朝イチの攻略法
釣り始めはほとんどの河川で言えることは、朝は活性が低く野アユは川底から浮き気味であるということ。私は個人的にはそんなイメージをして、養殖オトリを浮き気味に泳がせて、目印の反応や水中イトへの野アユの触れ方を参考に泳がせる。野アユから何らかの反応があればそこで粘る。
ここで極力避けたいのは根掛かり。活性が低いのに場所を荒らすと、さらに追いは悪くなる。そんなこともあるので、基本的に朝イチは軽いヤナギバリからスタートする。
メリットとしては、追い気の低いアユに対して尾ビレから長く掛けバリをセットできること、野アユに対してハリが深く刺さりバレが少ないこと、そしてハリ自体が軽く根掛かりが少ないことなどがある。それでも掛からないことがあるので、ハリはいろいろと持ち歩くようにしている。どんなハリでもオトリアユを泳がせていると、掛けバリはあらゆるところで先端を傷めている。ハリの点検を怠らないよう心がけよう。掛からない時こそハリ交換。
泳がせ釣りの場合、オバセを多くとると水中イトは尾ビレ付近に沈みエビ状態になる確率が上がるので、私は竿先にオトリの重さをすぐ感じる程度のオバセで泳がせたり引いたりしている。
野アユが確保できたら移動も視野に
そして早朝のスタートのモチベーションをいつまで保てるかが、釣果に影響するといっても過言ではない。型はともかく野アユが3~4尾確保できると次のポイントへの移動も考える。
石色のいいのが当然だが、常に縄張りを持ったアユがいるとは限らない。一日のうちのどこかの時間帯で石に着く。そのため、石色のいいポイントを何カ所か見つけておく。そしてそのポイントを、時間をずらして複数回釣り回るというのも効率がいい。
天然ソ上のある川では、掛かりアユが10cm以下なんてこともあるが、オトリには使う。野アユは自分より小型のアユに対しては追いがいいようだ。あまり大きいアユは、オトリにはしたくない。
元気な野アユにオトリが代われば、瀬にも入れてみる。時間の経過とともに中層を泳いでいた野アユたちも、各々の縄張りを主張して石に着く。ここからが本来のアユ釣りのだいご味になる。場所を荒らさず静かに釣り、オトリアユはポイントに直撃しないでやや下流に入れ、ポイントに入るころにはオトリは安定して泳いでいること、引かれていること基本だと考えている。
そしてハリの点検。形状を悩む前に先頭の切れ味に注意してほしい。イカリバリは1本でも傷んでいたら交換。
あとはマナーを守って、釣り人同士気持ちのいい出会いで釣りを楽しみたい。今シーズンも安全に楽しみましょう。
<週刊つりニュース関東版APC・乙戸裕之/TSURINEWS編>