今シーズン、イワシパターンで早くから賑わっていた明石沖に、タチウオパターン開幕の便りが届いた。期待を胸にジギングへ出掛けると、朝イチに良型メジロをキャッチ。しかし、その後は何を試してもアタリが遠い。最後に頼ったのは、隣でブリを連発するアングラーの釣り方だった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)
タチウオパターンのブリジギング
9月18日、タチウオパターンが始まったとの便りを聞き、魚英さんを訪れた。4時半に受付を済ませ、5号艇の右舷トモから2番目に乗り込んでタックルをセットする。PEライン1.5号・リーダー8号と、PEライン2号・リーダー10号を組んだベイト2本、スピニング2本の計4タックルを持ち込んだ。
魚英5号艇は大型船で、平日ということもあり釣り座はゆったりしていた。
船長からマイクで直近の状況と当日のプランが伝えられる。前日にはメーター超のブリが仕留められており、ベイトはやはりタチウオとのこと。2年ぶりとなるタチウオパターンへの期待と不安で、落ち着かないまま河岸払いとなった。
「ジグの墓場」小磯の激流でスタート
予定通り、船は明石海峡大橋の下をくぐる。しょっぱなから小磯の激流アタックとなった。
明石海峡大橋(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)小磯とは、明石寄りの橋脚の東側にある瀬のこと。急激に立ち上がる瀬を激流の中で攻めるため、一瞬の油断が根掛かりを招く。通称「ジグの墓場」と呼ばれる、明石きってのポイントである。こりゃ~、2~3本の奉納は覚悟せずにはいられない。
ボトムは取りやすい
朝イチは3ノットの東流れ(大阪方面)との予測だったので、240gのシルバー系セミロングジグを船長の合図で投入した。
明石海峡大橋の下をくぐる(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)2年ぶりの小磯アタックで着底が取れるか不安だったが、難なくボトムタッチに成功。すぐにクラッチを返し、ワンピッチで様子をうかがう。ジャークの重さやフォールの長さなどを確認しながら7mほど探り、再びフォールさせてボトムタッチ。船長からは3.5ノットほど流れているとアナウンスがあったが、速さの割にボトムは分かりやすい。
喰い上げのアタリで良型メジロ
ワンピッチでジグを立ち上げ、フォールを入れる。ジグが落ち切った瞬間にジャークすると、妙な感触を残して重さが消えた。え、切られた!?
ポイントに朝日が(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)喰い上げヒット
巻き出すと重みが乗る。喰い上げだ!さらに巻き込んでロッドを曲げ、フッキングでドン。これこれ、タチウオパターン独特のバイトの出方に気持ちええ~。ファイト開始だ。
メジロだろうとゴリゴリ巻いていたら反転され、ドラグ音が響く。久しぶりの青物ジギングだったので設定が甘かったのかと1クリック強めても、なおラインを引き出す。ロッドを通して伝わる重量感と首振りの大きさから、良型と思われる。PEライン1.5号・リーダー8号なので、多少の無理は効く。
良型メジロ登場!
魚が止まった瞬間にプレッシャーを与え、頭を上に向かせたままゴリゴリと浮かせる。やがて姿を見せた魚をネットイン。無事キャッチしたのは、良型のメジロだった。
「明石ジギングシンドローム」
次の流しでも船中ではバタバタと数匹が上がり、これは良い日になりそうな予感。しかし、3流し目はバイトを捉えたものの、ズルッとジグが口から出る感覚があり、フッキングミス。
その後はバイトを捉えられなくなった。周りではポツポツとメジロやサワラが上がっているが、私には穏やかな時間が過ぎる。明石の闇が口を開ける……。個人的には、これを「明石ジギングシンドローム」と呼んでおります。
魚探には魚がいっぱい映っているようで、船長から檄が飛ぶ。船中ではバイトがポツリポツリとあるものの、バラシも多い。サワラによるラインブレイクもあれば、大型魚を掛けても船に上がらない場面も。やがてバイトが散漫となり、ポイント移動となった。
クチノセでジグを替えるも迷走
次は大阪方面に移動した、クチノセと呼ばれる砂底のポイント。青物はもちろん、サワラも多い好きなポイントである。多少なりとも自信を持っているポイントだったのですが……。
水深は50m前後で、砂底のため根掛かりはほとんどない。だんだんと潮が緩む時間だったので、少々重いかと思いつつリアフックを装着し、240gのシルバージグを投入した。
スムーズに着底したので、ジャーク&フォールで魅せる。遊泳力の弱い小型タチウオが潮に流されている状況をジグで演出したが、当たらない。青物の時合いではないのか!?
