近年、世界規模で異常気象が見られる。日本列島も異常な猛暑、異常渇水、突然の豪雨に大増水と自然災害に我々人間は圧倒されている。今回は夏の大雨、豪雨被害によりアユたちはどうしているのか? また増水はアユにとってどのような影響を及ぼすのか? 終盤のアユ釣りへの影響は? 来期の遡上への影響は? 釣り人目線で語ってみたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版・松森渉)
7月は異常な猛暑
私のアユ釣りのホームグラウンドである岐阜県郡上市の長良川郡上漁協管内だが、今年は長良川に限らず7月中過ぎから異常な猛暑となった。そして河川は大渇水。ダム湖の水は干上がり、深刻な水不足を招いた。
九頭竜川(提供:週刊つりニュース中部版・松森渉)8月後半からは豪雨被害
ひと雨欲しい、釣り人ならずとも誰もがそう願ったはず。8月のお盆明けになってもこの状況は続いた。そして8月後半になり待望の雨が降り喜びに沸いたのも束の間、雨は豪雨となり河川の氾濫を招いた。
豪雨で河川が氾濫した(提供:週刊つりニュース中部版・松森渉)福井県の九頭竜川では水位危険レベル5(氾濫の発生)となり水害も発生した。また豪雨は名古屋市など都市圏も直撃した。
アユ釣りへの影響は?
水害による被害も気になるが鮎師が思う事は?アユは大丈夫?流されて居なくなった?川底の形状は?
川底やアユが気になる(提供:週刊つりニュース中部版・松森渉)九頭竜川は濁流に
九頭竜川は映像を見る限り、今シーズンのアユ釣りは絶望的に思えた。九頭竜川は濁流と化し、全ての物を飲み込むかの様だった。映像を見るだけでも恐怖した。九頭竜川から鮎は姿を消した、そう思った。
アユは生き残っていた!
しかし水が引き川底の石に苔が付き出すと何処からともなくアユが姿を現した。アユは生き残っていたのだ。9月中過ぎの段階では以前と同じように鮎釣り師が竿を出してアユ釣りを楽しんでいる。
増水時のアユの居場所
増水時、アユは岸寄りに出来た僅かなヨドミなどに身を潜めている。普段水が無い様な場所にも身を潜めて水が引くのを待っている。
増水時はよどみに逃げている(提供:週刊つりニュース中部版・松森渉)産卵期のアユは降河したか
しかし大きな個体は産卵の為に多くが下った様に思えた。増水がアユに与えるダメージは大きい。しかしアユが育つ河川の状況を保つためには増水は必要な事だと思う。腐った苔を洗い流し良質な苔が付くことは大事だからだ。
古いコケが新しいコケに(提供:週刊つりニュース中部版・松森渉)終盤のアユ釣りに取って産卵期を控えた時期の大増水はアユの降河(こうか)を促すトリガーとなる。
産卵期のアユは落ちたか(提供:週刊つりニュース中部版・松森渉)水温低下&増水がトリガー
雨が降れば水温は低下する。産卵を迎えたアユは水温低下、増水が整うと一斉に下り始める。しかし川が渇水のままではアユは下れず、産卵期に中流?下流域で産卵が出来ない。ゆえに終盤の増水は長い目で見れば必要な自然なサイクルと言える。
完全放流河川はシーズン終了
しかしこのサイクルは河川の途中にダムが無い天然遡上河川でのサイクルだ。河川の途中にダムがある完全放流河川にとって終盤の大雨はシーズンの終わりを意味する。また終盤の雨や増水は鮎師の心を冷めさせる要因ともなり近くに迫った納竿日を意識する事になる。
釣りは自然相手の遊び
最後にアユは年魚と呼ばれる。1年で一生を終える魚だ。我々鮎師がアユ釣りを楽しめるのは夏の6月から9月。長くても10月いっぱいまでしか釣りを楽しめない魚だ。増水して居なくなればそれを潔しとして受け止め毎年竿を納める。
適度な増水が一番好ましいが自然は人間の思うようにはならない。自然相手の釣り。これからも一喜一憂しなが釣りを楽しんで行きたい。
<週刊つりニュース中部版・松森渉/TSURINEWS編>


