苦労してやってきた山奥のポイント。準備を万全にし、流れを読んで仕掛けを流したら、待望のアタリが出て……取り逃してしまった、という経験は無いだろうか。警戒心が高い渓魚を相手取る渓流エサ釣りでは、どれほどの名手であってもノーミスという訳にはいかず、時にこういった事も起こりえるものだ。今回は、アタリを取り逃してしまった「その次に取るべき行動」にフォーカスしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
アタリを逃した原因を探る
まずは「何故アタリを取り逃してしまったのか」という理由を知っておく必要がある。順にみていこう。
油断
単純な話で、予想外の所でアタリが出た、明確な反応が出るまでアタリに気付かなかった……等、自信の油断によるもの・想定不足であれば、改善の余地がある。まずはどのような場所でアタリが出やすいか、といった事を詳しく知っておきたいところだ。
そして集中力切れも大きな要因と言える。正直なところ、こちらの解決策は睡眠をしっかりとることぐらい。釣行前はしっかり寝られるように、スケジュール管理を行いたいところだ。
アワセミス
アワセの方向や強度等、アワセ方そのものをしっかりと知っておくべきだろう。その上で、掛かったか否かを判断基準とし、次に取るべき行動を考える。よほど魚影が濃い場所か、特殊な条件が重ならない限り、一度針掛かりした(バラした)渓魚が再度食ってくる確率は極端に低い。さらに周囲の魚にも警戒心を与えてしまっているので、掛けバラシなら2~3投して移動するのが最善と言える。
仕掛けのトラブル
ラインブレイク、折れ・軸伸びといった針に関連するトラブル、周囲の障害物への衝突など。これらは事前の準備で回避する事が可能だし、再発しないようにしっかりとチェックするといった心がけが必要だ。
渓流釣りの針は細い(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)次の行動は?
上記のような原因が分かれば、次に取るべき行動が自ずと見えてくる。仕掛けトラブルの場合は改善するのが初手となるし、アワセミスであれば次に備えてシミュレーションをしておく。その上で、その場所で粘るのか、次の場所に行くのかという選択肢を考える、という流れだ。
次に取るべき行動を決定
では実際に、「次に取るべき行動」を見ていこう。
物理的な問題を改善
仕掛けトラブルなら、まずは仕掛けを改善する。必要であれば交換するケースもあるだろう。でなければ、次のポイントでも同じミスが起こりえるからだ。自身の立ち位置についても同様で、確実にアワセを入れられる場所から仕掛けを流すべきと言えるだろう。
同じエリアで釣る
仕掛けのトラブルが無く、かつ針掛かりしていない場合はセカンドチャンスが見込めるので、少しだけ粘ってみよう。ただし、同じ流し方だけでなく、様々な手練手管を使用する必要があるので、次の項で紹介する。
移動する
明確に掛けてバラしてしまった場合と、河原でバシャバシャやってしまった……というような「警戒心を与える行為」に心当たりがある場合は、さっさと次の場所へ移動した方が無難だ。ただでさえ警戒心が強い渓魚にとって、これらのトラブルは実質「そのポイントがダメになる」ものと捉えてほしい。
次回釣行時に再訪
実はここがベテラン勢の釣果のキモだったりする。渓魚は比較的同じ場所に着く事が多いのだが、これはその場所が渓魚達にとって「居心地がいい」という何よりの証拠だ。経験者の方が良い釣果を得ているのは、「アタリが出る場所」をしっかり記憶している、というのも大きいのだ。
5釣行続けて同じ場所で良型(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)アワセミスをした後の流し方
ここからは、具体的な「行動」について紹介していく。先述したように、一瞬でも掛かった場合は念のため数投してみて、反応が無いなら次のポイントに行くのが基本だ。この項では、掛からなかった時の対処法をみていく。
同じ流し方を試す
まずはヒットした時と同じ流し方を再度試してみよう。活性が高い場合は、これだけで食ってくることも多い。反応が無ければ次の行動に移ろう。
場所をずらす
渓魚の場合、先ほどアタリが出た場所からほんの数m程度、定位場所がズレることが多い。少し下流に移動したと想定して、やや長めに流してみると効果があったりする。もしくは、少し上流に移動したと想定して、投入場所を数m上流側にずらしてから周囲を探ると良いだろう。
狙う場所をずらすと良い(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)深さをずらす
渓流は1mズレると水深が大きく変わるという特殊なフィールドだ。オモリを重くする・軽くする事により、流す深さ(タナ)を変えられるので、試してみる価値ありだ。こういった時は「底流れ」に縛られ過ぎるのも良くない。そもそも底流れ=深さ50cm、等と決まっているわけでは無い……という発想が大切だ。
違う筋から同じ場所へ
よく流れを観察すると、アタリが出た場所へ到達する流れが一筋のみではないケースがある。この場合は、「同じ場所に違う流れ方をして、エサが侵入した」という状況を演出すると大変効果がある。オモリワークにより、深さにも変化を加えたいところだ。
エサを変更
ブドウムシで流していたならクロカワムシに変更、次にヒラタ……というように、エサのローテーションは効果が高い。特に「シルエットを変える」事が有効だと著者は感じている。極端な話、1匹掛けだったヒラタを2匹掛けにするだけでアタリが出た、といった事もある。また、食い込みの良い柔らかいエサに変更するのも良いだろう。
エサのシルエットは大きな要素(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)仕掛けトラブルの場合
最後に、仕掛けトラブルによりアタリを取り逃した場合にフォーカスしていく。
ラインチェック
渓流エサ釣りはライン(水中糸)が極細なので、ラインブレイクなら仕掛けを交換するのが最も確実だ。切れていない場合は、根ズレやオモリ着脱によるダメージ、渓魚の歯が当たった事による劣化などをしっかりチェックしておこう。
針チェック
針が折れているなら当然交換だ。また、軸が伸びていないか、曲がっていないかを確認し、さらに針先が鈍っていないかどうかも確認しておく必要がある。また、チモト部は大変デリケートなので、一度アタリが出たら必ずチェックするというクセを付けておきたい
チモトはダメージに注意(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)障害物チェック
もし竿が木にぶつかってアワセを失敗してしまったなら、頭上にある木に竿が衝突しないような立ち位置を探そう。もしくは3WAYズームを活用し、竿を短くする事で回避できる場合もある。この場合、仕掛けの長さも調節する必要がある事を加筆しておきたい。
やれるだけの事をやって確率アップを!
正直な事をお話すると、著者自身も未だにアタリを取り逃したり、バラしてしまう事が1回の釣行で2~3回ある。その内訳は、睡眠不足や遡行疲れによる集中力切れが最も多く、次いで「ここで来るのか!?」という想定不足、ライン劣化によるラインブレイクが挙げられる。だが、野球で例えると「どれだけ良い打者でも3割半ばの打率」というように、100%というのは不可能に近い。
だからこそ、今回紹介したような内容を実践する事で、渓流エサ釣りの場合は100%に近い状態に近づけることが可能となる。自身の原因をしっかりと分析して対策を立て、より良い釣果を目指してほしい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>





