ここ数年だが、東京湾に注ぐ小河川で南方系の魚が釣れ出している。それだけ水温が高い証拠だが、その中でも代表的な魚といったら「カライワシ」だ。毎年釣れるたびに記事にしているが、今年もついに千葉の河川に群れがやってきた。シーズン的に少し早いのでまだそれほど釣れないが、この魚の魅力は数が釣れることではない。超大型サイズが釣れることだ。と、いっても40cmクラスだが、引きも抜群でシーバスにはない魅力がある。そんなカライワシフィッシングの世界を少しのぞいてみよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮坂剛志)
良型カライワシも釣れる
この魚はいわゆるフィッシュイーターだ。知らないし見たこともないという方も多いと思うので、少し触れてみよう。
この魚は本来、熱帯や亜熱帯地域の浅い海に生息する魚で、筆者が地元千葉の小河川で初めてこの魚を確認したのが、今から4年前の2020年だ。おそらくそれ以前から東京湾内に入りこんでいたと思われるが、不思議と身近に釣れる魚ではなかった。しかし、今では数年前より確実に個体数を増やし、場所によっては入れ食いもある。
基本は群れで行動し、中には40cmを超えるビッグサイズまでいる。良型は引きも強く、陸っぱりからはめったに釣れないので、最高のゲームフィッシュといえる。中、小型サイズは数釣れるので面白いが、やはりこの良型サイズを狙ってみたい。
良型カライワシの釣り方とルアー
まず釣り方だが、サイズを狙うならやっぱり夜、ナイトゲームが面白い。普通のカライワシは昼間関係なく、小型(5~7cm)クラスのルアーに反応がいい。フローティングミノーやバイブレーション、またはワームなどが有効だ。しかし、大型になるとそこまで簡単には釣れない。
まず、バイブレーションにはほとんど反応しなくなるし、何より1番重要なのは「ルアーを動かす速度だ」早すぎても遅過ぎても食わないし、速度が合わないと先に小型が食ってしまう。
筆者が40cmクラスのカライワシを釣った時は、フローティングミノーをとにかくゆっくり巻いた。レンジも表層より少し下を竿を立てながらテロテロと巻いていたら、いきなりガツン!と強烈なアタリが伝わってきた。釣り上げた時は、まるでタチウオのようなその大きさに驚いたものだ。
しかし、それ以後は同じレンジを同じように釣ってもこのサイズは出なかった。個体数が少ないのもあるが、良型を釣るのはかなり難しいと感じた。
狙うポイントと地形
カライワシはとにかく浅い場所に群れを作って、ベイトの小魚やエビ、カニなどを食べている。障害物周りや排水溝周りもポイントになるが、地形的に変化(ブレイクなど)のある場所も見逃せない。
特にサイズが良くなると、この変化のある場所を狙うと釣れる確率も高くなる。特に浅い場所と障害物が絡む根掛かり率の高い場所は、釣りにくいが絶好のポイントだ。
おすすめタックル
陸っぱりからのカライワシはライトタックルで狙うのが断然おすすめだ。30~40cmクラスになると、フッコサイズのシーバスより引きは強烈だったりするので、この引きを味わうならライトタックルだ。ロッドも7ft、場所によっては6ftでもいける。もちろん、コンパクトなパックロッドでも大丈夫だ。おすすめは、M(ミディアム)かML(ミディアムライト)の硬さが使いやすい。
リールも2500番~3000番クラスで十分対応できる。ラインもPEラインの1~1.2号を使い、リーダーも12lb(3号)で大丈夫。障害物や根のきつい場所を狙う場合は少し号数を上げてもいい。
40cm超えを狙うなら晩秋か
真夏の7月~8月は、まだカライワシの最盛期とはいえない。釣れても小型が多く、数釣りにはいいが、良型狙いには程遠い。やはり9月~10月、あるいは11月くらいがサイズ狙いの最もベストシーズンといえる。その季節になると、シーバスの荒食いやクロダイもベストシーズンに入るが、今年はこのカライワシを狙ってみるのも面白い。
見かけないだけで、おそらく条件が揃えばどんな河川にでもカライワシはいる。地球温暖化がもたらす新たなルアーフィッシングのターゲット、狙わない理由はもはやないはずだ。
<宮坂剛志/TSURINEWSライター>
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