日本人の大好物ながら、資源量減少が著しいアナゴ。最近は「代用魚」がメジャーになってきています。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
減り続けるアナゴ資源
我々日本人が好きな魚のひとつアナゴ。国民的アニメのキャラの名前になるほど知名度が高く、日常的に食べられている人気の魚です。
アナゴ(提供:PhotoAC)しかしそんなアナゴの値段は年々高騰し続けており、ここ数年はもはや大衆魚とは呼べない状態になっています。その理由は資源量減少。
アナゴの主要産地である大阪湾、伊勢湾、瀬戸内海ではいずれも漁獲量が右肩下がりとなっており、地域によっては10年前の数分の1しか獲れていないようなところもあります。乱獲や沿岸環境の変化などが原因とされていますが、はっきりしたことはわかっていません。
アナゴの代用品たちとその味わい
資源量は減少しつつも、その需要は減っていないアナゴ。そのギャップを埋めているのが「代用魚」です。
現在、アナゴの代用魚としてもっとも親しまれているのが、ホラアナゴやイラコアナゴなどの「深海性のアナゴ」です。真っ黒で口が大きく裂けた見た目はアナゴとは似ても似つかないですが、身質や味はよく似ており、知らないうちに口にしていることも多いでしょう。
代用アナゴ寿司(提供:PhotoAC)ほかにも「ウミヘビ」の仲間がアナゴの代用として使われることがあります。ウミヘビと聞くとギョッとする人もいるでしょうが、ヘビとついてもいわゆる爬虫類のヘビではなく、アナゴと同じ「ウナギ目」に含まれる魚類の一種となっています。
ペルーのウミヘビ
そんな「ウミヘビ界のアナゴそっくりさん」の代表が「マルアナゴ」です。アナゴとついていますがウナギ目アナゴ科ではなくウナギ目ウミヘビ科に属しています。
ウミヘビ類はたいてい小骨が硬くて食べづらいですが、マルアナゴのそれは細くて口にさほど障らず、脂の乗った身は柔らかく、いろいろな点でアナゴに似ています。加工品の煮あなごの原料として扱われることが多く、昔は「アナゴ」として売られていましたが、最近はちゃんと「まるあなご」と表記して売られています。
本家?代用?(提供:PhotoAC)さて、このマルアナゴという魚は日本近海には生息しておらず、太平洋の反対側、南米ペルー沖で漁獲されたものを輸入しています。我が国が国外から魚貝類を輸入すると、モロッコのタコやヨーロッパのウナギのように現地での乱獲問題に発展してしまうことがありますが、この魚についてはその問題はないのでしょうか。
持続可能と認められた漁業
ありがたいことに、そこに気をもむ必要はなさそうです。というのも先日、ペルーでマルアナゴ漁を行う日本企業の子会社が、同国では初となる「MSC認証」を取得しました。これは「持続可能と認められた漁業」に与えられる国際的な認証であり、我が国でマルアナゴを今後も安心して食べ続けられる可能性が高くなったと言えるのです。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>

