回転寿司では多様な魚介類を食べることができます。提供されるネタの中には外国産のものも多くあり、流通や冷蔵技術が発達したことによりそれらも高鮮度で日本で食べることが可能になりました。「アイスランドガイ」もそのひとつです。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
アイスランドガイとは
アイスランドガイ(Arctica islandica)とはマルスダレガイ目に分類される二枚貝で、分類学の父であるリンネにより記載されました。殻は黒っぽく大きさは13センチ程度で英語ではOcean quahogと呼ばれています。
本種は北太平洋と北極圏の浅海から深場にかけて分布、水温1~18度を好み、水深10~280mに分布するそうです。
日本では大手回転寿司店「スシロー」が9月上旬~中旬にかけて提供したことで話題になりました。
アイスランドガイは日本にはいないものの、マルスダレガイ目にはバカガイやシジミ、ハマグリなど数え切れないほどの重要な食用貝を含みます。
世界一長寿の二枚貝?
アイスランドガイは現地では食用二枚貝として重宝されており、クラムチャウダーにも使用されているようです。
本種は水産上重要な種であるだけでなく、成長の遅い二枚貝として知られる他、世界で最も長寿の二枚貝としても知られています。過去に行われた研究によるとその年齢はなんと500歳以上だったそうです。
500年前ともなると明が存在していた時代であり、これに因み研究に使用されたアイスランドガイは明(ミン)という名が付けられました。
日本でアイスランドガイが食べられる
北の海に生息するアイスランドガイですが、カナダの「クリアウォーター社」と日本の「グルメグローバル社」により寿司ネタ用のアイスランドガイの開発に成功。日本にも食用として輸入されており、今年9月上旬から中旬にかけて株式会社あきんどスシローが運営する回転寿司店「スシロー」で限定で提供されました。
グルメグローバル社は本種が長寿であることに因み「長寿貝」と名付け、寿司ネタの他、総菜用としても売り込みをしているのだとか。今後、日本でも一般的な二枚貝になっていくかもしれませんね。
参考
(回転ずしに出現、新種のネタ「アイスランドガイ」とは何か?-Yahoo!ニュース)
<サカナト編集部>