「フィッシングショー大阪2023」で『ヴァンキッシュ』と『エアリティ』を比較してみた

「フィッシングショー大阪2023」で『ヴァンキッシュ』と『エアリティ』を比較してみた

先日、2月4日・5日と、3年ぶりとなる「フィッシングショー大阪」が開催された。このご時世で……という気持ちもあったが、私事ながら身の回りが忙しく、釣りにもあまり行けていない状態だったので、気分転換もかねて金沢から大阪まで足を運んだ。筆者が気になったリールにと併せて、レポートしてみたい。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター笠野忠義)

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DAIWA 「AIRITY」

ダイワもシマノに負けないくらいの賑わいであった。その中でも人だかりができていたのは「AIRITY」のブースであった。これまでは「LUVIAS AIRITY」の名称で販売されていたが、今回はハイエンドモデル「EXIST」の技術が搭載され、新たに「AIRITY」の名称で登場。

「フィッシングショー大阪2023」で『ヴァンキッシュ』と『エアリティ』を比較してみたエアリティー(提供:TSURINEWSライター笠野忠義)

当初、2001年発売の「TOURNAMENT AIRITY」もとても人気機種であたことを今でも覚えている。その10年後に発売された「LUVIAS AIRITY」。どちらも軽量リールで名高い「LUVIAS」がベースとなった機種であったが、今期発売の「AIRITY」はAIRITY単独の機種。デザインもLUVIASをにおわせない雰囲気。私の主観的な意見にはなるが、ボディーは16CERTATEと21LUVIASかけ合わせた印象。

ハイエンドモデルより軽量

当然のことながら、このAIRITYにも搭載されているが、昨年発売されたEXISTで打ち出している「AIR DRIVE DESIGN」という、ローター・スプール・ベール・シャフトと設計を見直されたデザインが盛り込まれている。その恩恵から、前作のLUVIAS AIRITYと比べても2500番で5g の軽量化を実現。同番手のEXISTと比べても10gもの差がある。

ローターの形状は、今までのローターのデザインと比べると、なんとなくガチっとした印象を受け、どうなのか?と思うが、実際巻いてみると……印象を覆すような軽快な巻き心地であった。ワンピース形状なので、モノコックボディーのように、自重の妨げになるものを削除して、軽量かつ剛性が上がったと解釈すればよいだろうか。

実際に「AIRITY」を体感

ブースのそばに体感コーナーがあったため、当然伺ってみた。LUVIASAIRITYとの比較であったが、巻き心地が断然違う。どちらもモノコックボディーで従来より大きいギアが入っていてぱっと見は同じ。

だが、ローター等の見直しの部分がこの巻き心地に貢献しているのだろう。自重も軽い、巻き心地も軽快、だが感度にも貢献して、技術のすごさを感じたAIRITYであった。

2機種の比較は?

どちらがオススメかといわれると、メーカーの特色が色濃く出ていて、「〇〇のこういうところがいい」と意見が分かれるので、正直、どちらともいえない。実用性からみると、DAIWAのAIRITYだろう。やはり、モノコックボディーから生まれた剛性とギアサイズの大型化がパワフルな巻き上げに貢献し、ZAIONローターが高剛性かつ軽量で感度に優れているだろう。しかし、SHIMANOのVanquishは、ハンドルの巻き初めに感じる「ぬるっ」とした感じもSHIMANOらしくて好きですし、細部にもこだわりを感じ、メーカーの繊細さが伺える。やはり、インフィニティ―ループの技術も些細なことではあろうが、トラブルレスに貢献し、快適な釣りができるであろう。しかし、軽いルアーを多用する釣りにはちょっと抵抗がある感じ。「お家芸が光るDAIWA 繊細さが光るSHIMANO」といったところか。ありきたりの言葉ではあるが、「実際触って比べてほしい」

ブースをまわって感じたこと

毎年訪問して思うことだが、北陸でもフィッシングショーは行われているが、どちらかというとルアーの釣りに偏りがちな印象を受ける。鮎やへらのブースがあってもごく少数の人が群がるのに対し、エギングやシーバスなどのソルト系のブースにはどっと人が押し寄せるという特色があるが、大阪フィッシングショーはそういうことがあまり見受けられなく、どのブースにも満遍なく人が押しよせ、テスター陣に質問を浴びせる姿が多く見られたのが印象的である。

また、トークショーでもメーカーのトークショーではあるが、メーカーの垣根を超え、同じジャンルの釣り仲間として話しているのはよかったし、そういう仲間がいるというのは羨ましいと感じた。

用品に関しては、リールをはじめ、ハイエンドモデルの新作が多いような印象であった。ハイエンドモデルに技術を注ぎ込んで、「ここまでできます!」と技術を見せるのも大事であるが、このご時世、わかっていてもなかなか手が出ないのが実情。ミドルクラスやコスパクラスのモデルで、「コストを削って、このクラスでここまでできます」というような、「へぇ~」と関心をもって買ってもらえるような製品づくりも大事なのではないかと思った。

何はともあれ、良い2日間を過ごし、夜の居酒屋でもおいしい食事においしいお酒を堪能し、大阪を後にした。

<笠野忠義/TSURINEWSライター>