北海道では普段あまり嫌な人に出逢いませんが、サケ釣りシーズンだけは全く様相が異なります。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
マナーが守られない北海道のサケ釣り
日本最大の面積に、最長の海岸線延長をもつ北海道。一年を通じて様々な釣りが楽しめるこの島は、魚影の濃さに対して釣り人の数が少なく、最高のシチュエーションで釣りが楽しめます。
そんな北海道での釣り、基本的にはいつでも楽しいのですが、残念ながら一部時期だけはやりづらさを感じてしまいます。それは秋の「サケ釣り」シーズン。
林立する釣り竿(提供:PhotoAC)この時期だけは道内各地の釣り場でトラブル、事故、犯罪といった悪しきニュースが相次ぎ、SNSでもそのマナーの悪さがしばしば話題になります。我々道外の人間からすると、この時期だけは道内が悪人まみれになってしまっているように見えます。
密漁も横行
守られていないのはマナーだけではなく、ルールや法律すらも秋のサケ釣りシーズンには形骸化してしまいます。特に問題となるのが「サケ釣り禁止場所での釣り」ならびに「捕獲禁止水域での釣り」です。
そこ、サケ釣ってもいい場所?(提供:PhotoAC)秋のサケは産卵のために接岸し川に遡上するので、大きな河川や河口の周囲ではサケ釣りが禁止されます。しかし、接岸するサケの筋子を効率よく得るため、あえてこのような場所で「密漁」を行うならず者がたくさんおり、しょっちゅう検挙されています。
彼らは筋子にしか興味がないため、密漁したサケの腹を割いて筋子を取り出すと、身の方はその場に不法投棄していくこともしばしばです。
そもそも釣りが成り立たなくなる?
ただ、このような違法行為や釣り場におけるトラブルも、近いうちに過去の話となるかもしれません。それは人々のマナーがよくなるからではなく、サケ自体がいなくなりそうだからです。
年々獲れなくなっているサケ(提供:PhotoAC)ここ数年、北海道に接岸するサケの来遊数は右肩下がりを続けており、今年は歴史的な来遊数減少を記録した昨年よりもさらに大きく減ることが予想されています。海水温上昇や遡上する河川環境の悪化が原因として指摘されており、一朝一夕に改善できることではないことから、サケ来遊数の減少トレンドは今後も続くものと考えられています。
漁業すらも成り立たなくなる可能性があるなか、釣りが持続可能である可能性は低いでしょう。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>


