ノマセ釣りは別名「泳がせ釣り」とも言われるように、生きた魚を針に付けて泳がせ、フィッシュイーターを仕留めるために進化した釣り。サビキ釣りで確保した小魚を利用すれば、実に手軽にチャレンジできる。今回は、必要な道具やタックルについて紹介していこう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
ノマセ釣りに必要な道具
ノマセ釣りだからこそ必要になる道具、というものがある。普段サビキ釣りだけを楽しむ際とは少々趣が異なるので、詳しく見ていこう。なお今回は、サビキ釣りの道具については割愛する。
バッカンやスカリ
釣った小魚を活かすための容器として、10L~15L程度の海水が入るバッカンや大型のバケツを用意する。ここに海水をたっぷりといれ、ポンプで酸素を送ることで生きた状態をキープできるという訳だ。
海に直接浸けるスカリを単体で使用しても良いが、エサを付け替える度にスカリを海水から上げていると、折角の小魚が弱ってしまう。理想はスカリとバッカンの併用だ。
エアーポンプ
小魚が元気な状態をキープするため、酸素を送るためのエアーポンプ(通称ブクブク)は必須だ。酸素量が減るとすぐに弱ってしまうため、予備の電池も必ず用意しよう。
簡易フィルター
著者はエアーポンプ付属のストーンを使用せず、観賞魚用の投げ込み式フィルター(水中フィルター)を使用している。これは酸素を送るだけでなく簡易的な水質浄化作用があるので、ストーンよりも圧倒的に長生きする。ホームセンターや熱帯魚店等にて500円程度で購入できるので、是非一度使用してみてほしい。使用後は毎回真水で洗い流しておくと長持ちする。
なお、フィルター内部(マット部)の汚れが目立ってきたら、交換用のフィルターマット(300円程度)に取り換えよう。
タモ
基本的にヒットする魚が大きいため、タモ網は必須。釣り場の足場の高さに合わせて4m~6mを用意しておきたい。タモ枠は50cm程度の物がオススメだ。
エサをすくうネット
こちらはバッカン内の小魚を掬う際に使用する。釣具店のエビ用網コーナーで入手可能だ。
尻手ロープ
もし置き竿で狙いたいなら、竿を持っていかれないように尻手ロープが必須になる。特にエイが掛かってしまうと一瞬で竿を持っていかれてしまうので、くれぐれも注意が必要だ。あくまで「タックルの紛失を防ぐための物である」ということにも留意しておきたい。
ノマセ釣りのタックル
では、大型魚を仕留めるためのタックルがどのようなものなのかを見ていこう。どの魚種・サイズを狙うかによって多少変化するが、今回紹介する物を基本的な物として考えてほしい。
ロッド
著者は50g程度のジグを扱えるショアジギングロッドや、30g程度のミノー類を扱えるシーバスロッドをよく利用する。これらのロッドは元の対象魚がフィッシュイーターのため、非常に扱いやすい。その他、3号程度の磯竿や、3m程度のボートロッド、投げ竿も丈夫なので流用が可能だ。50cmクラスまでのフィッシュイーター狙いなら、エギングロッドでもなんとかなる。
リール
最低2000番、できれば3000番~4000番クラスのドラグ性能の良いリールが望ましい。著者はシマノ社の2500番や3000番を使用しているが、1000番のリールで50cmのヒラメ(シーバスロッド)や69cmのスズキ(メバリングロッド)を仕留めたこともあるので、ロッドとのバランスとドラグ性能が非常に重要となる。
ライン
著者はPEラインの1号~1.5号を道糸としてリールに巻き、その先にリーダーとしてフロロカーボンの4号~7号を5m~7m程度セットして使用している。このようにしておけば、釣行の際にリーダーを取り換えるだけで様々な釣りに対応できるのでオススメだ。
このセッティングで、70cmクラスのスズキや60cmまでのハマチなら普通に釣ることができるが、更なる大型を狙う場合はラインをより太くしておくと安心だろう。