管理釣り場や釣堀などでお馴染みの魚「ニジマス」。今回はそんなニジマスのさばき方やおいしい食べ方、保存方法などを紹介します。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也)

目次
ニジマスとは?
ニジマスはサケ科の淡水魚で、英名は「レインボートラウト」。食味はよく養殖も盛んに行われていて、降海する個体がいるなど海水にも適応することから海面養殖も行われています。スーパーやお寿司屋さんでよく見る「トラウトサーモン」は、多くがこの海面養殖を行ったニジマスで、実は釣りをしない人にとっても身近な魚です。

今回ご紹介する管理釣り場や湖などに放流されている「ニジマス」は淡水養殖したものがほとんどで、少しだけ味わいは変わりますが、どちらもおいしく食べられます。また、近年は味を求めて品種改良し、養殖したブランドニジマスも増加中。管理釣り場でも目玉として放流されていることがあります。
刺身でも食べられる?
ニジマスは「サーモン」と同じ魚なので、刺身でも美味しい魚です。ただ、生食する際に気をつけたいのが寄生虫。管理釣り場の場合は食用に管理されている養殖魚が放流されているので安心して食べられる釣り場がほとんどです。
しかし、河川や湖など自然環境下に放流されている魚は、放流後の居残り個体も増え、自然のエサを食べている可能性もあるので寄生虫がいる確率が上がります。刺身で食べる場合はマイナス20℃で24時間以上の冷凍を行ったほうがいいでしょう。
赤身と白身
ニジマスは基本は白身の魚ですが、サーモンといえばオレンジがかった赤身の魚のイメージがあると思います。これはエビやカニ等の甲殻類を食べることで赤身になるためで、養殖場のエサによっては白身のまま成長します。赤身の大型ほど刺身で食べたときにおいしいとされているので、そのようなマスを放流している釣り場を選ぶのもいいでしょう。

臭みと水分取り
そんなニジマスの料理についてですが、おいしく調理するにはコツがあります。それは水分を抜くことと、臭みを抜くこと。ニジマスは水分が多い魚のため、水分を飛ばす調理の仕方で旨味が凝縮し美味しくなります。
また、餌などの生育環境によってどうしても臭みのあるニジマスが存在するので、丁寧な下処理に加え、調理時の臭み取りが美味しく食べる鍵となります。まずは、釣ったニジマスの下処理方法を紹介していきます。
ニジマスの下処理
水分が多いため傷みやすく、臭み取りも必要なニジマスを美味しく食べるには、丁寧な下処理が重要です。
血抜きと締め処理
ニジマスの場合、血抜きや締めは省略してしまう人も多いですが、しっかり血抜きと締め処理を行うことで臭みが減り、鮮度の保ちもよくなります。まずナイフなどで脳天を刺して脳締めを行い、エラを切ったらバケツやクーラーの水の中(氷冷水で行うのが魚体も冷やせてベスト)などでエラを持ちながら魚体を振り放血します。可能なら神経締めまで行うといいでしょう。
また、血抜き時には管理釣り場に血を流すのはNG。釣り場を汚さないように、必ずクーラーやバケツの中か、さばき台で行うようにします。1匹1匹締めるほうが魚にストレスを与えずおいしさは保たれますが、数釣りが当たり前のエリアトラウトでは中々面倒。キープする魚を活かしておいて、締め→血抜き→ヌメリ&ウロコ取りまで釣り場のさばき台で処理してしまうとスムーズでしょう。
ぬめり取り&ウロコ取り
たわしやステンレスたわしなどを使って魚体をゴシゴシこすると、ヌメリとウロコが一緒にとれます。水で流してヌメリがある程度なくなればOKです。この処理を行わないとまな板の上で魚が動いてしまい、さばきづらくなるほか、臭みの原因にもなります。

持ち帰るまでの保存
持ち帰るまでの保存の仕方は水に漬けておくのはNG。身が水を吸って美味しくなくなるほか、雑菌も繁殖しやすくなります。また、鮮度を落とさないよう保冷も必ず行いましょう。釣り場での下処理が終わったら、魚体から水気を拭き取り、袋などに入れ、氷を入れたクーラーボックス内で保存するといいでしょう。
ニジマスのさばき方
ヌメリ&ウロコが取れたらさばいていきましょう。包丁が苦手な場合は、ハサミでも代用できます。
頭を残す場合のさばき方
頭を残して串刺しにしたり、見栄え重視で料理する場合はこちらの方法でさばきましょう。
1.包丁をお尻から入れて下アゴの付け根まで刃を動かす。

2.エラと内臓を取る。

3.血合いに刃を入れて水できれいに洗い流す。
