シーズン終盤の北海道トラウトフィッシングで72cmアメマスをキャッチ

シーズン終盤の北海道トラウトフィッシングで72cmアメマスをキャッチ

今年も気がつけばもう10月。山の草木も緑一色から赤茶や黄色に変わり始め、あと2ヶ月もすればまたあの凍てつく季節がやってきます。シーズンの終わりが見えてくる10月は最終チャプターの幕開けでもあります。この時期は鮭釣りに釣り人が流れていく事が多いのでポイントも空いている事が多く、また水温も下がり始め越冬を意識したトラウトの荒食いにハマれば実は結構楽しめる季節でもあります。

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(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

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小峠龍英

少年時代より雑魚釣りからバスフィッシングなど様々な釣りに親しみ、北海道移住をきっかけにトラウトフィッシングに傾倒。4月から川が凍るまで時間を作っては足繁くフィールドに通っています。

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トラウト ルアー&フライ

Day 2:仕事終わりに再び群れに遭遇

1週間後、仕事終わりにまた前回と同じ堰堤に立っていました。前日は雨だったもののその日は快晴、濁りは無しで水位は平水まで戻っていました。既に時間は15時を回っており日没までの1時間ほどの短時間勝負です。

準備しながら堰堤の落ち込み付近を観察していると尺上クラスが堰堤を超えるべくジャンプを繰り返す光景が。その日は濁りはなかったので水中の様子はよく見える状態でしたが前回ほどではないにしろ30~50cmクラスのアメマスがウロウロしています。

まずはチャートピンクのシンキングミノー45mmをスナップに繋ぎ落ち込み脇の巻き返しに打ち込みます。ラインを送り込んでミノーを着底させ、細かいトゥイッチを刻みながら可能な限りゆっくりリトリーブしていきます。

粘りに粘って誘い出した1本

ラインを通してブルブルとミノーの動きを感じながら引いていく事3投目、脇から尺上クラスの黒い影がスーッとミノーの背後に付きそのままバイト、すぐにアワセを入れるも乗らず。針先をチェックしてみるとかなり甘くなっていました。

そこで居るであろう他の個体に狙いを定めて再トライ。51mm赤金のシンキングミノーに替えて立ち位置も変えて違う角度からキャストして同様のアプローチで誘っていると50cmはありそうな影がゆっくりと追尾してきますがバイトには至らずUターンして元の付き場に戻っていきました。

その後、このやりとりを数回繰り返しますがいつしか反応が途絶えてしまいました。そこで一度ポイントを休ませるために堰堤から離れて下流のポイントに向かいます。下流では10cmほどのニジマスしか釣れず堰堤に戻ったのはおよそ10分後。今度は同じミノーのヤマメカラーに切り替えて誘いますがチェイスは一回のみ。また別のカラーに替えて様子を見ますが反応なし。スプーンにも反応しません。

シーズン終盤の北海道トラウトフィッシングで72cmアメマスをキャッチ中型のアメマス(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

そこでチャートグリーンのシンキングミノーに切り替えます。沈下スピードを抑えた設計のミノーでゆっくり沈下させることでアピール時間をより長くして誘う作戦です。また別の立ち位置からキャストしてティップを少し上げてチョン、フォール、チョン、フォールといった具合でアピールしていきます。

このやり方で通すこと10投目、落ち込みの白泡を抜けてミノーが見えてきた時、それまで沈黙していた影が勢いよく飛び出してガツンとバイト、ミノーを咥えて反転した瞬間にアワセを入れます。しっかり決まったフッキングだったので抜ける心配はありませんでしたがそのアメマスは下流に向かって突進していきます。

角度が変わるとバラす可能性が上がるのでヒヤッとしましたが何とか取り込みに成功します。婚姻色に染まったオスのアメマスは野性味満点でサイズは47cm。既に癒えてはいましたが腹に大きな傷跡がありこれまでの困難を潜り抜けてここまで大きく成長した事が伺えます。このまま70cmクラスまで育つ事を祈りながらリリースしてその日は撤収しました。

Day 3:秋晴れの渓は高活性

その日は雲一つない秋晴れの休日、最近の釣行は一つのポイントに絞って、点を探る釣りだったのでその日は一つの区間、線を辿る釣りをしようということで普段より少し上流の区間に入渓します。

10月も半ばを過ぎたこの時期は熊がかなり活発な時期、秋に普段より奥のエリアに足を踏み入れる時はいつも緊張感と期待のワクワクが入り混じった状態になります。その日も準備を済ませてから爆竹を鳴らすこと6回、居るかもしれない熊達にこちらの存在を知らせます。

一発目から早速かかったのは20cmほどのイワナ。オレンジ色の腹を持ったまだまだ若い個体ですが活性は高い模様。

多魚種と対面

そこからはポイント事にニジマスや小型のヤマメ、アベレージサイズから尺上クラスのアメマスが次々に舞い込んできます。そうこうして退渓地点近くの定番ポイント、小さな淵ですがいつでも何かしらが居るポイントです。

シーズン終盤の北海道トラウトフィッシングで72cmアメマスをキャッチアメマス尺上サイズ(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

7gのスプーンを落ち込みに落としてドリフトさせていくと何か大きな魚がサメのように背鰭で水面を切り裂きながら追いかけてきます。すぐにUターンして消えましたが再キャストして同じラインをトレースさせると何かがスプーンをひったくっていきました。

すかさずアワセを入れるとズシっと重さがロッドに乗りますがイマイチ引きません。そこでよく見てみるとかかったのは体が少し白くなった、50cmくらいの鮭でした。見た感じ産卵を終えたばかりの個体ですがそれでも川での採捕が禁止されている魚なのでどうしようかと思った矢先にルアーが外れてくれました。

最終ポイントで40cmアメマス

鮭がかかった後、退渓地点までは小さな個体からの反応ばかりでした。一度川から上がり、下流まで下がり、今度は薮を漕いで実績ポイントに直行します。秋も深まり濃かった薮も葉を落として枯れてきたので比較的簡単に歩けるようになっています。

ポイントに到着するとまず45mmのシンキングミノーをアップクロスでドリフトさせて居るであろう魚にアピールしていきます。カバー際にうまくルアーを投げ込み、フォールさせてボトム付近で細かくシェイクして誘いを入れて目の前までルアーが戻ってきた時にUターンさせます。

ミノーの頭が上流を向いた瞬間、ボトムからヌヌッと良型が浮いてきたかと思えばそのままミノーのテールに齧り付きました。1秒に満たない間を置いてからフッキングするとグリグリとイワナ族特有の首振りで抵抗してきます。ラインテンションを緩めると間違いなくバレるのでしっかり維持しながらダッシュをいなします。

シーズン終盤の北海道トラウトフィッシングで72cmアメマスをキャッチアメマス40cm手中(提供:TSURINEWSライター小峠龍英)

何回目かのダッシュをかわして掬いあげたアメマスは秋色に染まった雌でした。サイズを測ると40cm、まあまあのサイズでしたが贅沢は言えません、ささっと撮影してリリースします。

釣りか何とか成立するのは12月初旬の本格的な積雪が始まるまで。大体あと1ヶ月と少しですが安全第一で心に残る1尾を手にできたらと思います。

<小峠 龍英/TSURINEWSライター>