どこからともなく甘い香り、金木犀の時期だ。この香りを感じると海に行きたくなる。秋を感じるべくして和歌山県那智勝浦へ出かけた。狙いはキンメとウメイロだが、前日の大雨の影響はどっちに転ぶのか。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター田中こうじ)
天秤カゴ釣りへ転戦
移動中、タックルを用意していると串本方面に雨雲……。どう考えても雲の下がポイント。さっきまでの晴天は一瞬にして本降りとなった。ポイントは梶取崎の沖、水深50mの瀬。中層にベッタリと反応が映っているらしい。ただし、ムロアジも多くいるようだ。
2週間前は、ムロと小型スマのエサ取りが酷くて釣りにならなかったが、さてどうだろうか。釣れれば雨など気にならないが……。
低活性に苦戦
2本針にオキアミを刺し、カゴにもオキアミを詰めて投入したが、心配したムロは大人しく、小型スマは姿を消していた。船の下15mから海底まで魚はびっしりといるようだが、さしエサは残りっぱなし……。水温は、ウメイロを狙うには申し分のない25度だが、下がりっ鼻で極端に食い渋っている。おまけに雨の影響だろう二枚潮が酷くて、あっという間に瀬を通り過ぎてしまう。
イサキが顔出し
良丸船長が何度も潮上に上ってくれたので、瀬にマキエが効き出しアタリがあってイサギがロッドを絞る。産卵から少し回復した個体が多かった。そんな中、真横に引っ手繰る強烈なアタリ。ドラグ音を鳴らしながら浮いてきたのは、良型のスマ。よしやった!最高のお土産と思ったのが悪かった。慎重に行き過ぎて2人とオマツリ。スマは胸元のホクロを見せつけてお帰りになられた……トホホッ。
本命ウメイロ登場
その次は真下に突っ込むアタリが出たが針ハズレ。今のはウメイロのアタリだと思ったので、尾長に行きませんかと促す船長にもう1流しをお願いして、やっとウメイロを仕留めることができた。苦労したウメイロはことさら旨そうだ。次に行った尾長とアジのポイントでは反応はあるが、ご機嫌斜めで姿を見せてくれず。口太40cmとレンコダイが釣れただけで厳しい状況は続くが、なんだかんだとクーラーは埋まっていく。
50cm超えシオが登場
どこに行っても二枚潮が酷くて釣りづらく、ポイントを転々とするが駄目なものはダメ。苦しんでいる内に雨は上がったが、時刻は11時を回って最後のポイント。ここはシオ(小型カンパチ)が出るよと船長が言ったと同時にロッドが絞り込まれてドラグ音がする。
またスマが食ったのかと思ったが、底へ底へ締め込む。この引きはシオだろう。あまり走らせすぎると根に巻かれるので、ドラグを締めて反撃開始。何度もロッドを締め込んで楽しませてくれたのは、秋の使者であるシオで50cmを軽く超えている。
ジギングでオオモンハタにシオ
このシオを見て2人はジギングタックルを出す。南紀の秋にはシオが回遊する。エサ取りが酷くて釣りにならなければジグでシオを狙おうとライトジギングタックルを準備していたのです。
エサも取られないような状況にジグでは無理だろうとロッドを出さなかったが、直ぐにSさんのロッドが絞り込まれて良型オオモンハタのダブル。Nさんは早巻きでシオをキャッチ。2人には遅れたが、私もジグでシオをキャッチ。スピニングを全速で巻いてフッと止めた時にガツンと引っ手繰るシオの引きを楽しんだ。
多彩な最終釣果に
納竿前の30分で3人とも旬のシオをキャッチ。終わってみれば、3人で(リリース含む)十五目釣りでお土産は十分すぎるほどでした。
今後の展望
キンメ、クロムツは通年狙えるしアカムツも釣れます。天秤カゴフカセは、ウメイロは終盤だが40cmを超える大型アジが釣れだします。
アマダイやオニカサゴも狙えるので、船長に相談すれば旬の美味しい魚を狙いに連れて行ってくれますよ。いかがですか。
<田中こうじ/TSURINEWSライター>