マルキューインストラクターのザ・チャレンジ!第28回は「厳寒期のハコをナメるな!」千葉県我孫子市にある小川つり堀園小池での実釣。手を変え品を変え、あきらめずに食らいついた釣果は2枚! これってどうよって話だけどね。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
常連の釣りを参考にする
9時すぎの時点でノーフィッシュの吉田を尻目に、あとから入釣してしかも吉田の釣り座より風の条件が悪い並びの常連は2枚。釣り方は共に竿8尺で同じだが、両グルテンの吉田に対して常連はグルテンセット。またこまかいようだが、ハリスの長さも上下5cmほど吉田のほうが長い。しかし、肝心のハリは聞くのを忘れてしまった。
「バラケを使うって発想がボクにはありませんでした。でも、そうなんですね。わかりました。素直にマネをします」
しかもハリスの長さまで常連とそろえる念の入りよう(笑)。こうなれば恥も外聞もない。ただし、ハリスの長さをたかが5cm変えただけなのに、底ダテをやり直すところは吉田らしい。ズボラな記者なら、詰めたぶんだけトンボの位置をズラして済ませてしまうだろう。 まあ、郷に入っては郷に従えって言葉もあるのだから、ここがスタートラインだと思って心機一転だね。
「はい。ところで関口さんもセットですか」
もちろんだよ。バラケで寄せてジャミを蹴散らす! 常連も両グルでは寄せる力が足りないって言ってたからね。まあダンゴのブレンドはテキトーだけど。
驚いたのが、その効能だ。セットに切り替えた途端、ウキの動きにジャミ感がなくなり、言ってみれば底釣りらしい動きが出るようになった。これはなぜだろう?
「重さでしょうか。グルテンよりもダンゴのほうがはるかに重いエサですから。あとはダンゴを打ったことで遠巻きになっていた本命がエサに近づいてきて、本当にジャミを蹴散らしてくれたとか」
いずれにしても釣れそうな動きになってきたのは大歓迎だが、主役をさしおいて釣れ始まったのは記者のほうだった。時計は10時11分。さらに42分に2枚目ゲット。
「関口さーん、カンベンしてくださいよ」
カンベンも何も、アタればアワせるでしょ。吉田も頑張れよ!
「何かひそかにやったんですか?」
何もやってないよ。ただアタリ数のわりに乗りが悪いから、ズラシ幅を10cmくらいにしたら1枚目が乗ってきた。よく言うでしょ、大助(大型)狙いやカラツンが多いときはハリスの3割はズラせって。今は上ハリスが30cmだから10cmズラシにしただけだよ。
「そんなの聞いたことがありませんよー」
あら、そうなの。キミもまだまだ若いね(笑)。
「でも、アタってますよね。ボクのほうは単発で、しかもたまにアタってもスレてしまいます。上っ調子なのかなぁ」
上ずるほど、この池に魚がいる!?(笑)。
バラケを作り直す
そんなことをやっていると池主から「弁当が届いたよー」と休憩の知らせ。メシでも食ってちょっと頭を冷やしたほうがいいかも。
20分ほどのインターバルで釣り座に戻る。
過去の取材でもそうだったが、ポイントを休め直後の数投は要注意(ここは野釣り場か!?)。
吉田もそれはわかっているようで、再開1投目は両グルテンを投入。アタるまで竿を上げない覚悟でウキを見つめる。ところが投入してすぐウキが勢いよく消し込んだものだから、思わずアワセを入れてしまった。当然ながら空振り。スレないだけマシだったのか。
次投も両グル。今度はやや時間をおいてトップが戻り、直後にツン。乗ったと思えるアタリだったが、これも空振り。
すると吉田、何かを閃いたのかバラケを作り直す。それまでの夏冬マッハからダンゴの底釣り芯華+粒戦のブレンドに変更する。タックルとエサは下図を参照。
どうしたの?
「粒子が細かいとはいえバラケマッハのバラケ性が、今はジャマしているのかなって。関口さんのバラケにマッハは入ってますか?」
入れてないよ。そもそも持ってないもん。使ったのはダンゴの底釣り芯華と粘麩と粒戦細粒。配合はテキトーだけど。
「ネバネバじゃないですか⁉」
そうだよ、ダメ?
「いえ、もう何も言いません(苦笑)」
粒戦効果で魚の口を下に向ける吉田の作戦。これが功を奏したのか、替えて数投で難なく1枚目をゲット。時計は11時34分。もっと早くに気づけばよかったか。
ずいぶんと時間がかかったけど、ここからラッシュだね。
「そうあってほしいものです」
ところが、その後はまた触りだけで落とさないジレンマ。
竿8尺→9尺セット
ガマンしきれなくなった吉田は、ここで竿を9尺に替える。1尺(仕掛けを入れると2尺分沖にウキが立つ)長くなっただけで風当たりがきつくなるが、背に腹は代えられないということか。
どうして長くしたの?
「先月の取材で、関口さんに怒られたことを思いだしたので」
おいおい、オレを悪者にするなよ。
「何でもやってみろってゲキを飛ばしてくれたじゃないですか」
そうだっけ? そんなことがあったっけ?
底ダテを終えて、タナを上バリ5cmズラシにセットして13時25分に再開。するとあろうことか、わずか数投で2枚目をゲット。思わず吉田から「よっしゃぁ」と声がもれる。
ところがその後は追釣ならず、15時40分に釣果2枚で納竿した。並びの常連も朝の2枚を最後に追釣なし。記者は午後に1枚追加して3枚だった。
結局、訳のわからないまま終わってしまった感じだね。オデコにならなかっただけマシか。
「今月もまたやらかしてしまいました(涙)」
吉田にとっての春はまだまだ遠そうだ。
次回も「厳寒期のハコをナメるな!」です。
<週刊へらニュース編集部 関口/TSURINEWS編>