周りのアングラーがブレードジギングでサワラを仕留めると、ブレードタックルに持ち替えて狙うが、当たらない。釣り上げられたサワラがイワシを吐いたと聞き、ショートジグでジギングをするも当たらない。ブレブレでアカン、迷走だ。
タチウオパターンは一筋縄ではいかない
メタルジグで魚を釣るジギングには、その時のエサに合わせてさまざまなパターンがある。秋~冬のタチウオパターンが有名だが、夏のイワシパターンや春のイカナゴパターンもある。さらに、チャリコやベラなどの小魚を捕食しているパターンや、イカパターンまである。
ベイトにはイワシも(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)パターンは無限
特にタチウオパターンは、一言では言い表せないほど複雑だと思っている。シルバーのロングジグを投入すれば良いわけでは、決してない。ジャークスピード、スライド幅、フォール姿勢とスピード…………。もちろんジグの形状など、組み合わせのパターンは無限と言っていいだろう。
アングラーはそれを理解しつつも、己が得意なパターンを展開するのだと思う。久しぶりに来ると、その己がパターンですら信じられなくなり、”沼”にハマる。その結果、ジグをとっかえひっかえ…………。今思うと笑えるが、この時点の私は迷子なのでした。
潮止まりにブレードジグでサワラを確保
追加どころかバイトすら捉えられないまま潮止まりを迎えた。
潮が緩んだタイミングでブレードタックルに持ち替え、遠投からの早巻きでサワラを狙う。80gのタングステンジグにブレードを装着してキャスト。ボトムから全速で巻き続ける。10m巻いたところで手応えがあったが、フッキングが決まらなかった。ベールを返してラインを送り、再びボトムタッチから巻き出す。すると「上げて~」と船長。
回収でヤナギがヒット
巻きスピードをさらに上げた瞬間、ドラグが悲鳴を上げる。ヒット!ドラグを滑らせながらそのまま巻き続け、十分に重みが乗ったところでフッキング。難なくキャッチしたのは、サワラと呼ぶには恥ずかしいヤナギだった。
ヤナギとは、サゴシとサワラの中間サイズを指す明石辺りの地方名である。それでも体高があって旨そうな魚。次に期待したが、ブレードジギングでも次のバイトはなかった。
隣の釣り人にブリ3連発!
納竿時間が差し迫った11時過ぎ。周りではサワラやブリが仕留められるが、蚊帳の外感がすさまじい。それでも潮が動き出したので、チャンスありと感じていた時、右隣のアングラーにバイト。安定したファイトの末に浮いたのはブリ。その後もヒットは続き、なんと90cm超を含む3連発!凄すぎる。
ミヨシではメーター超も出た。船中では特定のアングラーが連発しているので、パターンが合っている人が釣れるのだと思う。船長のアナウンスでは、ご当地ジグ「チョロコー」でのヒットが多いらしい。
ご当地ジグのチョロコー(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)このまま指をくわえたまま終わるわけにはいかんので、真似る。学ぶの語源は真似るにあるのだ。ジギングはシンキング・ゲームなのです。
釣る人のルアーセッティングと誘いを真似る
3連発のアングラーに合わせてスピニングタックルに持ち替え、ジグのサイズを合わせる。リアフックを付けておられなかったので、こちらも外した。
一見、抵抗になりそうなリアフックだが、状況次第ではウイングのような役目を果たし、スライド幅が伸びることがある。ジグを飛ばしたくない時は、リアフックがない方が良いことを思い出す。
隣のアングラーは、柔らかめのロッドで角のないワンピッチをしておられた。ジグを飛ばさずにニュルニュルと誘い上げ、食わせるのはスーッと引き上げるような間だと分析しました…………知らんけど。
私のロッドでは張りが強すぎるので、反発力を弱めるためにティップを下げてワンピッチ。ロッドで引き上げるとジグが飛ぶので、食わせの間はリーリングで調整する。
これでヒットしなかったら、明石ジギングシンドロームの再発が決定だ。
最終流しで85cmブリをキャッチ!
最終流し。祈るような気持ちで誘い続けていると、フワッとジグの重みが消えた。とっさにロッドをあおると一瞬の重みを感じたが、抜けた。喰い上げてやがる。リールを巻き込んで2発、3発とフッキングを入れると、ドラグが滑る。
滑り込みでブリキャッチ(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)安堵感に満たされながら引きを楽しみ、キャッチしたのは85cmのブリだった。このタイミングでもミヨシの常連さんは強烈なファイトを展開し、2匹目のメーター超をキャッチした。
ブリとヒットジグ(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)明石のタチウオパターンに再挑戦したい
メジロとブリ、旨そうなヤナギがあれば十分なのですが、達成感に満たされないのは周りが凄すぎたから。ブリ3連発やメーター超連発とか、サワラ8本とか…………。どんだけ~!?
当日の釣果(提供:TSURINEWSライター・田中こうじ)こんな日ばかりではないですが、今シーズンの明石は楽しそうです。再戦は来月かな~。
<田中こうじ/TSURINEWSライター>




