泉南名物、冬のカレイシーズンが今年も到来。釣期も時合いも短く、釣り座選びも命運を分ける難しい釣りながら、今回構えた釣り座は意外にもマコガレイ30cmが潜んでいた幸運の釣り座だった。当日の投げ釣りの模様をリポートする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
泉南のカレイ釣りが好発進
泉南エリアの青物は12月中旬まで連れ続いていたが、気温と水温の低下に伴い下旬になると、青物にかわってカレイが主役の座に躍り出た。岸和田一文字、泉佐野一文字、貝塚人工島などの釣り場から続々とカレイの釣果情報が伝わってきて、今シーズンも泉南のカレイは好発進。
しかし、釣期も時合いも短く、釣り座選びも命運を分ける難しい釣りでもあり、釣果を手にするのは釣行した釣り人の中でもごく一握り。12月は泉佐野一文字に釣行したが、ベストポイントに釣り座を構えた地元常連の釣果をうらやむだけの不発に終わってしまった。
岸和田渡船のネット予約は2番船に
年明け1月の三連休、今度は岸和田一文字への釣行を決めたが、渡している岸和田渡船はインターネット事前予約制となっているのがつらいところ。青物のシーズンが終わってもカレイ狙いの多数の釣り人が受付開始時刻と同時に予約サイトに一斉にアクセスをかけ、始発便はネット操作の途中で瞬殺。私はやむなく6時発の2番船に甘んじてしまった。
岸和田一文字は、沖一文字(通称:沖の北)と旧一文字の2本の防波堤の総称で、波止全体で見ればスペースは十分にあるものの、カレイの実績がある釣り座は限られている。始発便に乗らないと実績のある釣り座には入れないとあって、モヤモヤ感を抱えての釣行となってしまった。
なお、岸和田一文字など、泉州・泉南エリアの釣り場の詳しい特徴その他の解説は、過去の投稿「大阪湾の沖波止紹介:岸和田&泉佐野一文字 都市近郊でアクセス良好」を、2021年1月の旧一文字でのカレイ釣りの模様は「投げ釣りで『マコガレイ』手中 時合いはたったの30分【岸和田一文字】」を、それぞれ参考にご覧いただきたい。
岸和田沖一文字に釣行
今シーズンの釣行日は2023年1月9日。釣果情報は早くも下り坂で、複数釣果は望み薄。1匹でも釣れたら御の字だ。忠岡漁港にある岸和田渡船の事務所で乗船手続きを済ませると、乗船場では5時の始発便の出船間際。遠目にも船上の釣り人たちの熱気が伝わってくるようだ。いい釣り座は先客のこの人たちが入るんだろうなあ……と、顔も心もつい下を向いてしまう。
船長から「始発の人は沖と旧とでほぼ半々に分かれていた。去年と違ってカレイの場所はバラけているので、釣る場所はあるよ」とアドバイスがあり、2番船は30人程の釣り人を乗せて定刻の6時に出船した。船はまず旧一文字に立ち寄るが、こちらの波止も実績のある釣り座は、始発便の先客でほぼ埋まっている。ここは腹をくくって、沖一文字(沖の北)で釣ることに決めた。
船着き場に着くと、少しでもいい釣り座を目掛けて、大半の釣り人は南方向へと歩を進めていく。私も負けじと速足で進んで行くが、案の定、視線の奥には、実績のある南端の波止の付け根一帯は先客で埋まっている光景が見えた。仕方なく、波止上に設置された小屋と南端との間ぐらいの場所に釣り座を構えることにした。
波止上にはカレイ狙いの釣り竿が林立し、壮大な眺めとなっていたが、カレイは果たしてこの沖に潜んでくれているのだろうかと、確証の持てない釣り座で不安を抱えてのスタートとなった。
タックルとエサ
岸和田渡船からは、カレイの投げ釣りは、一人あたり竿3本までの制限と、オモリは30号以上を使用するよう告知されている。私のタックルは投げ釣り用の竿にスピニングリール、ミチイト5号、チカライト5~12号、スパイクテンビン30号の組み合わせで、幹糸4号にハリス2.5号、カレイ専用バリ10号の自作の2本バリ仕掛けを用意した。
エサは食いが立っている時は青イソメだけでも釣れるが、私は少しでも釣れる可能性を高めようと、マムシ、青コガネ、青イソメを併用した。エサは海水バケツに入れて生かしておき、必要な分だけ取り分ける。ハリへのエサ付けは、上バリに青コガネ、下バリにはマムシと青イソメの両方を付けて、匂いと動きの両建てでカレイにアピールする「青マムシ」のスタイルで臨む。エサ代が高くつきコストパフォーマンスの面では全く話にならないが、結果的にこの青マムシが後に実を結ぶことになった。