常夜の闇に宝石のようなきらめきが浮かぶ工業地帯。2月28日、寒の戻りのなか三重県四日市市の磯津漁港からカサゴを求めてスバル丸で出船した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・波瀬金鉤)
スバル丸でカサゴ釣り
12月から3月にかけ、カサゴは産卵のため接岸しており、船釣りは最盛期を迎える。
当日は晴れているが気温は5度、風速4mと典型的な冬型の気圧配置。西風の場合ポイントは風下なので波はそこまで高くない。初心者も船酔いのリスクが少なく安心だ。満潮から潮が動きだすタイミングを狙って午後9時に磯津漁港を出船した。
エサはスーパーで市販されている輪切りのイカを塩でもみ、脱水して幅1cm、長さ7cmにカットしたものを使用した。
船長の話では「今年は20cmを超える良型カサゴは少ないが15cm前後がよく釣れている」とのこと。ハリのサイズは小型でもフッキングできる13号が適していると判断。イカの短冊の端にハリを通して数釣りを狙った。
カサゴの釣り方
ポイントの水深は6~9m。底には根魚のすみかとなるテトラや岩が無数に広がっている。
潮の流れは緩やかなので、オモリは20号あれば垂直に仕掛けをボトムまで落とせる。ゆっくり仕掛けを投入することで着底時の根掛かりを回避した方が無難だ。
アクションはボトムから2cm浮かせ、サオ先をゆっくり上下させてアタリを待つ。貪食なカサゴはエサを見つけるとすぐに食いつき、口に入りきらない場合はゆっくり吸い込んでいく。
そのため軟らかいサオの場合、カサゴがエサをくわえるとサオ先が沈む。5秒ほど待ち、優しくサオ先を持ち上げるとさらに重みが増して動きだすので、一気に持ち上げてフッキングさせる。その直後に隙間に隠れようと下に潜るので、素早くリールを巻き上げると釣れる。
今年の平均サイズは15cm
当日は仕掛けを投入するとゴツゴツとオモリが底にぶつかる感覚が。水深の変化に合わせて小まめにレンジをキープしていく。
するとサオの先端がゆっくり海中に傾く。カサゴのアタリだ。確信しながら重みが乗ったところでアワせて巻き上げる。釣れたのは今シーズン平均サイズ15cmのカサゴ。海水魚の中では小型の分類だが、見かけによらずパワフルな引きを楽しませてくれる。