地域によっては「福(フク)」という呼び名に加えて、語呂のよさから縁起のいい魚のひとつに例えられるフグ。釣りの対象としているエリアのひとつが東京湾。処理免許を有した船宿で出船している。鶴見潮見橋にある新明丸も、通年でフグ釣りを看板に掲げる船宿。初釣りに、私も福(フク)を得ようと1月6日(金)に訪れた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)
新明丸でフグ釣り
舵を握るのは林大地船長。近況を聞いてみると、「例年ならアカメがメインの時期ですが、コモンやショウサイなど釣れているフグを狙っています。そのため、仕掛けもカットウがメーンですが、根の荒い場所も攻めるので、クワセ仕掛けも準備したほうが釣りを組み立てやすくなると思います」と話してくれた。
この日集まったのは16人。両舷に8人ずつ分かれて座り、7時半に出船。約40分でスローダウン。「多少のツブ根はありますが、仕掛けはオモリ10号のカットウで大丈夫です。アタリが小さいので、見逃さないよう釣ってくださいね。水深は13mです」とのアナウンスでスタート。
まずはアカメフグ登場
私はチラシバリ仕様のカットウ仕掛けで開始。オモリ着底後、さっそく誘いに入る。誘いは30cm程度の幅で仕掛けをシャクリ上げ、いったんその場でステイ。オモリの負荷を竿先にかけながら、ゆっくり付けエサを魚に見せるように誘い下げていく。
オモリ着底直後にアタリが出ることが多いので、着底後はゼロテンションをキープ。わずかでも竿先に動きや変化を感じたら、カットウのハリスぶん程度をスッと聞き上げる。魚の重みを感じたら、追いアワセ……というのが一連の動作。
アタリは出るものの、私はシロギスやイシモチ、ムシガレイなどのゲストばかり。そんななか、アカメフグをゲットしたのが右舷トモの籏山さん(横浜市)。「アタリが小さかったです。本命を手にすることができてよかった」と笑顔。
クワセ仕掛けにチェンジ
しかし、あとが続かず、1時間後に富津沖へ移動。大型のショウサイフグが期待できるポイントだが、魚の気配はなく大貫沖へ。
「次のポイントはやや深みの岩礁帯で、コモンフグをメインに狙います。根掛かりが多くなるので、クワセ仕掛けを推奨します。潮の流れも速いので、20号で準備してください。カットウでも狙えますが、オモリの号数は20号に統一するようお願いします」とのアナウンス。
そこで、クワセ仕掛けへチェンジ。胴突きの3本バリをセッティング。カットウ仕掛けとクワセ仕掛けの大きな違いはアワセのイメージ。ハリをしっかりと口に掛けていく必要があり、アタリに即アワセしてもなかなかハリ掛かりしない。イメージとしては気配を感じてから、口の中にハリが入って首を振る本アタリを察知してアワセを入れるカワハギ釣り。魚の重みを感じながら竿へ乗せ込む。
ゲスト交じりでコモンフグ好調
スタート直後から、ポツポツとコモンフグが上がる。私の右隣の大野さん(川崎市)は、カットウ仕掛けの上部にクワセ仕掛けを混ぜたスタイルで、どちらの仕掛けにもコモンフグを掛けていた。
私もときに一荷を交えながら数を重ね、小型はリリースしつつ14時半の沖上がりまでに16尾をキープ。ゲストにはカワハギのほか、ホウボウやマハタなども交じり、楽しい初釣りとなった。
船中釣果は16~38cm1~19尾。フグはコモンフグを中心に、アカメフグ、ショウサイフグが交じった。
<週刊つりニュース関東版APC・田中義博/TSURINEWS編>