昔の投げ竿とリールを現役で使う「レトロタックル」のキス釣り。今回は「2回連続で素バリなら数十m移動」というルールを設け、紀の川河口を広範囲に探索。約6時間で19cmまでのキス34匹を手にした。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・牧野博)
レトロタックルで数釣りに挑戦
前回のレポートでは、レトロタックルを使った投げ釣りでも、竿とリールの合計重量を数十g軽くするだけで、振り切りやすさや魚信感度が体感できるレベルで向上することを報告した。
そこで今回は、同じタックルを使いながら実釣時間を少し延長。さらに釣り方にもひと工夫加え、釣果をどこまで伸ばせるかチャレンジしてみた。
レトロロッド&リール
竿とリールの組み合わせは前回と変わらない。竿は「櫻日本特作金剛」の4.2m、リールは「チタノスエアロGT6000」である。
ラインはPE0.6号または0.8号にPE力糸。オモリは23号からスタートし、終盤には26号を使用した。仕掛けも基本的には前回と同じで、モトス2号、ハリス0.8号、ハリはクリンチキス6号。今回は釣果アップを狙い、いつもよりハリを1本増やした5本バリ仕掛けとした。
今回のタックル(提供:TSURINEWSライター・牧野博)2回素バリなら移動をルールに
TSURINEWSに掲載されているさまざまな投げ釣りの釣行記を見ていると、砂浜などで数を伸ばしているアングラーは、多点バリの仕掛けを自在に操るだけでなく、小規模な横移動をこまめに繰り返していることが分かる。そこで今回は、ポイント全体を広く探ることを意識した。
同じ場所からでも投げる方向や距離を少しずつ変えながら探り、2回連続で素バリを引いたら、必ず左右へ数十m移動することを自分のルールとした。少々体力勝負にはなるが、この釣り方を終了まで続けて、釣果がどう変わるか試してみる。
紀の川河口で投げ釣り
9月20日、前回と同じ紀の川河口右岸へ釣行した。今回は正午過ぎからスタート。上げ潮回りだったため、護岸のかなり下流側から探っていく。
キスにへダイがヒット
第1投を3色ゾーンへ投入すると、早速キスの魚信が出た。そのまま1色ほどゆっくり探ったところで、今度はいきなりひったくるような大きな魚信。リーリングしてみると、12cmと17cmのキスが2点。そして一番先のハリには18cmのヘダイが付いていた。
ひったくるような魚信の正体は、このヘダイだった。雨後の紀の川河口ではヘダイの活性が高い場面に遭遇することがあり、この日も避けて釣るのは難しそうだ。
同じポイントで数投してキスを追加した後、上流方向へ少し移動する。そこでも突然のヘダイの来襲に悩まされながら、キスを追加していった。
近場は小型で沖はへダイ
開始から約2時間。キスの数だけなら、この時点ですでに前回とほぼ同数まで伸ばすことができた。
釣れるキスの多くは、今年生まれたデキギスが少し大きくなったサイズ。中には6~7cmのミニサイズも交じるため、ハリを飲んでいなければリリースした。2~3色の近場では、どうしてもミニサイズが多い。
そこで4~5色付近でアタリを取るようにすると、心持ちサイズアップしたものの、今度はヘダイの来襲に遭う。キスを探す距離によって、釣れてくる魚にも違いが見られた。
ヒイラギ連発で再び移動
移動を繰り返しながら、紀の川河口大橋の上流側も探ってみた。このエリアは5~6月の早期には比較的型の良いキスが釣れた経験があるため、サイズアップを狙ったのだ。ところが今回は、ヒイラギ祭りに遭遇。
3~4投したところで見切りをつけ、再び橋の下流側へ移動した。そして最初に釣った場所へ向かって少しずつ移動しながら、キスの数を伸ばしていく。すると、最初に入ったポイントよりさらに下流側で、キスの魚影が濃い場所を見つけることができた。
活性が高い日は移動が効いた
この日はキスを含め、魚全体の活性が高い状態だった。こういう日は、一カ所で粘るよりも少しずつ移動しながらキスとの遭遇回数を増やす方が、筆者には効率良く感じられた。
特に外道ばかりが掛かる場所では、早めに移動することで仕掛けの消耗も抑えられる。反対に、低水温期など魚の活性が低いときは話が変わってくる。
難しいキス釣りが楽しい!
実は筆者、このような難しい状況でのキス釣りが非常に好きなのである。そんなときは、まず移動しながら1匹でもキスが釣れる場所を探し当てる。そして居場所を見つけたら大きく移動せず、投げる方向を少しずつ変えたり、より遠投したりして、キスとの遭遇チャンスを高めながらじわじわ数を伸ばす。
活性が高いときと低いときでは、同じ投げ釣りでもポイントの探り方を変える必要があると考えている。
6時間でキス34匹手中
夕方6時に実釣終了。最終釣果は19cmまでのキス34匹と、15~20cmのヘダイ8匹だった。リリースしたミニサイズのキスまで含めれば、キスは40匹近く掛けたことになる。今回は「2回連続で素バリなら移動」というルールを最後まで続けたことで、キスが濃いポイントを新たに見つけることもできた。
軽量化したレトロタックルを使ってキャストと移動を繰り返し、約6時間の実釣。前回から一歩進んで、レトロタックルをしっかり使い込むことができた一日だった。
今回の釣果(提供:TSURINEWSライター・牧野博)晩秋以降のキスにも期待
筆者のこれまでの経験では、紀の川河口では10月いっぱい頃まで同じようなキス釣りを楽しめることが多い。11月ごろになると、ここからさらに3~4km上流付近でハゼをミャク釣りしていると、ピンギスが結構交じるようになる。
そんな時期には河口部の投げ釣りでも数がまとまることがあり、秋口より型が良くなっている場合もあるので面白い。年によってムラはあるものの、冬場でも数釣りができることがある。これから水温の変化を見ながら、レトロタックルで晩秋から冬のキスも追いかけてみたい。
<牧野博/TSURINEWSライター>
紀ノ川






