海水温上昇のためか、近年増加傾向にあるチヌとキビレ。筆者がホームとする東京湾でも、シーバス狙いのカヤックフィッシング中にゲストとしてヒットすることが多くなってきた印象です。今回は、カヤックフィッシングでチヌ・キビレをルアーで狙う「カヤックチニング」をご紹介。ホビーカヤックに乗る筆者が、生態から釣り方まで様々な角度から解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・福永正博)
カヤックチニングのルアー
チニングは、様々なルアーを使用するゲーム性の高さが大きな魅力です。ここでは、各ルアーの種類や使い方、適したシチュエーションなどを解説します。
トップウォーター
チニングで使用するトップウォータープラグは、ポッパーやペンシルベイトが一般的です。まれにシーバス用の10cm以上のトップウォータープラグにヒットすることもありますが、基本的に5〜8cmほどの小ぶりのルアーが良いでしょう。
小型プラグは飛距離が不満という方には、「沈むトップウォーター」がおすすめ。放っておくと沈んでしまうので厳密にはシンキングプラグですが、リトリーブやロッドアクションによって浮き上がるタイプです。ルアー重量があって飛距離をかせげて、広範囲に水面付近の反応を探れるため、パイロットルアーに最適です。
トップウォーターに反応が良い時期は、5月から10月くらいまでで、水温の低下とともに反応が悪くなっていきます。河口や干潟など水深が浅いエリアほど魚とルアーの距離が近くなるため、バイトが得られやすいでしょう。
逆にいえば、水深が深いエリアや、風や濁りが強くルアーを見つけてもらいにくい状況では、好反応を得ることは難しい傾向です。
バイブレーション
中層からボトムの攻略に便利で、アピール力が強いのがバイブレーション。小型のメタルバイブや、バス用のボトムで立つタイプが使いやすく実績もあります。
根掛かりしやすい場所であれば、フロントフックをはずすか、ダブルフックに交換することをおすすめします。
Mリグ
「リグ」というとワームでの釣りを連想しますが、Mリグはハードルアーでの釣り。ラパラCD7のフロントフックをはずし、その部分にスプリットショットリグ用のオモリを装着。リアフックはダブルフックに交換し、上向きにセッティングすることで根掛かりを回避します。
沈めて巻いてくると、海底を這いまわるシャコなどの甲殻類のようにボトムをつつきながら泳いできます。
初めてこのルアーを見ると、どこがM字形状なのかな?などと疑問に思いますが、Mリグの「M」は考案者のイニシャルから。現在ではチニング専用のルアーも多数リリースされていますが、Mリグを使ってチニングの原点を感じてみるのも一興でしょう。
クランクベイト
バス用のクランクベイトもチニングで活躍します。上述のMリグ同様、フロントフックをはずしてオモリを追加。スプリットショット用ではなく、ナス型オモリでも成立します。
ごく浅いエリアであれば、オモリを追加せずダブルフックへの変更だけでもOK。大きなリップを持つクランクベイトは、障害物を回避する能力が優れているため、牡蠣殻エリアなど根の荒いポイントで活躍します。
チヌ用プラグ
プラグとラバージグの要素を併せもつタイプ。根掛かり回避性能に優れており、ワームと組み合わせることで食わせ能力もアップします。
甲殻類をイメージした外観のとおり、ボトムをズル引きしたり、海底をピョンピョン跳ねるようにアクションさせてみましょう。
ワーム
手堅く釣果を出したいのであれば、やはりワームははずせません。甲殻類を模したワームが定番で、チニング用の商品もたくさんリリースされています。難点は、フグが多いポイントでは、あっという間にボロボロにされてしまうことでしょう。
フリーリグや直リグ、テキサスリグなどで使用します。ボトム狙いに幅広く使用でき、根掛かりも少ないのでおすすめです。