延べ竿（ノベザオ）というと、川の小物釣りで使うイメージが強く、海で使用するにしても、有名なのはメバルだけ……と思われる方も多いと思う。だが延べ竿は、多くの魚種を狙えて使い勝手がよい、初心者にオススメの竿だ。延べ竿で狙うことができる海の魚種を紹介しよう。
（アイキャッチ画像提供：TSURINEWSライター荻野祐樹）
延べ竿（ノベザオ）とはどんな竿？
延べ竿（ノベザオ）はリールを使用せず、竿の先端部に直接ラインを結わえつけて釣る竿だ。
その特性から、竿の長さ=仕掛けの長さ＆仕掛けが届く長さとなるため、竿そのものが長尺になっていて、長いものだと10m超え（おもにアユ用）もある。
海釣りで使い勝手がよいのは3.6m～7m程度で、とくに4～5m程度が初心者には扱いやすい。足下に魚影が見えているような状況なら、3.6mでもよいだろう。
リールがついていない分軽いので、女性や子供でも簡単に扱うことができるのも、特筆すべきポイントだ。
初心者やファミリーなら短めがオススメ（提供：TSURINEWSライター荻野祐樹）延べ竿でできる釣り
では、延べ竿でオススメの釣り方はどういったものがあるのかをざっと紹介しよう。
ウキ釣り
もっとも簡単なのがウキ釣り。
竿の長さまでの深さしか探れない……と侮るなかれ。まきエサを撒く釣りの場合、足下にポイントができるので、仕掛けの手返しが抜群な延べ竿は最高に相性がよい。
探り釣り
漁港内、堤防のテトラ周辺、はたまた川の河口など、水深が5m程度と浅ければ延べ竿での探り釣りの出番だ。竿を軽く上下するだけなので、手返しよく釣ることができる。
ミャク釣り
探り釣りと似ているが、極端に軽い仕掛けを使い、目印やラインの動きでアタリを取るのがミャク釣り。
渓流エサ釣りではもっとも一般的な釣り方だ。慣れるまでは少々むずかしく感じるかもしれないが、繊細なアタリを捉えて掛けるというゲーム性がたまらない。
サビキ釣り
硬めの竿を使い、小さめのプラカゴを使えば、サビキ釣りも普通に楽しめる。リールがないうえに動きがとてもシンプルなので、初心者やファミリーフィッシングにもオススメだ。
延べ竿で釣れる魚種を紹介！
では、延べ竿で釣れる魚種はどんな魚がいるのか。詳しくみていこう。
メバルやガシラなどの根魚
筆者が以前書いた「メバル狙いエビ撒き釣り入門 【ポイントの選び方と延べ竿での釣り方を解説】」でも詳しく紹介したのだが、メバルのエビ撒き釣り(ウキ釣り)や探り釣りでは、延べ竿を愛用しているアングラーが多い。
足下にポイントを作り、2ヒロ程度の浅ダナを攻めるこの釣りは、延べ竿との相性が抜群だ。また、メバルと同じ場所で底付近を探り釣りで狙うとガシラもよく釣れる。
上：メバル・下：ガシラ（提供：TSURINEWSライター荻野祐樹）
アジ・サバ・イワシなどサビキの対象魚
サビキ仕掛けを使用すれば、サビキの対象魚であるアジやイワシ、サバを狙うことができる。
リール竿と違い魚の引き味がダイレクトに味わえるので、一度慣れるとこちらの方が楽しいという方も多い。
また、サビキのまきエサに魚が集まってきているなら、ミャク釣りやウキ釣りで1匹釣り上げるのも、ゲーム性が高く楽しいのでオススメだ。
1匹ずつ｢掛ける｣練習になるので、初心者のサビキ釣りからのステップアップにもよいだろう。
上：アジ・下：サバ（提供：TSURINEWSライター荻野祐樹）サヨリ
シモリ玉を複数使用する連玉仕掛けや、玉ウキでのウキ釣りなら、サヨリ釣りも相性がよい。
リール竿だとイマイチ手応えがわかりにくいこの釣りも、まきエサを使って足元まで寄せてから延べ竿で狙えば、ピョンピョン跳ね回るサヨリ特有の引き味を存分に楽しむことができる。取り込む際には、渓流釣りで使われるランディングネットがあると便利だ。
サヨリ（提供：TSURINEWSライター荻野祐樹）チヌやグレ
フカセ釣りで人気の対象魚であるグレやチヌも、小型のものであれば延べ竿のウキ釣りで楽しめる。チヌは延べ竿の前打ちで専門に狙っている人がいるほどだ。
チヌ（提供：TSURINEWSライター荻野祐樹）グレはまきエサを撒きつつ、テトラの際を固定ウキで攻めると効率がよい。チヌ・グレの引きは強烈なので、小型でもタモを使用するなど、それなりの対策をして挑もう。
グレ（提供：TSURINEWSライター荻野祐樹）キスやハゼ
チョイ投げの対象魚であるキスやハゼは、砂底の場所や河口であれば、延べ竿のミャク釣り・探り釣りで釣ることができる。
キスは夏ころに浅場にやってくるので、底が砂底であれば堤防からでも釣れるし、ハゼは秋に河口で狙うのがオススメだ。
この二種の場合は底にエサを這わせて釣るため、水深の把握が重要となる。
キス（提供：TSURINEWSライター荻野祐樹）延べ竿は初心者にやさしい万能竿
水深がそれほど深くない場所限定になるとはいえ、延べ竿での釣りは意外と幅が広く、奥が深い。
1本持っていれば時期に合わせてさまざまな釣りが楽しめるので、ぜひ使用してみてほしい。魚とのダイレクトなやり取りに、ハマってしまうこと間違いなしだ。
＜荻野祐樹／TSURINEWSライター＞
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