昨シーズンの今頃は尺ヤマメを狙って山奥の渓流に出かけては狡猾な大物に翻弄される釣行を繰り返していました。その甲斐もあって昨シーズンは4尾もの尺ヤマメを手にできました。翻弄されながら焦りが募り釣りが雑になりかけていた事もあり今シーズンはもう少し肩の力を抜いてヤマメを狙おうと考えていました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小峠龍英)
3日目は43cmニジマス
前回からさらに数日後。その日の休みだったものの、昼から所用があったためまたあの里川支流で朝7時からの2時間勝負に出ることに。到着して川の様子を見ると源流付近で雨が降ったのか水が高くなっていました。
ただこの川は濁りに強く大雨が降ってもどチャ濁りになることは無く常にジンクリアな水色を維持しています。なので悪い条件ではないとむしろ期待が高まります。最初のキャストでは増水の影響でいつもはあまり見かけないサイズのイワナがヒットして尚更期待値が上がっていきました。
期待とは裏腹に……
ところが水がヤマメにとって高すぎるのかヤマメからの反応がほとんどありません。代わりに小型のニジマスがコンスタントに釣れていきます。この川で釣れるトラウトはヤマメとニジマスが大半を占めているのですが特にニジマスのサイズはあまり期待できない川でもあります。筆者のこの川でのニジマスの実績は最大でも40cmを超えたことがありませんでした。
激流の魚道
この川には一定間隔で古い堰堤と魚道が設置されており、増水事には激流と化す箇所もあります。その日も増水の影響で魚道付近の流速はかなり早くなっており、アップストリームでアプローチしても着水と同時に流されてしまう状況でした。そこで上流側からダウンストリームでアプローチしていきます。
筆者は普段、このような状況では重めのスプーンを使いますがその日は軽めのスプーンしか手元になかったのでお決まりのチャートグリーンのシンキングミノー4gをスナップにつなぎます。陸生昆虫が多いこの時期、トラウトは表層を意識しているはずなのであまり沈めずに表層から中層を意識してミノーを流します。
激流でニジマスとファイト
着水後、上流からの流れを受けたミノーがバタバタとウォブリングを始めた直後にいきなりロッドティップが絞り込まれます。すかさず合わせを入れるとその魚は激流に乗ってジリジリとラインを引き出しながら深みに潜っていきます。
魚の姿がまだ確認できない中、カーディナルのドラグノブを締めてロッドを立ててダッシュをしのぎます。この激流の中で縦横無尽に走り回るその剛力からニジマスと確信、魚に合わせて移動しながらいなしていきます。
一進一退を繰り返し事約5分、ようやくランディングネットに誘導して勝負あり。そのニジマスの見事な体高はまるで筋肉の塊。サイズを測ると43cmもありこの川ではあまり見かけないサイズです。久しぶりのニジマスの強烈なファイトでもう大満足しそのまま帰路につきました。基本的に在来種をメインに狙っていますがやはりたまにはニジマスも良いと再認識した釣行でした。
<小峠龍英/TSURINEWSライター>