5月のアタマである。バチ抜け最盛、狙うはシーバス。しかし、結果から言うとこの日もバチについたシーバスの姿を見ることはなかった。代わりに連発したのは、良型メバルだ。大阪湾奥、5月3日の釣行をレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
満月大潮のシーバス釣行
この日は満月大潮。フルムーンの大潮とあって、バチ抜けシーバスの期待は高かった。心配要素は、これまでちゃんとバチの姿を海面に確認していないこと。そして、画像のような「雲り満月」による光量の低さだ。それでもまあ一尾くらいは、という気はしていた。楽観。
釣り場に到着すると、シーバスの独特の捕食音「バシャバシャ」という音がほとんど立っていない。ボラジャンプの音に混じって、たまにシーバスかな、という感じ。ヘッドライトを当ててみると、オープンにはボラの壮大な群れが見えた。
ちょっと、どうなんだろう……いい感じがしない。バチの姿もまばらだ。
シーバス食わずメバル連発
メバリングタックル流用のLTシーバス開始。まずはセオリー通り、シーバスが着きやすい壁際から探っていく。このポイントは潮位が高いとほとんど足場から水面まで50cmくらいまで近づくので、あまりキワに寄って魚に人の姿を見せないように注意。
使用するルアーは、50mmのメバル用のバチ抜けルアー。クルクルバチ対応の、春のLTシーバスである。しかし、最初からかなりメバルがちょこちょこと突いてきて、なかなかシーバスにならない。それにしてもメバルの活性が高い。ほとんどルアーをバチとも見ていないような感じで、とにかく猛アタックしてくる。次々釣れるので痛快ではある。
ボラ混じりでメバル入れ掛かり
ルアーを壁際にキャストしながら、東西に長い堤防を歩いていく。後から携帯電話の万歩計で確認してみると、この日の私の歩数は、なんと釣りをしている時間だけで1万歩を超えていた。実は風邪気味だったのだが、体調不良など忘れてしまう楽しさだったと言える。結果はメバルが優々とツ抜け。
シーバスは現れなかったが、ボラがひとつきた。このボラの壮大な群れが定着していると、シーバスが食う感じがしてこない。めちゃくちゃフルキャストした先でも、ノるのはメバルだった。全面的にメバルが出張っている海だ。ライトゲームアングラーとしては至福の状態だが、久々に獰猛なシーバスの引きも味わいたい……。
ボラの中からシーバスは釣れる?
あまりにボラが多いので、ポイントを移すことも考えている。しかし、ボラもバチに着いている状態なので、よほどシーバスの数が多くない限り、そもそもアピール力の低いクルクルバチのルアーでシーバスを狙いうちすることは難しいかもしれない。
この春、ここまであえてシーバスのタックルを使ってこなかったのは、まあ、メバルの保険をかけておけば坊主逃れになるだろうという考えがあったからだが、夕マヅメの釣り方も含めて、そろそろ本式のルアーを持ってきた方がいいかもしれない。
キワでもオープンでもメバル連発
この日のメバルはこれ以上ないくらいの高活性で、いわゆるボコボコ状態だった。しかも総じてサイズが大きく、アベレージで28cm前後がくる。リリースメインの都市部ならではのサイズと言えるだろう。それにしても春のメバルがここまで大きいのは近年ないことだ。
メバルの着き場は間違いなく堤防際だが、オープンに投げても反応が多かった。海の前面を索敵できるのはプラッギングの良いところで、自分の眼前で出る爽快なスプラッシュを見ると思わず歓声が漏れる。しかし、シーバスをどうするかという課題は残ってしまった。とりあえず次の満月周りは、場所とタックルをかえてバチ抜けに臨んでみることにしよう。
<井上海生/TSURINEWSライター>
大阪湾奥