12月後半になってカレイは産卵期に入り、キスやハゼも深場へと落ちていく師走である。最後のチャンスとばかり、愛知県常滑市の常滑りんくう釣り護岸へ出かけてみた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・JOFI愛知・大田豊明)
常滑りんくう釣り護岸で投げ釣り
12月10日、旧暦11月17日の大潮、満潮7時23分、干潮12時55分(名古屋港)。同行は豊田市の稲吉国夫さん、早苗さん夫婦と長男で小5の恵大くん。天候は晴れ、風は北風で風速3m前後と穏やか、気温は朝の最低気温7度、最高15度と絶好の釣り日和に恵まれた。
午前6時半に集まる。釣り場へ向かう道すがら釣り人の入り具合や海の状況を確認する。夏はブルーに輝く海も、冬場はグリーンへ色を変える。
表面海水温は17度。約1kg続く釣り場の中間辺りに釣り座を構え、隣の釣り人(知多市在)にあいさつをする。「今釣れたよ」と見せてもらったのは、水くみバケツで窮屈そうに身をよじる30cmのマコガレイだ。やはりあいさつはするものだ。お互い見ず知らずだが急に親しみが生まれる。
タックルは投げザオ・シマノスピンパワー並継EX3.85mとスピンジョイ振出GX3.6mの2本。リールはシマノフリーゲンとスピンジョイで、スプールにPEライン2号を200m巻き、その先にPEチカライトを結ぶ。オモリは富士工業の海草固定天秤23号、仕掛けはミキイトがフロロカーボンライン6号、枝スはナイロンライン4号にがまかつカレイ専用12号の2本バリの自作仕掛け。エサはカレイの食いがいいアカイソメ。
ヒトデの猛攻に難渋
80mと60m付近に仕掛けを投入してアタリを待つ。そして3~5分ごとにリールを巻いて誘いをかけ手前に引いてくる。これには2つの効果が期待できる。1つは動かすことで魚の興味をひくこと、もう1つはカレイ釣りにつきもののヒトデの猛襲を防ぐ目的だ。
しかし今日はどうしたことか、ヒトデがものすごく多い。仕掛けを上げるたびに1個か2個ついてくる。おそらく底はヒトデがびっしり、それこそヒトデのじゅうたんのようになっているのだろう。これではカレイにエサが届かない。
稲吉さん家族はチョイ投げで良型のキスやハゼを釣っている。護岸手前6~7mには捨て石が入っているので、10m手前から仕掛けを浮かせて取り込まないと根掛かりする。慣れれば簡単だ。
マコガレイほか3魚種ゲット
午前7時から10時まではキスやハゼがよく釣れた。外気温は冬だが、海の中はまだ晩秋の水温だからだろう。恵大くんが手のひらクラスのマコガレイをゲット。その後は食いが落ちたので昼に納竿とした。当日の釣果はキス、ハゼ、カレイの3魚種だった。
帰りに顔なじみの横江さん家族に会った。バケツの中では良型のキューセンが元気よく泳いでいた。12月だというのに夏の魚のキューセンが釣れるのだ。海水温が高いことを示している。急激に寒くならなければ、まだキスやハゼ、カレイが楽しめそうだ。
冬のターゲットに照準
魚は変温動物だ。一方われわれ哺乳類や鳥類は恒温動物。変温動物とは、周りの気温や水温の変化に自分の体温を変化・同調させる動物のこと。魚類やは虫類がその例だ。寒ければ寒いように、暖かくなればその外気温に体温を合わせる。
急に海水温が下がると、これに自分の体温を合わせるため数日間はじっとしてエサを食べないと言われる。水温が下がれば動作も鈍くなり、活発にエサを食べることも少なくなる。だから寒波が来て急に気温が下がると、数日は釣りに行っても釣果は望み薄。水温が安定したときを見計らって出かけたい。
海中は今、秋から冬に向かっている。冬のターゲットといえばアイナメ、クジメ、メバルだ。
最近りんくう護岸もゴミの放置が増えてきた。私は周りの切れたライン、使った仕掛け、飲み物の空き容器などを拾っている。特に鋭いハリの付いた仕掛けは危険だ。必ず持ち帰るようにしてほしい。釣り魚を釣るだけでは半人前、マナーとルールを守り、譲り合う心があってこそ一人前といえるだろう。
<週刊つりニュース中部版APC・JOFI愛知・大田豊明/TSURINEWS編>
常滑りんくう釣り護岸