富山県のホタルイカ
3月1日、富山湾ではホタルイカ漁が解禁されました。
ホタルイカは深海に生息する生物ですが、富山湾では産卵期に雌のホタルイカが大群で接岸し、海面が青白く光る「ホタルイカ群遊海面」と呼ばれる現象が見られます。この光景は国内だけではなく世界的にも珍しく、富山湾の独特な地形に起因している可能性も指摘されています。
富山県のホタルイカ漁は他県と異なり定置網で漁獲されることが特徴で、ホタルイカが傷つきにくく、良い状態で水揚げされるとされています。さらに、富山湾のホタルイカは産卵期に漁獲されるため、丸々として大きいことも強みの一つです。
ホタルイカはシロエビやブリと共に「富山県のさかな」に選定されています。
ホタルイカ漁は3月中旬頃からが最盛期で、6月下旬頃まで行われます。
静岡県のサクラエビ漁
3月25日、日本でも屈指の水深を誇る駿河湾ではサクラエビ漁は先月25日に解禁されました。駿河湾は日本で唯一、サクラエビ漁を行う地域として知られています。
今年初となる水揚げは由比漁港と大井川漁港を合わせて約19トンと昨年よりは少なかったものの、サクラエビの状態が良く順調に育っているとのこと。サクラエビ1箱の平均価格は約5万円で、去年よりやや高値で取引されました。
春漁は6月7日まで続く予定です。
東北のイサダ
岩手県大船渡市大船渡町の魚市場で、今シーズン初のイサダが水揚げされました。
イサダはプランクトンの1種で、岩手県では春の風物詩として知られています。イサダは食用だけではなく養殖魚の餌、釣りのコマセなど様々な用途に使われる非常に重要な水産資源です。近年は漁獲量が減少しており、県ごとに漁獲量の上限が設定されています。
小さな生物が重要な役割を果たしており、適切な資源管理が今後も必要とされています。
相模湾のシラス網漁
相模湾では先月11日に春を告げるシラス漁が解禁されました。
相模湾のシラス網漁ではイワシ類が漁業対象で、4~6月の春漁と7月以降の夏秋漁があります。イワシのシラスにはカタクチイワシ、ウルメイワシ、マイワシの3種類ありますが、近年、神奈川県におけるシラス漁ではカタクチイワシがメインだそうです。
湘南シラスは地元の飲食店で生シラス丼で提供される他、「たたみいわし」などの郷土料理に加工され、県内外から多くの人々が新鮮なシラスを求めて訪れます。
また、漁獲→加工→販売を一貫して行う六次産業が根付いており、新鮮な生シラスがその日のうちに楽しめることも湘南シラスの特徴です。
アユの稚魚を保護を目的とした1月1日~3月10日の禁漁期間を除く期間で漁が行われます。
3月はたくさんの漁業が解禁されましたが、4月も多くの漁業が解禁されています。この後最盛期を迎える漁業も少なくないのでこれからの季節、各地の海産物を味わうのが楽しみですね。
(サカナト編集部)