天ビンエサ釣りを解説
エサ釣りは(1)天ビンに吹き流し仕掛けでサバやコノシロエサ、(2)専用テンヤにイワシをくくり付け、食いにきたところを掛ける。それと(3)ルアー(ジギング)を使った釣りがある。それぞれ独特な釣趣があり、どちらも面白く、虜になるアングラーは多い。
ここではビギナーからベテランまで楽しめる天ビンを使うエサ釣りについて解説する。
タックル
竿は8:2、7:3調子のオモリ負荷30~80号のゲームロッド。長さは2m前後がお勧め。リールは、浅場を釣るなら小型両軸でもいいが、秋口~冬季にかけては、水深70~80mの中深場を釣ることも多くなる。小型電動のほうが楽で手返しもいい。
ミチイトはPEライン1.5~2号を300m巻いておけば、高切れしたときにも安心。リーダーとしてフロロ8カーボンライン号を1m接続する。
仕掛け
天ビンは1.6~1.8mm径35~40cm。浅場から中深場まで釣る場合は、オモリ40~80号を船長の指示で使い分ける。あらかじめ、船宿に確認しておくといい。
ハリは、タチウオ専用に限る。魚の大きさに合わせて、1/0~3/0号を使うが、エサのズレ防止になるケン付きを選ぶこと。
エサと装餌方法
船でサバ、またはコノシロの短冊エサが配られる。エサの付け方によって食いが変わるので、あせらずていねいに付けること。
ハサミで端を水平に切り揃え、その端から2、3mmの中央にハリ先を刺す。皮側からハリ先を通したら身から皮側へと差し返し、ここでハリ軸の上へとこき上げ、皮から身側へと差し返して装餌完了。曲げて付けてしまうと、水中でエサがクルクル回転し、ハリスにヨレがかかり、魚の食いが極端に悪くなる。中央線に沿ってまっすぐになるようていねいに付ける。
タナ取りと誘い
ポイントに着いて投入OKの合図が出たら、エサを付けたハリスを流し入れ、一方の手でオモリを持ち、竿の弾力を生かして天ビン、オモリを前方へ軽く振り込む。
フリーにしたリールスプールに親指の腹を軽く押しあててブレーキをかけながら、ミチイトの色分けとマーカーを確認しながら指示ダナ下限へ。ただし、指示ダナから下へは落とさないこと。
ここからアタリを出すための誘いに入る。付けエサを小魚に見立ててスイープにシャクり上げ、リールを4分の1ないし2分の1巻きながら竿先を下げ、小刻みにシャクり上げる。これを連続的に繰り返し、上ダナまでの範囲を丹念に探る。
電動なら微速巻きでONし、竿先のみをチョンチョンとシャクる省エネ釣法も一手。
アタリとアワセ
タチウオは気まぐれで捕食が下手なので、潮流によってはアタリの出方がかなり異なる。なかなかアタリが訪れない場合には、シャクリ幅や速さを変えてみたり。シャクリの間にポーズを入れるなどいろいろ試し、いち早くアタリが出る誘いを見つけること。
また、タチウオは一気に食うことはまれで、前アタリはわずかにコツっときたり、モタレを感じるのみだったりと、あのいかつい顔にはまったくそぐわない微細なものが多い。
前アタリを捉え、即アワセしてもハリ掛かりすることはほとんどない。アタリが出ても同様のペースで誘い続け、グッと重みが加わる食い込みのシグナルが出たらすかさずアワせる。
アワセを入れて掛からなくても、即巻き上げはせずに誘い続けてみる。エサが残っていれば再度アタックしてくることがあるからだ。
指示ダナの上まで誘い続けてもアタリがなければ、再度タナ下限まで落として同様に誘う。
ハリ掛かりしたら中速より少し速いスピードで巻き上げ。途中、何回も訪れる引き込みに対応し、事前にリールのスプールがストップする程度にドラグ調整をしておくと安心。
取り込みとハリ外し
海面下に天ビンが見えてきたら竿を立てながら引き寄せ、まず天ビンとオモリを取り込んで竿を置く。両手でハリスを手繰り、魚に近いところを掴んで船内へ一気に抜き上げる。
タチウオの歯はかなり鋭く、手を触れただけでもスパッと切れるので要注意。首の付近をしっかりと握り、ペンチを使ってハリを外す。取り込んだ魚はすぐに氷の効いたクーラーへ入れるといい。
調理
レシピは代表的な塩焼きのみならず、刺し身や天ぷら、蒲焼きとムニエル、カルパッチョに南蛮漬け……と数多くあり、どれもが絶品。三枚におろしてラップに包めば冷凍保存も可能。
<週刊つりニュース関東版APC・大村隆/TSURINEWS編>
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