3月上旬、三重県鳥羽市小浜から出船している丸安丸でタイラバ釣行。この時期の鳥羽沖は、年間でも冷え冷えの低水温期。当日はヒラメ連釣も、マダイに関しては船長からサジを投げられる始末。そのようなしびれる展開となったが、最後に起死回生のモンスターをゲットすることができた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・峯卓)
底潮冷たくヘッド冷え冷え
その後もヒットはあるが、マダイだけは食ってこない。ダメだ、幾度となく乗った丸安丸だがついにマダイボウズを食らってしまいそうだ。
船長からも「今日は峯さんにタイ釣れんわ」とサジを投げられる始末。そうだね、そんな気がしてきたよ。
時間的に沖上がりまでの最後になる潮上がりの移動中に加藤、赤瀬両氏の会話が耳に入る。「大潮だからか上潮が滑ってしまって底の潮が効いてないですね。底潮が冷たすぎてタイラバのヘッドがメチャクチャ冷えてますわ」。
ほうほう、何だかプロっぽいじゃないの。意味はよく分からんが要するにアレだな、ヘッドの冷え冷えがダメなんだね。ゾウリを懐で暖めて出世を果たした人間だっているらしいじゃないか。ヘッドを腹で温める私を見る2人の視線が痛い。
起死回生のハチマル級
人肌ヘッドが着底して巻き始めた直後、駆け引きもクソもなく、一気に20m以上走られた。あれまぁ今度はブリかよ。PEライン0.6号、リーダーはフロロカーボンラインの2.5号なのでヒィヒィ言わされながら寄せてくるが、何だか様子が変だ。「これタイじゃね?」。
しかしタイを釣ってない私の信用はないので、黙って慎重に上げてくる。泡を吐きながら浮上したのは正真正銘の浅場のモンスター!80cmをわずかに切るが起死回生の1匹だ。
「見たかプロたちよ、俺のヘッドには優しさと温もりが詰まってるんだよ」。冷たい視線は釣りよりつらいぜ。
<週刊つりニュース中部版APC・峯卓/TSURINEWS編>