぎカヤックの心臓部で、最も複雑で高価なドライブ(駆動部)が1つ追加になるため仕方ないところですね。