エリアトラウトと言えば、皆さんはどのようなイメージを持っているだろうか。「魚が池に放流してあって初心者や女性、子どもでも楽しみやすい」、いわば初心者向けの釣りだという印象を持っている釣り人も少なくないと思う。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 戸松慶輔)
スプーンの基本とレンジ
スプーンは一定の速度で巻くだけで魚が狙える基本とも言えるルアーで、ゆっくり巻くと本体を左右に振ってアクションしながら泳いでくる。水に沈むため着水してから待つ時間を変えると、任意のレンジまで沈められる。
基本の攻め方はスプーンが着水してからカウントをしながら、スプーンがボトムに到着する時間を数えておく。ラインがふっと緩んだ瞬間が着底の合図となるので覚えておこう。
そこから着底までの時間を3分割して、表層と中層、ボトムに分ける。例えば8秒でボトムに着底するなら、着水後0~2秒で巻き始めれば表層、4秒で中層、8秒でボトム、とそれぞれ狙ったレンジが攻められるようになる。もっと細かくレンジを刻めれば状況に応じて対応が可能だが、まずはこの3つのレンジを意識して攻めてみよう。反応が出るところがヒットレンジとなる。
スプーンの巻き方とアタリの出方
スプーンの巻き方は一定のスローリトリーブが基本だ。サオ先を前に向けて、ロッドとラインが一直線になるように構えたら、スピードが変わらないようにハンドル1回転を2~4秒かけてゆっくり巻いていく。
ある程度速めの巻きで反応が出やすいときもあれば、とにかくゆっくり巻かないと反応が得られないケースもある。反応が出やすいリトリーブスピードを探していこう。
アタリが出ればハンドルを巻いている手がコツンと止められたり、イトを引っ張っていくような衝撃が出たりする。これらのアタリはヒットした後にイトを引っ張っていくために出るアタリだ。
逆に手には全く感覚が出ないアタリもある。魚がスプーンをくわえてから、横やこちら側に向かって泳いでくるようなケースで、ラインが横に動いたり不自然に緩んだりする動きが出る。そのため巻いているときには、ラインを注意して見ておこう。ラインに出るアタリが取れるようになると数を大きく伸ばせるようになってくる。
スプーンの種類と選び方
続いてスプーンの種類だが、膨大な量の製品があるため何をそろえればいいのか、非常に迷いやすいポイントの1つ。まず見るべきは、重さとカラーだ。
オールマイティに使いやすいのは0.7~2gくらいのスプーンで、それぞれの重さをカバーできるように、3種類ほどウェイトを刻んでそろえたい。例えば0.8g、1.2g、1.6gといった具合だ。
そしてカラーはそれぞれの重さで、3色まずはそろえてみよう。ゴールド、明滅、食わせの3つくらいあればひとまずなんとかなる。
ゴールド系はゴールド一色のものや、オレンジ×金のオレ金などがある。朝イチや放流後の活性が高いときに効率よく魚を釣るためのカラーとなる。
明滅は片面が明るい色で裏側が暗い色で構成されているカラー。アクションによって、明るい色と暗い色がチラチラとアピールをしてくれる。
食わせはオリーブやブラウン、モカなどの暗めの色が特徴。魚が食べているペレットを模しているカラーで、活性が低い状況では活躍の場面が多い。
それぞれの重さとカラーをそろえると、3色を3種類の重さでそろえることになる。しかしこれだけでは心もとない。スプーンはウォブリング系とローリング系のスプーンに大別される。当然それぞれの製品によって違いがあり、ウォブリング系はアピール系、放流狙いと表現されるアクションの強いスプーンで高活性時に強い。
ローリング系は食わせ系、低活性時系と表現されるもので、アクションそのものは強くはないためナチュラルで低活性時に強い。ざっくりそのような特長があることをイメージしてもらえば良いだろう。そのため3色3種類のスプーンをハイアピールのウォブリング系、ナチュラルアピールのローリング系の2つをそろえてみよう。